鑑賞

『かげろふの日記遺文』を読んだ/書くことについての感慨

室生犀星『かげろふの日記遺文』は、高校生のときからずっと読んでみたいと思っていたのですが、やっと今更読んだのでした(よくある)。 道綱母の書いた『蜻蛉日記』は、高校の古文の授業で読んで「やっぱ文学部に進むんや!」と確信したきっかけのひとつで…

ましまろを聴いた

五月に、ましまろというバンドのライブを観て、その後、ファースト・シングルを買いました。 とってもよかったです。 現クロマニヨンズのマーシーが新バンドを組んだ、しかもアコースティック、ということで私は、彼の往年のソロアルバム『夏のぬけがら』(1…

映画 『ムカデ人間』 を観た

ちょっと前のことなんですが、『ムカデ人間』 のDVDを観ました。 なんでかしらんが上映当初から友人らに「あんたの好きそうな映画があるで!」と勧められまくっていたので、謎の義務感を感じていたのでした……。 DVD観るということで、わざわざ輸入食品…

東京文学散歩 ――世田谷、千駄木、下北沢

東京に行った際、ひさしぶりに文学少女な気分を思い出し、文学散歩のようなことをしてみました。 メチャ歩いて足は痛くなりましたが、充実したお散歩でした。 ***世田谷文学館*** まずはKO線で芦花公園駅へ行き、世田谷文学館へ。芦花公園て聞き慣れぬ地名で…

THE王様クジラ@難波メレ

ピックの絵描かせてもろたバンド・THE王様クジラの2度目ライヴ動画を撮ったんで、youtube にupいたしました。↓ 見事な(反語)キャメラワークにもご注目ください。 まあ、なんかブートぽくていいか、とおもうことにします。 この日の演奏では、4曲目がいちば…

花はまた咲いた、ウィルコはまた来た

いつもの公園に毎春咲く、小さな花がまたほころんでおりました。 去年も、この季節にこの花のことを書いたのでした。 http://yaplog.jp/maternise/archive/704 このときは 「来年もまめ子とお花を見られるかな」 と取り越し心配をしてはしんみりしておりまし…

イエロー・クリスマス

クリスマスの少し前から、中之島にあのラバーダックが来ていたのはご存知でしょうか? 初めて会ったのは2009年、天満橋でした。 2009/9/17 あひるさん: http://yaplog.jp/maternise/archive/229 このときは、「なんだあれ!?」 と驚いたものでしたが、その…

対と幻想 : 河野多惠子「草いきれ」など

最近、河野多惠子を読んでいます。 「蟻たかる」「臺に乗る」という短編が特に面白かったので、別ブログに感想を書きました。↓↓ 名菓アカデ◎ミズモ 河野多惠子の「蟻たかる」「臺に乗る」が面白かったの巻 第1回 http://acephale.g.hatena.ne.jp/may_ca/2013…

T君の14歳の青春に聴いた曲が私の34歳の青春の夏に鳴ったよの巻

ピロウズってちゃんと聴いたことなくて、あ、ドラムのしんいちろう氏はピーズのライブで何度か観てるんやけど(ライブ前にパチンコ屋でパチンコしてて遅刻しそうになったとかMCで言ってた)、ピロウズってなんか繊細なおしゃれロックみたいなイメージを勝手…

信仰の小説だと思ったの巻

綿矢りさは、特に、大好きな作家というわけではないんですが、同郷であるということで、勝手に親近感を感じています。たとえば 『蹴りたい背中』 には、(今は亡き)プラッツ近鉄の1階がモデルになった(とおぼしき)場所が出てきたりして、をを! と思いま…

各種祭

節分祭で出遭った奇妙なたべもののことは前回書きましたが、ここのところお祭りつづきでした。 お祭りたちを記録しておきますね。 **** 【節分祭】 今年もホル研メンバーたちと行くことができました! ありがたいことです。 歴史や民俗学に造詣の深い先…

紫の煙を吸い込むの巻&御堂会館で死んでもいいと思うの巻

先週のことでありますが、梅雨の中、ロック好きの友人が、森ノ宮のロックケーキ屋(?)に連れていってくれました。 閑静な通りの、こじんまりしたおしゃれなお店。しかし中を覗きこむと、どーん!と壁にでっかいターゲットマーク。 英国出身のパティシェさ…

実験4号

なんやかんやあれこれ濃い一週間でした。 年度末であることもあり、ひっこしがあったり、冷蔵庫を運んだり。 新しい生徒をもったり。 そんなわけで近況報告を。 たねをまいた 畑もそろそろ冬の作物は終わり。というわけで新たに種をまきました。 いも、ラデ…

何年かぶりにフラカン観たの巻/夢がなくて金がなくて未来が暗くても

「初めて行ったライブは何?」 という話題がよく音楽好きの間では交わされるようですが、わたしの初めて行ったライブは、加藤登紀子。 渋いとおもいませんか? 5歳くらいのとき、親に宝ヶ池公園に連れていかれたら、なんか来てたんですよねおトキさん。無料…

