タイトルは「スカスカおせち」のオマージュです。
近年、地元民がまともに生活できないほどの観光客の増えっぷりを見せていた京都でしたが、まさかこの春、こんなことで、スカスカ京都になってしまうなんて……。
この時期は例年、自転車通勤をするにも普段の倍近い時間がかかるのですが、今回は観光地も自転車でスイスイ通り抜けることができて、観光シーズンの京都につきものの「ビィィィィィーーーー」という音(苛立ったクラクションの音)も聞こえません。
疫病のおかげでなんて快適なんだ!これで疫病さえなければ最高なのに! というなんとも解消しがたい矛盾の思いを抱えながら、道中撮った写真たちを、今年京都で会うはずだった方を含め各地の皆様にお裾分けしようと思います。
蹴上インクラインのあたり。例年であれば最みっしりゾーンです。線路に散りかかったピンクもよく見えて。
疎水越しに動物園が見えています。動物園も今週から閉園してしまいました。
淋しいよう……また絶対みんな(動物たち)に会いたいです。
対岸から見た動物園と東山。ここからは、動物たちの声がよくきこえて無事が確認できました。いや無事を確認されなならんのはわれわれ(人間)のほうなのですが。
哲学の道、若王子側の入口。東山も青々と。
ここも本来なら、人が写り込まない写真を撮るのは不可能なはずなのですが……。
哲学の道をチャリで走って抜けました。この季節の哲学の道を自転車で走るのは人生初で、パラレルワールドに来たような気持ちです。こんなことは今年限り……だといいのだが。
ちなみに TEA ROOM 若王子の看板がなくなっていました。
桜の下に黄色いお花が咲き乱れて綺麗。
人間社会がどんなでも、花たちは年々新たに咲き誇るのであるな……と月並みなことを考えました。
青い小さなお花も。見えるかな?
花筏ができる少し前。今頃は一面ピンクでしょうか。
お地蔵さんもひっそり。
西田が歩いた頃の哲学の道はこんなに静かだったんでしょうか(こんな整備されていなかっただろうけど)。
冷泉通。東から西を。
水面に映る見事な枝ぶりでした。
逆に、西から東を。赤い橋に京都市バスが走るのは、穏やかないつもの京都の風景でした。
人間らがこんなことになっても鳥たちは元気。
枝にはハト、水面には水鳥が一羽悠々と東へ泳いでいきました。
この春は、親族の弔事で京都内をうごうごすることも多かったのでした。当たり前ですが、世がどうあれ、疫病以外でも人は死ぬのです。こちらは墓のある寺の山門です。ここも、散りかけの桜が美しく、小さなつむじ風に花びらが舞い上がっていました。昔ここで従姉と図工の宿題のスケッチをしていたら、おじいちゃんがヤクルトを持ってきてくれたことがあったなア……などと思い出しました。
おまけ。雨の日の疎水沿いもまた良いものでした。