映画 『ムカデ人間』 を観た







ちょっと前のことなんですが、『ムカデ人間』 のDVDを観ました。
なんでかしらんが上映当初から友人らに「あんたの好きそうな映画があるで!」と勧められまくっていたので、謎の義務感を感じていたのでした……。
DVD観るということで、わざわざ輸入食品店でちょっとオサレなスナック菓子やらワインやら買い込んで鑑賞したのですが、(分かっていたことながら)そんなものをウキウキ買う映画ではなかった……。
(以下ネタバレあり)



ムカデ人間』 とは、上のジャケ画の通り、人間の肛門と口を連結し消化器系でつながった一体の生き物を作るというお話です。それまでシャム双生児の分離手術を行なってきた天才外科医は、「分離」でなく「創造」を行なうことが夢だった……って、意味が分からない!
が、しかし、人間をつなげるというアイデアはいいんだけど、アイデア出オチというか、わりとオーソドックスなB級(C級)ホラーでした。 コワ要素の大半は、ドイツの森、追いかけっこ、マッドサイエンティストなど、意外に伝統的。あと、ムカデ人間がいまいちちゃんとつなげられてなかったのが不満! つなぎ目が包帯を巻いてごまかされている……天才外科医なのに手術痕が雑だし!


というわけで、予想ほど奇抜ではないB級(C級)ホラーだったのですが、ムカデ人間の先頭につながれた男性(なぜか関西弁の日本人俳優)が、
「俺は虫ケラのような奴やけど、人間やと信じさせてくれ!」
と叫んで自害するシーンで、まるで尊厳死を主張する人の言葉のようだなぁ、とはっとし、俗悪ホラーが孕み提起するのは常に生命倫理の問題……!というようなことを思いました。
「非人間的状況下にあって、人間はどこまで人間なのか?」という問いはおそらく古典的問いでありましょうが、それがテクノロジーと結びついて問われるのが現代の特徴であろうと思います。またそれは、人間を様々の思索や創造に駆り立ててきた問いでありましょうが、その問いは、B級C級と言われるような俗悪な作品や猟奇趣味の中にこそ先鋭的に現われているのであるなあ! と思ったのでした。
そして最悪のラストシーン……!


ちなみに、『ムカデ人間2』では12人、『ムカデ人間3』では500人つながるそうです。「2」がガチだという噂ですが、イヤだ!絶対観ない!!


※以前採取したムカデパイロン↓。 ムカデ人間観てから見ると余計コワワ。
http://yaplog.jp/maternise/archive/675