初体験☆韓流アイドルコンサートで一生分並ぶの巻/韓国音楽探索

そもそも茨城に行ったのんは、ひたちなか海浜公園で催された 「JYJ復興支援コンサート」 を観るためでありました。
当ブログをお読みの方でK-POPに詳しい方は少なそーな気がしますが、東方神起というグループはご存知でしょうか。それが日本のレコード会社とのトラブルやらなんやかんやあって、脱退することになった三人のグループがJYJだそうです。そんな事情で、なかなか来日できなかったらしいのですが、復興支援ライブということでなんとか日本公演が実現したのだそう。
そして、チケットをとったのはわがいもうと(下)。 いもうとは、東方神起の頃からジェジュンファンなのです。だが、ダメモトで二枚とったのが二枚とも当たってしまい、一緒に行く相手もおらず、チケットが余ってしまった、「もーいい、おまえ一緒に茨城来いや」 ということで、わたしが行くことになったのでありました。
場所は、ロックフェスとかもやってるひたちなか。わたくしにとっては初の遠征ライブ。初の遠征ライブがJYJになるとは思わなんだ。ライブは2daysで、一日3万人ずつ。こんなに規模のでかいライブも初めてです。そもそも、アイドルのコンサート自体初めてだ! 旅行がてら知らない世界を見てみるのもたのしそう♪と当初思っていたわたしは、まさかあんなすごいものやとは思わなかったのでした…。


  


ライブ開演は16時。
よってわたしは、「午前中は水戸とか観光してー、偕楽園とか見てー、昼過ぎくらいにゆっくりひたちなかに行けばいーよね」 と思っていたのでした。(ひたちなか勝田駅が最寄。勝田駅の隣が水戸駅。)
が、いもうとは 「9時にホテルを出る!」 と宣言。
9時? われわれの駅から勝田駅までは少し距離があったのですが、9時に出れば10時には着く。時間が余ってしゃーないやん? というと、
勝田駅からひたちなかまでのシャトルバスが混むから」
とのこと。
なるほど、じゃあ水戸観光は諦めよう、で、早く着いてひたちなか公園で遊べばいいや。


というわけで朝9時に出発。
(ホテルから駅への道のりも色々大変だったのですがそれは省略して、)勝田駅に着くと、臨時の切符売り場ができていたり、「SS席のチケット譲ってください」「S席譲ります」のボードを持つ人が立っていたり、イヴェント特有の光景です。
シャトルバス乗り場には列が出来ていましたが、バスは次々やってきたので、思ったほどは並ばず乗ることができました。シャトルバスでひたちなかまではまっすぐな道。意外にすぐゲートに着きました。
ところが、ここでチケットを入場用リストバンドに交換するのに長蛇の列。 一見すぐ入れそうに見えたのですが、列は駐車場に回り込んでぐるりと続いており(ナメちゃんの秀逸な語を借りると「連結詐欺」の類)、結局30分ほど並んだでしょうか。この日は朝から雨が降ったりやんだりで、風が強かったので、レインコートを着て並びました。





30分後、やっとリストバンド交換を済ませ、入場。だがわたしは知らなかった、この列がまだ序の口であるということを……。
人の波とともに、コンベヤに乗せられるように公園内に入り、「コンサート会場こちら」というでかい看板に沿って奥へ。ともかくこれで入場できたし、あとは、会場内で開演を待つだけです。開演まではまだ4時間ほどあるから、その間公園内のお花畑を見たり、カフェでまったりしたり、お昼ご飯を食べたりしたいなー とのんびり考えていたわたしは、この時点で何も分かっちゃいなかった!
「とりあえずなんか食べる?」 と休むことしか頭にないわたしにいもうとは言うたのでした。
「先にグッズを買う」
なるほど、コンサートにはコンサートグッズが付き物。じゃ、とりあえずグッズを買うてそれからゆっくり休もうか、ということでグッズ売り場へ。ひたちなか公園は広大で、グッズ売り場までずいぶん歩きました。ようやく、グッズ売り場らしきところへたどりつくと、長い列ができています。これは……まさか、グッズを求める人々の列!? 列は、いくつかの道を隔てて何隊かに分かれており、どこが先頭なのかも見極めることができません。人々の頭上を越え、すごく遠くに、うっすら白いテントの屋根が見えます。あ、あれがグッズ売り場なのか!?





