夏の思ひ出: 酷暑!天橋立

この夏は、旧友らと天橋立へ行きました。
同じ京都とはいえ、京都市内から日本海側へ行くことは滅多にないので、小旅行気分で新鮮でありました。
しかし! 日本海側は盆地と違って涼しいんだろうなー♪ という期待は見事に裏切られ、旅の感想をひとことで記すなれば 「暑い」 でありました。
とにかく暑く、またそして暑く、さらには(われわれの常として)さまざまの惨劇が起こりました。

以下にささやかな旅の記録を記したいとおもいます。



■ いきなりナメちゃん倒れ込み事件

さて、今年は去年の惨劇に鑑み、自家用車でなく特急はしだてを利用することとなりました。
特急はしだての本数は一日に4本のみ。だが、トラブルによってナメちゃんが遅刻!
発車わずか3分前に京都駅に姿を現したナメちゃんは、焦るあまりあらぬ方向に向かって走り出し、呼び戻す我々の声に気づいて軌道修正しようとしたところで倒れ込み、

「もう嫌…嫌……死にたい…死にたい……」

と呟きながらホームへダッシュ
バカンスの日の第一声が「もう嫌、死にたい」とは!!
こうしてわれわれは無事特急へ乗り込み、北へ向かったのでした。



■ ねこまみれ事件

天橋立駅で降りると、駅前すぐに智恩寺というお寺があります。ここで寄り道。
ちなみにここで撮った地蔵写真を、先輩が地蔵ブログで紹介してくださいました

扇子形おみくじ!




地獄絵!(イイ! …これ、ネットで調べても詳細が分らないのですがどういった由来なのか)





そして! この寺にはなぜか、ねこがいっぱいいました!
境内一周するもあちこちでねこに気をとられ、なかなか進めない!
モ嬢は子猫に足に絡みつかれ身動きできない状態に。これはうれしいトラブルでありました。





■ 酷暑松林行脚

きれいなビーチで少しちゃぽちゃぽしたのち、松林を歩いて、北のほうへ抜けることに。
一見涼しげな美しい松林、ですが、暑い!!
普段徒歩には自信があるのでありますが、この日はさすがに途中で座り込んだ!
座り込む私とナメちゃんをよそに、忙しく写真を撮って回るモ嬢。この三人で観光に来ると、しばしばこのパターンになるのであった。





松のポーズ(?)




茂みから這い出てきた彼




長い松林には、ところどころ名所や、晶子の歌碑、芭蕉・蕪村の句碑が建てられており、よい気候であればよい散策なのでありましょうが、とにかく暑い!!
随所に設置された俳句投稿箱に、われわれも何か一句捻ろうということになるも、暑さで頭の回らないわれわれ。
ナメちゃんが中学生時に詠んだ名句 「すいか割り 友の頭は ざくろと化した」(字余り) に引きずられ、モ嬢(創作となると本気になる)のひねり出すあらゆる初句と第二句をすべて 「ざくろと化した」 に帰着させるバイオレンス句会に発展。


 おまえらに 芭蕉も泣いてる 蝉時雨 (ぬらた作)







■ 祈るか死ぬか! 炎天神社めぐり

一時間ほど歩いたか、松林を抜け、神社や公園のある観光ゾーンに到着。
まずは、籠神社へ向かいます。「元伊勢」であるという古い神社なのですが、妙に小奇麗に整備されていました。暑さの余り、手水舎の水をボディに浴びる不作法…。
しかし! この神社のことは、暑さでほぼ記憶が無い
モ嬢は熱心にお祈りしていました。


神社で撮ったらしき一枚。なぜこの写真? 日差しに注目。




カメonカメ






次は、パワスポ(てなんやねん)として有名だという真名井神社へ。ここは、名をきいて気になっていた神社でした。
ところが、籠神社のすぐ隣かと思いきや、田舎道を山のほうへけっこう歩く!
ついにナメちゃんが熱中症様の症状に陥りダウン。
人んちの軒先にレジャーシートを敷いて座り込み、「俺のことはいいから先へ行け」的なことを言うナメちゃんをそこに残し、私とモ嬢だけでお参りすることに。


真名井神社は、いかにも山の神社という風情で、木々の中にひっそりとありました。
迎えてくれるのは狛犬でなくて狛龍。手にもつ球が金と銀に塗られていました。



籠神社とは打って変わって、観光神社らしいおみくじやお守りは売られておらず、古くから信仰の対象であったらしき神木や石が片隅にごろりと祀られております。「わああ、本当に原始的な信仰の形っていう感じ!」と感動するモ嬢。
境内も木々に囲まれしんと涼しく、しばらく滞在したなら静かな涼やかな気持ちになった……のでしょうが、暑かった!!
境内へのぼる階段で体が熱されており、この日最大に意識を失いそうやった!!


