まめ子18周年★まめ meets 他の動物

先日、まめ子がやってきて18年目の記念日でした。

まめ子はわが家に10年目いたので、もうじき、いなくなってからの時間のほうが長くなってしまいます。いつか上手く思い出せなくなる日が来るのかもしれません。まめ子と歩いた実家の近所の様子もずいぶん変わってしまいましたし、まめ子を知る犬たちも皆鬼籍犬となってしまいました。

しかし今のところ、写真を見れば未だ犬の気配は親しくそばにあるものとして思い出され、まめ子が来たその日のことは、昨日のように――は言い過ぎか、まあそんな前でもないように思い出されます。

 

この話は何度も書いていますが(というかブログやSNSを長年やっていると何を書いて何を書いてないんだか分からなくなってきてたぶん同じ話を何度もしているうえに「何度も同じ話をしている」ということ自体何度も書いているのですが)、まめ子は町内を彷徨っていたところを、近所の人がとらえた犬でした。とらわれたまめ子はとりあえず町内の空き地につながれました。それを、犬好きのわが妹が深夜に抱きかかえて我が家に連れてきたのが始まりでありました。

それからの話は繰り返しませんが、この日、父と妹が犬を散歩に連れて出たのが、妹の思春期突入以降一緒に外出することがほぼ無であった二人の久々の連れ立っての外出であるなど、犬の存在が我が家の歴史と家族力動を大きく塗り替えてゆくことになったのでした。

 

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さて、そんな歴史的散歩から帰ってきた父と妹は、疲れた様子で口々に、

「大変やった……」

と言いました。

町内の空き地に連れられてきたときからまめ子は、抵抗するそぶりも見せずひとことも吠えることもなく、あまりにもおとなしい犬でした。情けない顔でしょんぼり座っているのみで、我が家に連れられたときも妹に従順に担がれてきました。よって、この犬はこういうおとなしい犬なのだろうとわれわれは理解しました。近所の犬飼いの人から借りた首輪をつけられてもなされるがままであったその犬は、しかしそうして連れられた散歩で大暴発したようでした。父&妹曰く、ずっとおとなしく歩いていたのに、散歩中のよその犬を見かけるや、突然「ガウッ」と太い声で吠えて襲いかかり、二人がかりで慌てて止めたのであると。

そう、まめ子は対人間的には何の問題もありませんでしたが、犬社会ではどうやら社会不適合犬のようでした。この「まめ子、犬との距離感苦手問題」は、晩年までわれわれを悩ませました。子犬の頃から飼っていたらばもっと性質を理解できていたかもしれませんが、自立した成犬としてやってきたまめ子ですから、どうも、最後までよう分からんところがありました。散歩中に見かけた他犬にふんふん鼻を鳴らすので、好意を抱いているのかと思いきや急に吠えてとびかかろうとする、噛みつこうとする。他犬の飼い主さんに謝ったことも何度かあります。

 

では、他の動物に対してはどうだったでしょうか。まめ子は犬の他にも、猫、ブタ、馬、亀などに出遭ったことがあります(その他ネズミとか虫とかにも出会っていたと思うがとりあえず一定の大きさ以上の動物に限ります)。今日は、それぞれに出遭ったときの思い出について書こうと思います。

 

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■ vs 猫

まめ子の対猫関係は、対犬関係にも増して大変でした。

犬相手のときは、途中で理性を働かせることがありました。たとえば、小さな犬に吠えかかられて戦闘モードになっても途中で「いやいや、許したろ」とでも思い直したかのように身を引きいつものフーンとした様子に戻る……などというときは、「ああ、なんて賢く優しい犬なんや~~」としみじみしたものです(注:飼い主バカ)。

しかし、猫との遭遇に際しては一切の理性を失い、それが取り戻されることはありませんでした。散歩中に猫に出遭うと突然野生に戻ったかのように吠えて走ってゆこうとする、猫が隠れている塀の向こうや車の下をしつこく探索しようとする。普段のまめ子からは想像できぬアグレッシブさで、そうなるとほんとうに手に負えなくなりました(まめ子は最大時で20kgの体重がありもともと制御に体力が要りました)。

 

おそらく猫を探しているときの様子:

 

普段のまめ子の様子:

 

