突然ですが当ブログで一番訪問者数の多い記事は、桜ノ宮ホテル街の記事です。
おそらく検索から訪れてくださっている人が多いのだと思いますが、特に役に立ちそうな情報もなく申し訳ないことです。2015年の記事なので、当時のホテルもずいぶんなくなったり改装したりしていると思われます。
さて、そのホテル街の最寄、JR環状線・桜ノ宮駅はなんてことないこじんまりした駅ですが、沿線の様子はなんとなく趣深いところがあります。
聴くところによると、かつて関西鉄道桜ノ宮線というものが通っていたとのこと。鉄道のことは全然知識がないのですが、wikiによると、関西鉄道は明治期に設立されその後国有化されて消滅した鉄道会社とのこと。網島 - 桜ノ宮間は、明治34年に開業し大正2年に廃線となったようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E8%A5%BF%E9%89%84%E9%81%93
wiki::網島駅
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%B2%E5%B3%B6%E9%A7%85
廃線好きの方のブログなど参考にしつつ、ペグレス(仮)にいろいろ聴きながら歩いてみました。ただ、関西鉄道については明確な資料がなくて分からないことが多いようです。
まず、最も分かりやすい遺構はここ。
桜ノ宮駅のすぐ隣、駅の大川に面した改札から川側に降りたところです。
現在、JR環状線が川の上を走っていますが(写真奥の高架)、手前に、環状線の前身・城東線と、関西鉄道桜ノ宮線の線路があったのではないか? とのこと。
壁がえぐれた感じになっています。本来はここから高架が川へ延びていた?
上に建造物があったであろうところに、ボルトが突き出ています。
手前が関西鉄道、その奥が城東線とすると、新しくなるごとに高さも少しずつ高くなっていったのかな。
なんかのくだ。象の鼻のようにプランとしてました。
煤けて年季の入った感じ。廃線の遺構ということを知らなくても、趣きある一角です。
旧城東線の土台?と思われるところと現JR線の間。落書きがされています。
駅との間は一部花壇になっています。
ここから、環状線沿いを探索してみました。
まず、桜ノ宮駅から京橋駅方向に少し歩いたところの風景です。ラッピング電車がちょうど通っていい感じです。
ここ、以前に通ったときに、なんか趣きあって気になるなと思ってたのでした。どうも、高架の手前の煉瓦部分が廃線の線路の名残のようです。その前には、土台が新しそうなお地蔵さんが設置されています。大阪にはこんなふうに、ご利益の名前が書かれたお地蔵さんが多いですね。
このでっぱりも、かつて高架がつながっていた名残なのでしょうか。
他にもこの近辺には、良い感じの高架下が多数あるのですが、どれも廃線の名残を遺していることに、言われてみれば気づきます。
ここは、煉瓦が上から塗りこめられていることが分かります。
中に入るとこんな感じ。
血を流す黒目がいました。
これはまた別のトンネル。鳥居ちゃんが超いい感じです。
何かの記号。
この鳥居ちゃん、ほんとに良いですね……。物干し竿は謎です。
上の写真は高架北側の入口ですが、南側から見るとこのようになっています。この煉瓦部分が昔の路線の名残なんでしょうかね?
そこから南東に向かいます。しばらく線路沿いをぷらぷら探索しました。
環状線沿いでよく見る植物。
「なんで二回言うねん」系物件。
線路沿いを歩きつつ、途中で分岐する道を南へ。
すると、タクシー会社とガソリンスタンドの跡地のようなところに出ます。けっこう広いスペースですが今は廃業しているようです。大通りを挟んで向かい側が学校。このあたりがどうも、かつての「網島駅」だったようです。何か碑などがあるかな? と探しましたが見つからずでした。廃会社の構内に何かあるのかもですが、敷地内には入れずでした。
鳥の巣になっていた廃車。
「網島」という地名自体は残っていて、近くには「網島市場 コム・アミジマ」という市場がありました。『心中天網島』の「網島」は、このあたりのことなのだそうです。
かわいい車ありました。
ここから少し南に行けば、1号線に出ます。京阪京橋駅の片町口はすぐそこです。
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ところで、知るかバカうどん先生の『君に愛されて痛かった』をお読みの方はおられますでしょうか。あの作品の舞台がまさに桜ノ宮近辺であります。冒頭に挙げたホテル街の記事の写真と同じスポットも出てきています。桜ノ宮神社も出てきますね。
これは桜ノ宮駅を大川に面する側の出口から出て、駐輪所の横を奥に進んだところ。このフェンスは作中に何度も出てきていますね。左手の駐輪所のすぐ裏が、上に挙げた廃線遺構です。
バカうどん先生の作品受容に関しては、この記事が良かったです。
少女凌辱エロ漫画がなぜ女子に支持されるのか。「知るかバカうどんファン」インタビュー - messy|メッシー
女性とポルノというテーマが語られる際、「女性は愛や親密性あるエロを好む」という傾向が強調されがち(最近はそうでもないのかな)であることに昔から違和感がありました。その裏返しとして、そうでない女性(たとえばえげつないエロや暴力的な表現が好きな人)は不可視化されたり過剰に異常がられたりしがちです。そんな中、この記事は、うどん先生に女性ファンが多いという現象を取りあげており、かつその取材の中で、作品の魅力として、過激さの中のさまざまな要素が語られていた点が良かったです。話が鉄道遺構から大幅に逸れたので終わります。
駅の横にあったひったクリーン作戦看板。