五周忌/もふもふ敷布の思い出

世間的にはいい肉の日だったりいい服の日だったりするようですが、本日はまめ子の五周忌であります。五年というのが長いのか短いのかよく分かりません。思えば遠くに来たような、ついこの間のような……って節目のたびに毎回書いてる気がしますね。

 

今日は、なんとなく思い出したので、もふもふ敷布の思い出について書きたいと思います。この話は以前にも書いたかもしれませんが――最近記憶力がやばくて何を書いたか書いてないのか思い出せません、こうして「同じ話を何度もする老人」になってゆくのでしょう――、まあ書いていたとて誰も気にしないと思うのでよいこととします。

 

私がまめ子と暮らし始めて知ったことのひとつに、「もふもふした動物ももふもふしたものが好き」ということがあります。動物を飼っている人はよく知っていることでしょうし、H.F.ハーロウの代理母実験なんかを思い出せばそりゃそうよなという感じなのですが、最初は「自分ももふもふしてるのに、もふもふを求めるんだ!」と驚いたのでした。うちに来たときからまめ子は、ぬいぐるみや毛布などを与えるとそれらを気に入っていましたし、綿入り布団の綿を全部出して直接綿にくるまっていたこともありました。

 

※うちにきて3カ月目。布団から取り出した綿にくるまって落ち着くまめ子。なんかみすぼらしい。(かつ写真がブレブレ。)

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ところで、まめ子は日頃、夜になるとまめ小屋で寝、晩年は父の部屋で寝ていました。つまり夜の定位置があったのですが、しばしば私や妹が、まめを自分の部屋に連れてそこで寝かせるというお泊まりイベントが発生しました。しかしこのお泊まりイベントは、まめ子的には微妙だったと思います。

部屋に連れ同じ布団にまめ子を入れるのですが、まめ子はいつもぎこちなく、ちょっと緊張しているふうでした。必ずこちらに背を向けて寝、よそよそしく距離を開け、朝はやたら早く起きて立ち上がり早く部屋から出たそうにそわそわしていました。仕方なく一緒に寝てくれていたのだと思います。ときには夜中にそっと布団を抜け出していくこともありました。なんかこう……あまり好きでない相手と一夜を過ごしてしまった人のような……。

 

※むりやり布団に連れてこられたまめ子。どことなく緊張しており、また諦めの表情である。今思うと申し訳ない。

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しかし、そんなまめ子が、朝まで私の布団で熟睡してくれたことが一度だけありました。もふもふ敷布を導入した日(上の写真)のことです。

私は冷え性気味なのか、布団に入っても手足や肩が冷えて寝付けないことがしばしばあり、知人から敷布をもふもふのやつにするといいと勧めてもらったのですね。イオンで買ったこのもふもふ敷布は効果てきめんで、以後愛用することとしたのですが、そこへまめ子を連れてきたのです。まめ子は当初、いつも通り、よそよそしい様子でした(上の写真の通りです)。

 

しかし、朝。

いつものお泊まりであれば、平生より早い時刻に起き上がりそわそわと動き回るまめ子が……起きない!

まめ子はもふもふ敷布に顔をうずめ、気持ちよさそうに寝ていたのでした。いつもなら、はよ散歩に連れていけと鼻を鳴らす時間になっても、まめ子は油断しきった表情で敷布に鼻を埋め、日が高くなるまでぐうぐう寝息を立てていました。私の愛が……ではなく、もふもふ敷布がよそよそしさに勝利した瞬間でした!

 

おかげでその朝は幸せな気持ちで朝日の中のまめ子の寝顔をしばらく眺めることができたのでした。しかし、その寝顔の写真を今upしようとしたらばなぜか見つかりません。眺めるのに忙しくて撮っていなかったのかもしれません。見つかったのは、上の、前夜の諦めの表情の写真だけ……。よってもふもふの上の安らかな寝顔は、それぞれご想像いただければと思います。