初体験☆韓流アイドルコンサートで一生分並ぶの巻/韓国音楽探索

そもそも茨城に行ったのんは、ひたちなか海浜公園で催された 「JYJ復興支援コンサート」 を観るためでありました。 当ブログをお読みの方でK-POPに詳しい方は少なそーな気がしますが、東方神起というグループはご存知でしょうか。それが日本のレコード会社と…

百獣の楽園

おひさしぶりです。 さいきん、当ブログを更新しておりませんのは、リア充な夏をまんきつしているからです。 けっして、ぱそこんが壊れたからというわけではないのです。ぱそこんが壊れて修理に出したらお盆休みを挟むからひと月かかりますと言われたからと…

好きなことば(2)

もともとゴシックは流行や時代精神への批判であり、好悪のフィルターを通さないままやみくもに新しさにとびつこうとする安易さ卑俗さを否定するものである。また、無理をしてバランスのよさをめざさず偏奇なまま、善悪や利害よりも好悪に忠実であることがゴ…

好きなことば(1)

楳図かずお『14歳』より―― もはや現実のほうがホラーであるからホラーは必要ない、 のかといえば、そうではないとおもうのです。 虚構や創作てそんなもんではないとおもうのです。

愛について

こんにちも。ほんのり春めきです。 【昨今の困り】 今日は朝からしょうもないことであたまをなやませました。 これはアカデミック・ハラスメントといってよいのでないか? とおもわれる、地味で微妙ないやがらせを昨今受けたのでありますが、――自分はアカデ…

近況: 臓物と菊と菊

ここ一週間はいろいろありました。 臓物を投げたり投げられたり、 菊を手向けたり手向けられたり。 まず、先日。 ナメちゃんと、心斎橋に、theスターリン観にいったのでした。 http://www.apia-net.com/michiro/ 開演前から、ステージに爆竹が投げ込まれ、あ…

近況諸々

【最近の怪我と書き物】 さいきん、チャリで植木につっこんだり、爪が割れまくったりと、地味な怪我ばかりしています。来たるべき本厄が不安です。 あと1週間ちょっとで本厄が来ます……。 さいきんいくつか、過去の思ひ出を書きupしたのでリンクを貼っておき…

読書の秋と、げんげの思ひ出

読書の秋です。 …などと普段べつに意識することもないのですが、今年は、ふと読み返したくなった本が二冊ありました。 一冊は、深沢七郎の『みちのくの人形たち』(中公文庫)。 深沢七郎は、大学に入った年に人から薦められて読み、すげー!と思ったのでし…

空也とゆめゆめ

こんにちわ。今日は秋晴れでした。 とつぜんですが、最近、空也に会って空也ファンになりました。 空也はすぐ近くにいながら、まだ会ったことがなかったのです。 (ひょっとしたら小学生くらいのときに会ってたかもしれないけど、記憶にない。) 先日みうら…

イモムシハンドブック

わー!!!!! ここ数年のうちでもまれに見る、良い買い物をしました! 表紙を見て即購入でした! イモムシハンドブック!!!!!(文一総合出版) かわいい〜!!! 右上のやつがまめ子に似てるし! 表紙の質感もアゲハのいもむしさんの皮膚のようにつるつるで、頬ずり…

かまってちゃんをかまってきた/病跡学と血液考

先日、快晴の日曜日、八条口にできたイオンモールKYOTO へゆきました。 駅からイオンまで行列ができてました。 京都市の人口の8割くらいがそこに集結していました。 現政権は傀儡で、事実上日本を支配しているのはイオン朝廷だということがよく分かりました…

ねもにつタププ

友人モ嬢が、 「ぬらたなら絶対共感すると思う!」 と言うて、本を貸してくれました。 岸本佐知子 『ねにもつタイプ』 (ちくま文庫、2010) いやあ、既にタイトルに共感なわけですが……。 岸本さんは、本業は翻訳家。 本書は、雑誌に書かれた短いエッセイを…

正統派魔女小説を読もう

突然ですが、さいきん読んだ本を紹介しますよ。 我に似合わずかわいらしい本でごめんなさいよ☆ 朝戸麻央 『つぼみの魔女*アナベル ―弟子の種の見つけ方』 朝戸麻央、という新人作家のデビュー作です。 新人らしく、みずみずしい作風。と思いきやその一方で、…

まめ似犬/映画/銀行を襲うのさ国境へ逃げるんだ

先日、映画館でですね、 『ウルルの森の物語』 なる映画の、予告編を観て魂消ました。 さいきんよくある、犬映画(おおかみかも?)らしいのですが、この犬(おおかみ?)、まめ子にそっくりなのです!! まあ、何も言わず予告編を観てくださいよ。↓ http://…

「ペンはまだ僕を見放していなかった」

わたしが文具の中でもっとも好きな文具は、「ふせん」なのですが、Windows7 にアプグレードしたところ「ふせん」というアプリケーションが付いており、ぱそ上でも大好きなふせんを貼れるなんて というのが近頃の小さな喜びです。小さ過ぎです。 そんな2009…

文藝時評大系

ゆまに書房の『文藝時評大系』、昭和篇3 がやっと出ました! わーいわい。いろんな新聞・文芸誌に掲載された文芸時評が一冊にまとめられた、超ありがたい本です。 個人的には文芸時評という文化は、なんとなく敬遠されるものなのでありますが、たまに必要が…