モ嬢は行く先々で全力で祈り、全力で写真を撮り、元気。(上の写真はモ嬢撮影。私は撮る元気もなし)
真名井神社はその名の通り、きれいな水の沸くところがあり、そこでナメちゃんにお水を汲んでいきました。



■ ソフトクリームの悲劇

私が神社で死にそうになっていた間に、少し休んだナメちゃんは無事復活し、われわれはケーブルで展望スポットへ上ることに。
ケーブルまでの道も猛暑ではありましたが、海辺の町並みは素敵。家々の前に咲く夏の花も綺麗。





ケーブルの駅で5億年ぶりに冷房の風に当たって甦ったわれわれは、「観光といえばソフトクリーム!ソフトクリームを食べる!」と意気込み、ケーブル前の土産屋で売られていた丹波黒豆ソフトクリームを購入したのでありますが、そのとき、前述の、ソフトクリームの惨劇が発生!!
ソフトクリームにまみれて呆然とするナメちゃん、謝る店員さんに、咄嗟に「彼女は今日は不運な日なのです」 と意味不明のフォローをする私。
ソフトクリームは美味かったです。



■ 展望&寺未遂事件

そんなことがありつつも、ケーブルで展望スポット・傘松公園へ。




ものの数分で、この見晴らし!



やはり美しいです。ここまでの暑さが嘘のようであります。
しかし写真右上から斜めに延びる松林。これを延々歩いてきたのかと思えば、気も遠くなりますね…。
有名な「股のぞき」台もありましたが、なぜか誰も股のぞいてませんでした。私は股のぞいてみましたが、疲労立ちくらみがしたのみでした。


お花で飾られた股のぞき台。無駄に、結婚式の写真撮るとこ(名前が分からない)みたいになっている。




有名なかわらけ投げ。輪っかを通れば願いが叶う。若い男女が挑んで見事失敗していました。
ここでキメたらかっこええやろなーと思ったものの、どうせ負けるのでやめました。





傘松公園のゆるキャラ「かさぼう」。
ナメちゃんが気に入っていました。立体も多数あり。





傘松公園から更に奥には、「成相寺」というお寺があります。
「何でも願い事が叶う」 というお寺だそうです。
本来なら、ケーブルの駅から更にバスが出ているのですが、この日は時刻が遅く(この時点で5時前)、既にバスは終わってしまっていました。
モ嬢はこのお寺に行きたかったらしく、「行きたかったぁぁ!!何でも願い事が叶うのに!」と悔しげ。あんたここまで(寺×1、神社×2)でもう充分願いまくったがな!と心の中でつっこむ私。
成相寺、ここから徒歩1時間らしいで!」 というモ嬢のことばを、私とナメちゃんはもはや聞かなかったことにしたのでした…。


傘松公園には小さなお土産屋さんとフードコートもあり、そこで冷やし団子なるものを食べて涼み、退出。
この日の私の結論: 「冷房は最高」






■ 束の間のお船

いい具合に体も冷えたところで、再びケーブルで下へ。
帰る段になってナメちゃんがいきなり復活し、写真を撮りまくっていました。確かに、ケーブルの駅はレトロでいい感じ。これ、被写体はともかくとして、良い写真だとおもいませんか? (だが疲労によりエアホッケーはせず。)





帰りはさすがにもう、松林を一時間歩くのはイヤだ!! ということでお船で帰ることに。
遊覧船はもう終わってしまったのですが、地元の渡し守的な人が出している船に乗せてもらえました。
超内陸住まいのわれわれ、普段お船に乗ることなど滅多にないので昂奮。風を切って進むのでちょっとスリリングながら快適! 窓からすぐ水面が近くに見え、海にはたくさん水鳥がぷかぷかしているのが見えました。









そして……一時間かけて歩いた道を、たった5分で駅前に着いた!! 早っ。



■ 最後のダメ力発揮


さて、早めに駅前に着いたので、最後の特急が出る前にゆっくりしていこうとてほくほくしたのでありましたが、ここでわれわれは、最大のダメを発揮することとなります。
まず、先に帰りの切符を買おうと立ち寄った駅では、何かのトラブルが起きており、無駄に長い間待たされ、駅の隣の足湯があるからあそこで疲れを癒やしていこう! と思いきや、足湯は既に終了。
そういえばまだ団子以外の名物を食べていない!
せっかく海に来たのだから私は海鮮を食べたい!!
と主張し、駅前にいくつか並ぶお店を当たるも、軒並み閉店

食べられないとなるとますます食べたくなるもので、疲労を引きずりつつ駅前を彷徨することしばし、界隈で一番大きなお土産屋さんの食堂が開いているのを発見! 中には美味しそうな海鮮丼を食べている人たちの姿が! わーい!!やったー!!
と、お店に入ろうとした瞬間、目の前で 「営業中」 の札が裏返され、食堂は閉店したのでした………

 

    おさかなも いくらもウニも はまぐりも まだ烏賊も見ず 天橋立 (小ぬらた内侍)



私たちはとぼとぼとコンビニに入り、もう、これを買うしかなかった。


宮津名産 黒ちくわ





電車でちくわをかじりました。ちくわは旨かったです……
なお、同時に買ったチョコラBBが電車内で噴射というダメ押しのダメが起きたことも付け加えておきたいとおもいます。