ベトナムのまめ

最近、こんな写真集を買いました。暇さえあればにやにや眺めています。





杉浦かな子 『アジアン・ドッグ』
ピエ・ブックス
2003




アジア各地で犬のいる風景を撮影した写真集ですが、この本の良いのは、雑種が実にのびのびとしているところ。
よくある、純血種の子犬がポーズを撮ってるような写真集も、それはそれで好きなのですが、やはり雑種には独特の佇まいがあっていいなア、とおもいました。

そしてそれが、猥雑だったり荘厳だったりするアジアの風景とよく調和しています。
犬が道路でごろんごろん寝ていたり。大きなおっぱいの母犬がそこらへんを走っていたり。かと思えば、由緒ありげな遺跡の上を歩いていたり。
ひと昔前は日本もこんな感じだったのでしょうか。
無論その風景の陰には、狂犬病等色々大変な問題があるのでしょうが…。


ところで、この本を買った決め手は、表紙の犬です。
この犬、情けない目と体の色が、まめ子に若干似ているのです。
嗚呼、雑種は皆、どこの国にいても少し似通って、どこかまめ子と共通する要素を持っているのだなア!とうれしくなったのですが、更に我が家に大旋風を巻き起こしたのが、ベトナムで撮られたという一葉の写真でした。




右端の犬に注目。(注:矢印はぬらたによる)




頁を四分割された小さな写真の端の、見過ごしてしまいそうななんてことない雑種犬の姿………。
しかし、我が家の者どもは皆、この写真を見るなり、
「な、なんで!?」
と叫んだのでした。
「なんでこんなところにまめ子が!?」


そうなのです、この犬、遠目ではありますが、何から何までまめ子そっくり。
表情、体色、体型、耳の大きさ、しっぽの長さ(中途半端に短い)、肩にほわほわの白っぽい毛(通称「羽根」)が生えているところや、後ろ足の立ち姿まで、まめ子そのもの。
とても他犬の空似とは思えません!


まめ子よ、おまえはベトナム犬だったのかい? 海を渡ってやってきたのかい!?