そのようなわけで依然あまり元気がありませんが、有難いことに食欲などはあり健康ではあります。(「あります」て打とうとして「ありません」と打ってしまった)
暖かくなってきたので、おでかけなどもしています。
先日は、神戸のブックフェア(KOBE BOOK FAIR &MARKET) というのに行ってきました。
ブックフェアってどういうものかよく知らなかったんですが、友人がSNSでシェアしているのが目に入りまして。
家にいると気の滅入るニュースばかりが目に入り、かといってぱあっと遊びにいこうという気持ちにもなれず、何か、真面目な人が集うところに行きたいな、と思っていたのでちょうどいいや、と思って出かけたのでした。
六甲ライナーってやつに乗っていきます。

六甲ライナー住吉駅にあった気になる作品。(YUKI『commune』のジャケットみたい)

新谷英子「オーロラ」という作品らしい。
本系イベントなので引用符タイツを穿きました。

アイランドセンター駅で降りて会場へ。

どんなイベントかよく知らずに来たのでしたが、独立系書店・出版社・ZINE・古書などのブースが並び、珈琲やフードや雑貨のブースもあり、トークイベントや展示もあり、とにかく今の読書文化を愛する人々が集まるイベントって感じでした。神戸らしいイベントであるなあとも思いました(大阪や京都で開催すればたぶんまた違う感じになりそう)。人がいっぱいいてびっくり! 特に私が行った際は、独立系書店のコーナーは通路を通れないほど人がいました。こんなにたくさん、本を読んだり買ったりしたい人がいるのか~~と驚いてしまいました。


私は読んだり書いたりをよくする方ではありますが、なんだか「読書好き」と名乗るのに非常に抵抗があり、それは、自分は聴いたり話したりが苦手だからその代償に読んだり書いたりしているにすぎない……という思いがあるからなんですが、ここでは本を媒介に会話が繰り広げられていて新鮮でした。ZINEを買うときに制作の説明をしてもらったり、ほしい本を見つけたときに「この作家好きなんですよ」「いいですよね」みたいな言葉を交わしたり、八百屋や魚屋の店頭で尋ねるように「なんかおすすめある?」と訊いている人もいて、それに熱心に応える人がいて、単なるセールストークでなく真面目なコミュニケーションって感じでいいなあって思いました。私は、「読み&書き」の世界と「聴く&話す」の世界を切り離してきたところがありますが、両者をもっとすり合わせてもいいのかもね、とか思いました。
また、ZINE文化の盛り上がりっぷりにも感嘆しました。ZINEって、自分でもちょっと作ってみたいな~と思いつついやいや誰が読むねんと思っていましたが、作りたい人だけでなく読みたい人もこんなにいるのだなと分かりました。気になったものを全部買うと破産に至るので、なんならできるだけ見ないようにしてブースの前を駆け抜けました……。
以下、買ったものを紹介します。
・『塔本シスコ 絵と絵と絵の人生』(katsura books)

東京のひとり出版社、katsura books さんのブースで買いました。
塔本シスコは大好きな画家。でもこの本が出ているのを知らなかったので、見つけて「あっ!!」となりました。「角が傷んでいる」ということで割引になっていましたが、ぜんぜんきれいなんですが……。
絵だけでなく評伝や解説が収録され、絵も、図録式ではなく頁いっぱいに配置する(つまり頁に余白を作らない)という工夫がされており、そのおかげでシスコさんの絵の迫力を存分に味わうことができます。許可を取ってこの形が実現した、とのことでした。
シスコさんを何で知ったんですか? と訊かれ、ちょっとお話できて愉しかったです。普段あんまり絵の話とかする相手がいないので。ちなみに当ブログのシスコ記事はこちら。
・偉人レター
実はこのイベントにはこれが目当てで行ったところもあります。福祉作業所・御影倶楽部さんの「偉人レター」。

めっちゃいい。

御影倶楽部さんは紙漉きが仕事のひとつで、過去の「古代生物カード」などの商品もファンでした。文豪レター(?)も出るそうなのでたのしみにしています。
ちなみに下のかわいい紙は、イベント入口で配布されていたブックカバーです。複数のデザインから選べたのでこのかわいいやつにしました。
・ジグざぐさんのZINE 『水俣』『ハンセン病』
こちらはともえさんに薦められて買いにいきました。水俣とハンセン病についての読書会&フィールドトリップをまとめたもの。

