鑑賞

父の帽子

――《あたしはパッパとの想ひ出を綺麗な筐に入れて、鍵をかけて持つてゐるわ》 (「刺」) さいきん、じぶんの中で何度目かの森茉莉ブームが訪れて、います。(茉莉風句読点) だが、今回のブームは、なんだか泣けてしまひます。年をとった所為で、せうか。 …

学会:感想と補足

【本日のひとこと】 切手は唾液派です。 ____________ おはよございます。 名古屋行きについては先日ちょっと書いたのですが、日本病跡(びょーせき)学会のパネル・ディスカッションで発表させていただきました……というようなことも書いてみよ…

福満祭中継 (女は存在しない、犬は存在する)

さいきん、楳図祭に併行して、福満しげゆき祭をひとり小規模に続けています。 福満しげゆきは、情けない男子の鬱屈したリビドーを絶妙に描く漫画家です。 初めて知ったのは、例によって、一時期2ちゃんねるに大量に貼られていた「大学構内でひとりぼっち画…

人など好きになったからお前今日からヘビ少女

由ありて引き続き楳図かずおを読み返しているのですが、読み返す度にリスペクトを深めています。 「リスペクト」などという語は滅多に使わないのですが、楳図先生には躊躇い無く使えてしまいます。 「先生」という呼称もあんまり使わないのですが、楳図先生…

楳図かずおを読んで思い出したこと

さいきんわけあって楳図かずお再読キャンペーン中なのですが、どの作品も読むたびに新たな発見があり、ウメズすごい!ウメズすごい! と敬意を新たにするとともに、不意に思い出されたのは幼少期の或る恐怖です。 四、五歳のころ、(多くの子どもがそうであ…

薔薇色のシャボン

商品がありません。 ひさしぶりに、森茉莉を読んで、やっぱスゴイ!と思いました。 本書は、昭和39年に『新婦人』に連載された随筆に、佐野洋子の挿絵を付けたものです。 今回やっぱスゴイ!と思ったのはココ。 まず、茉莉流お洗濯の仕方の紹介。 洗濯用のシ…

I wanna be your dog

なんか犬関連書籍ばかり紹介している気がしますが。今日は犬小説を。 松浦理英子の長編小説『犬身』を読みました。 帯には「あの人の犬になりたい。」とある通り、主人公は子供の頃から「犬化願望」を持ち続けてきた房恵。 彼女は、性同一性障害ならぬ「種同…

おっぱいいぬ

古本屋さんの100円コーナーで、すごい絵本を見つけました。 裏表紙には元の持ち主であろう子供の名前が書き込まれ、手垢で汚れたその本の名は、 『おっぱいいぬ』!! 「おっぱい」と「いぬ」という良いもの同士の融合です。 たくさんおっぱいをだすおっぱい…

ぺちゃ専門誌

フレンチブルドッグなんぞ10年前には1匹も見かけなかったというのに、今では街を歩けば101匹のフレンチブル、パグ、ボステリetc....と、短吻種人気の勢いはめざましいものがありますね。 じつはわたしも、この類の鼻ぺちゃ系犬が好みで、見かけるとつい吸い…

30kg小説としての金原ひとみ

金原ひとみの芥川受賞作「蛇にピアス」は、話題になった直後に読んだのですが、わたしにとってもっとも印象的であったのは、主人公がみるみる痩せ細ってゆくというくだりでした。ただ、私は生きている。アマがいない退屈な日々を生きている。シバさんに抱か…

りぼん今昔:『砂の城』と『グッドモーニングコール』

今日はわたしの友人にうれしい知らせのあった日でした。 さて、今日こそは「レビュー」機能を用いて、最近読んだ漫画を紹介します。 商品がありません。 いまさらなんですが、一条ゆかり『砂の城』を読みました。 1977年から81年まで『りぼん』に連載されて…

牛うしウシ

当ブログには、楽天市場の商品のレビューを書くという機能もついていることを知ったので、読書記録などもこちらにつけてみようとおもいます。 といいながら早速、楽天市場にない書籍を紹介する私。 『世界の牛・日本の牛』(1987) ブリッジ21編、中央畜産会…