なんちうても3万人の人が来ているわけで、普段3万人もの人間をいっぺんに見ることはなかなか無い。大勢の人間を直近で見たのは京大の入学式くらいですが、それでも体育館内に3千人、その十倍なのだものな。
とりあえず列に並び、「一時間はかかりそうやな」といもうとと言い合います。だがこの時点での見通しは全然甘かったのだった。
この列は、長蛇のみならず太蛇の列であって、人ごみに埋もれて暑い暑い。雨は降ったりやんだりで、われわれはレインコートを脱いだり着たりを繰り返し。この日関東は、雨にもかかわらず蒸し暑かったのです。列はうねうねととぐろを巻いて続いているのですが、列の折り返し地点に出ると、少し風が当たるので、そこだけがオアシスでした。
人ごみにアテられたいもうとが次第に無口になり、喋らなくなり始めたので、周囲の会話を聞いて暇をつぶしました。客はほぼ女性ばかり! たまに、彼女に連れてこられたらしき彼氏や、お母さんに連れられてきた息子がいる程度です。こんな女性ばかりの集団を目にすることも普段なかなかありません。そして、汗の臭いでなく、なんかいい匂いがする! 女子ばっかのライブってこんないい匂いなのか…。
年代はさまざまで、学生ぽい子から6、70代くらいまで、本当にいろいろです。若い子ばかりではと心配していたので、自分より年配の人がかなり多いことに驚きました。母娘らしき人も多かったです。周囲の会話から、「ジュンスはジュンちゃんと呼ばれているらしい」「ユチョンはミッキーらしい」 等の情報を得て、並び地獄をやりすごしました。




当初1時間くらいかと思っていたのが、1時間経ち、1時間半ほど並んだところで、前方から伝言ゲームのように、
ジュンスのうちわが売り切れたっ」
ジュンスのうちわが売り切れたっ」
という情報が流れて来、少し遅れて、
「え〜」
「え〜」
が流れてくる。
数千人の「え〜!」のどよめき。すごい一体感でした。アイドルコンサートに、うちわはかなり大事なアイテムのようです。

もはや自分が何回とぐろを回ってきたやらも分からず、2時間ほど並ぶと、やっと売り場の前までやってきた! みんなの表情が輝き始め、「あと10分ほどだねー!」という声が聞こえます。ところが…! これはまたも連結詐欺だったのでした。
いよいよ売り場に入れるかと思われたところで、実は、列は売り場の裏に回りこみさらにとぐろを巻いていたのでした! 明らかに落胆の空気に包まれる一同。そこに見えているのにたどりつけぬ、城……このグッズ売り場は、カフカの城だ!




あと30分ほどでやっと……と売り場を目前にしたところで、今度は 「うちわ全種類とタオルが売り切れ」という情報が。 これには「ここまで並んだのに〜!!」と動揺と憤りを隠しきれない一同。タオルとジェジュンうちわを買う予定であったいもうとも落胆し、ますます無口になりました。
ちなみに「すごいなー」とおもたのは、ファンの統制の取れ方。JYJファンたちは、3万人もいて暴れる人も騒ぐ人も見当たらず、ゴミもちゃんと持ち帰るし、えらく立派だったのですが、グッズ売り場でも、売り場にいるスタッフが 「○○が売り切れましたー!」と叫ぶと、それが伝言ゲームのように前から順々に流れてくるのです。
だがところどころで聞こえてくる 「聞こえへーん!」「もっぺんゆって!」 という叫び声は、だいたい関西弁。