メンバーは大学のゼミが同じで、卒業してからも集まって気になるテーマについて勉強されているのだそうです。そういう仲間がいるってええな~と思いました。
扱われているテーマは、私も関心あるものだったので購入したんですが、知ってるようで知らんことだらけで、やはり現地に行くことで分からんことも多いのだろうな~と思いました。
書かれていたことでとりわけ印象的だったのは、水俣でもハンセン病に関しても、地元や当事者の中から「寝た子を起こすな」的な声もあった、という話。水俣では「水俣病の勉強をしにきた」と言い難い雰囲気があった、という話。しかしそれが単に地元のタブーとして書かれているのでなく、そう言い難い自分の気持ちと率直に向き合う書き方で書かれているところが良かったです。更に、日本が植民地化していた国での公害被害やハンセン病患者へのより過酷な扱いにも触れられていました。日本で「日本人」として暮らしていると、こうしたことをつい忘れがちになります。
・タキザワハルナさんのZINE『死に看板調査報告書』
一見不穏なネーミングですが、これは私の好きなやつではー!!と思って購入。

「死に看板」とはいろんな理由で「機能が死んでいる看板」との謂。トマソンの系譜です。このZINEでは、死に看板が死因別に分類され考察されています。なるほど、デジタル死も死に看板に含むのか……等関心しながら眺めました。(なんでこういうものを観ていると心が和むのでしょう。) 頁ごとの見出しが工夫されていて楽しいです。
私はこうしたものを「虚無看板」とか「純粋看板」(純粋階段のオマージュ)と呼んでいましたが、「死に看板」はそれよりも広い概念のようです。私のコレクションも貼っておきます。↓
爆裂ご案内。豪快すぎる。本書の分類でいえば「皮むけ」でしょうか。

京大工学部純粋階段を解説する看板が経年劣化により純粋看板になってしまったもの。その経緯も含めて美しい。本書の分類では「老衰」。

・欲しかった本
toi books さんのブースで、赤染晶子『じゃむパンの日』を見つけました!

赤染晶子は(以前にちょっと書きましたが)『乙女の密告』を再読して好きになり、京都の人ということでも親近感を抱き、『WANTED!!かい人21面相』の京都描写でまた惹かれた作家です。2017年に42歳で亡くなっていますが、最近作品集『初子さん』が palmbooks で出て、わー!!と思っていたのでした。この本も、 palmbooks からのエッセイ集。
普通に流通している本なのでそのへんの書店でも買えるんですが、ここで出会ったが運命、ということで購入。toi books さんは時々名前を見かけることがありましたが、大阪市の本屋さんであることが分かったので、今度店舗にも行ってみたいと思います。ポストカードをつけてくれました(裏側には「海」をテーマにした選書がびっしり書かれている!)
財布の紐ゆるみ王になりましたが、こうした買い物はなんか「まっとうなお金の遣い方」をしている感じがして満足感が得られます。
あとは古本ブースでもいろいろ買いました。ずっといたかったけどあんまりいると破産するので適当なところで切り上げました。あ、絵本交換コーナーもあって、子どもたちが集っていましたよ。こういうイベント、また来たいな。そのうちZINEとか作ってみたいな。

* * *
さて、この後、会場の向かいにダイエーがあったので寄ってみました。これが……めちゃめちゃ良い!!!


水の流れるスペース、カラフルな動物たちの装飾、めちゃいい!! こうしたショッピング施設に夢のあった頃の建物なのだと思います。在りし日の京橋ダイエーのことを思い出してしまいました。
店舗はずいぶん閉店したのか寂しい感じになっていましたが、この建物は壊してしまうと二度と作れないタイプのやつやと思うので、どうか生き残ってほしいです。このタイプの建物が好きな方は、ぜひ行ってみてほしいです。
周囲もヨーロッパ調(??)の小径のようになっていて、若干廃墟化してはいましたがかつてはオシャレスポットやったんやろうなあと思いました。この日はその前で何かの映画を撮影していました。何の映画なのかな?





