2時間半並んで、やっとグッズ売り場に到達。わたしもナメちゃんに何か買うてあげようかと思っていたのですが、そんな元気はなく、買い物するいもうとの後ろに幽鬼のように立つのみでした。
後ろを見ると、さらに長蛇&太蛇の列が続いておりました。僕の前に列はない、僕の後ろに列はできる、ああ、自然よ、なんたらかんたら。





やっとグッズ列から解放され、この時点で既に14時。開演まで2時間です。朝から立ちっぱなしで何も食べておらず腹も減ったので、座って腹ごしらえして開演を待とうよ、ということになりましたが、その前にトイレに行っておこう。そして、これがトラップであった…!
予想していたことでしたが、トイレにも長蛇の列。だが列の長さと進度の遅さは予想以上。これが噂に聞く、トイレトラップか!
女子用だけでなく男子用・車椅子用も動員して並んでいるが、そもそもの個室数が少ないせいか、いっこうに列は進みません。ときどき申し訳なさそうに男性が男子用便器へ走り入っていくのが気の毒でした。グッズ売り場に並ぶのは、まだ「並んだ先で買い物」という楽しみがありますが、トイレはなんぼ並んでも並んだ果てはトイレです。並ぶことに何の快もないわけです。もうそのへんでおしっこしときたい……と訴えるも、いもうとに黙殺されました。当初の、20分ほどかな?という予想を大きく上回り、一時間半を経てやっと排尿
そして、9時にホテルを出ていながら、会場へ入ったのは開演5分前だったのでした。



ライブ自体は、どんなもんかな?たのしめるかいな? と思うてたのですが、思ったよりもたのしかった! さすがエンターテイナー!と思いました。
何せ広大な会場。ステージまでは300mほどの距離があり、米粒大にしか見えませんでしたが、大スクリーンにステージの様子がちゃんと映されており、衣装替えの間もスクリーンにオフショット映像が流れ飽きさせない工夫がなされてあり、退屈しませんでした。MCの時間も長い。神聖かまってちゃん並みに長い。メンバーそれぞれのキャラ付けもはっきりしていて(二枚目・ボケ・ちょっと変)、たどたどしい日本語がキュートでした。
個人的に印象に残ったんは、ステージ上に布団(!?)が登場して、その上でメンバーと女性ダンサーが絡むエロティックダンスみたいなやつ。周囲の女の子たちは 「ギャー! イヤー! やめて!」 と叫びっぱなし。わたしの後ろにいた子も泣かんばかりに「やめてっ!離れてっ!」とぷるぷるしていたのですが、その子の友人が「ダンサーだって仕事でやってるんだから!」 となだめてたんがなんか可笑しかった。
女性ダンサーとの絡みに悲鳴が上がる一方、メンバー同士の絡みには「きゃー!!(はあと)」という歓喜の声が上がり、すべての女は潜在的腐女子であるのか、としみじみしました。


アイドルコンサートといえばうちわですが、なんといもうとがうちわを自作っ。 しかもわたしの分も…! ロフトとかで応援うちわ作成キットが売られているそうです。
(左がユチョン、右がジェジュン。「あんた、ユチョンファンっていう設定な」といわれユチョンうちわを渡されました。)
振り方が分からんかったんで、拳をつきあげる要領で振ってたら、「後ろの人が見えへんから」といもうとに注意を受けました。胸の辺りでかわいく振るものらしいです。





曲は、アップテンポの曲、ラップ調、バラード、といろいろあったんですが、バラード系がよかったです。見せ場は、会場がいっせいに黄色のライトを振る「落葉」という曲。ひたちなかの会場一面が、秋の稲穂の揺れる光景のようできれい。事前についったーで「『落葉』でみんなで黄色いライトを振ろう」というのが回っていたらしく、いもうとも100均で買ったライトを用意していましたよ。




終盤には、「これはアドリブだからね」と言いつつも、東方神起時代の曲をアカペラで一節だけ歌うという場面もあり。
例のレコード会社との諸々の事情で、彼らは東方神起時代の曲を歌えないことになっているらしいので、長く思い入れのあるファンはぐっときたのでしょう、周囲はすすり泣きの嵐でした。まったくなんの思い入れもないわたしも、つられてほろっとしてしまったのだった…。




なんちうても、3万人も客がいて、実際に3万人全員がステージから見えるわけではないであろうに、ちゃんと「3万人ひとりひとりのことを考えてるよ!」という雰囲気を出していたのがすごいなー と思うた。10人や20人の授業でもそれがなかなかできんで日々悩んでいるので。


という感じで、予想以上に楽しむことができ、いもうとと感想を語り合おう!とおもったら、いもうとの終演後の第一声は 「疲れた……はよ風呂入りたい」でした。
そしてそのあとはまた地獄の帰り道行脚が! 来るときはばらばらですが、帰りは三万人が一斉に帰るわけです。亡者の群れのような行列がぞろぞろと公園出口へ向かい、またシャトルバスをめぐるとぐろ、とぐろ。今度も、シャトルバスはそこに見えているのに、連結詐欺につぐ連結詐欺で乗ることができない! というシャトルバスがカフカの城状態。一時間半後にやっと乗ることができ、10時間ぶりくらいに、座ることができたのでした。




↑うちわ&ペンライトと私


  


ところで、いもうとがK-POPにはまりだしてから、ずっと気になっていたことがあります。
K-POPが日本で大人気の一方で、いまいち分からないのは、K-POP以外の韓国音楽てどんなのがあるの? ということ。たとえば韓国のバンドサウンドって、ぜんぜん知りません。新大久保のCD屋もK-POPばかりでした。 (注:次の日は新大久保に行ったのでした。新大久保は韓流アイドルショップが立ち並び、職安通りが竹下通りみたいになってて驚きでした。ここでもいもうとはグッズ屋の行列に並んだのでした。)

……というようなことをちょっと考えていたところ、さいきん、姉(設定上)も同じ興味から、韓国ロックを探索しつつあるとのこと! いもうとが新大久保にいる間、わたしは姉に新宿ディスクユニオンを案内してもらい、Shin Joong Hyun という人のコンピと、「韓国のジャックス」と紹介されてた Lee Jang Hee という人のアルバムを買うてみました。


Shin Joong Hyun。「韓国ロックの父」と呼ばれる人らしい。

 






他にも、Kim Doo Soo という人がすごくいい。アシッド・フォークていうのかな??

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あと、サヌリム。これは有名らしい。間奏かっこいい。





姉によると、韓国のサイケやフォークはだいたい外れがないそうですが、韓国パンクなんかはまだ未知の領域です。
http://music2chnews.blog123.fc2.com/blog-entry-277.html
↑ここでいろいろ試聴できます。このスレ読んでておもしろかったのは、ときどき、「洋楽のパクリじゃん」「英語名のバンドばっかりじゃん」あるいは「自国の政府を批判するような主張ある音楽がない」みたいな批判があるんですが、それはほとんど日本の音楽にも当てはまることで、でも書いてる人は気づいてないぽいのがおもろいなー とおもたのでした。以前、メキシコで中国ロックがBGMに流れていたとき、なんか変な感じで笑ってしもうたのですが、そのとき先輩が「ロックに英語以外の歌詞がのるのがいかにおかしいかってことだよね」と言うてて、あ、そうか!と思ったことを思い出しました。同じように欧米の影響を摂取してきた国々の中で、なぜか自国だけを特権視(名誉欧米視)して、知らず知らず、他のアジアを異化してしまってたのですな。

まあそんなことはいいんですが、ディスクユニオンでは、「シリアの変態ポップ」という惹句につられ、この人のCDも買うてしまいました…(もはや韓国関係なし)↓




JYJの話から大きくそれたところで、おわります。