最も恐ろしかったのは「猫振り回しSさん流血事件」です。

Sさんの愛犬は、まめ子と仲良くしてくれた数少ない犬でしたが、彼はまめ子と対照的に、猫を愛し猫に愛された犬でした。Sさんは保護猫の世話もしていた人でしたが、Sさんが愛犬を散歩させていると近所の保護猫たちが出てきて連れ立って歩く様子は地域の名物でもありました。あるとき、散歩中にSさんに遭い、私たちは互いの犬を遊ばせながら立ち話をしていました。事態は突然起こりました。それまでの穏やかさから一転、形相を一変させたまめ子が何かを口に銜えて振り回しているではありませんか! Sさんの犬の姿を認めて出てきた猫を、まめ子が瞬時に狩ったのでした。さっきまで可愛く「ふ~ん」とか言いながらお友達と遊んでいたのに!? 猫は首もとを銜えられぐったりと声もありません。このままでは殺してしまう!! 私はまめ子の口をこじあけてなんとか猫を放させようとしましたが、まめ子は私の手まで容赦なく噛んできます。日頃人間を噛むことなどほぼ無いのに。私とSさんは流血しながらまめ子と闘い、最終的にはSさんがめっちゃまめ子をしばいて猫を救出しました。

幸い猫に別状は無く、その後Sさんちにお見舞い&謝りに行きましたが、思い出したくない事件のひとつであります。われわれの中では、「まめ子は猫を食糧だと思っているのだろう、放浪時代に猫を喰っていたに違いない」というのが定説になっております。

 

■ vs ブタ

ブタに遭ったときのまめ子は、意外にも終始おとなしくしていました。

鴨川を散歩させていると、向こうから同じくらいの大きさの犬がやってきました。でも……なんかフゴフゴ言っている? ん? と思ったら! ミニブタさんでした!

まめ子は最初同族にするようにお鼻同士を近づけ、その後背や尻をふんふん嗅ぎました。

 

撮らせてもらった写真です。本当はお鼻をくっつけしてる姿が可愛かったのですが、ブタ氏があちらを向いてしまったため、まめ子が一方的に追っている風の図に……。

 

まめ子は「なんやこやつ……なんか違う……でもなんかわからん……」みたいな雰囲気でした。しかしそれ以上追うことも襲おうとすることもなく、穏やかに別れました。ブタとなら同居もできたかもしれません。

 

 

■ vs 馬

まめ子が遭った中で最も大きな動物は、やはりウマでしょうか。

お散歩中に、或る神社のお祭りの行列に出遭い、ホーと見ていると、その中にリアル神馬さんがいたのでした。優雅でかなり大きなお馬さんでした。まめ子が怯えたり暴れたりするのでは、と危惧した私は、まめ子を座らせ腕でガードしながら行列が通り過ぎるのを待ちましたが、なんとまめ子は終始無反応でした。このお馬さんはまめサイズに比してでかすぎて、生き物として認識できなかったのでしょうか……??

 

通り過ぎてゆく行列とまめ子

 

かと思えば、また別の折、別の神社の神馬さんと出会ったときは興味津々でした。

 

上の写真では離れたところから見つめているだけですが、この後、神馬さんがお散歩させられているところに遭遇したまめ子は、境内を走り回り、お馬さんが通った後の地面の匂いを嗅ぎまくり、ついには狛犬に登ったのでした。

 

当のハナコさん。2011年。まだ元気でおられるかな?

 



■ vs カメ

意外な興奮を見せた相手といえば、カメです。

当初、なんとなく、まめ子はカメのような硬いものには興味を抱かないだろうと思っていましたが、大間違いでした。

カメとの遭遇の顛末は当時の日記でも書いていました。

未知との遭遇:かめとまめ - 京都ぬるぬるブログ2.0 (hatenadiary.jp)

 

この後更に、お散歩道でまた別亀と思われるカメに遭遇しました(どこかの池から脱走してきたのでしょう、この頃、近所で迷い亀が多発していました)。

 

この時点では呑気に写真を撮っていますが……


しかし次の瞬間! またも人が(犬が)変わったようにまめ子はカメに踊りかかり、吠えたて、リードを引いて静止してもものすごい力で抵抗し、首がしまってコホコホ言いながらもなおカメに向かおうとし、最終的にまめ子を抱き上げてカメから引き離そうとしましたが前回同様腕の中で暴れまくり落下する始末。困り果てているところへ知らないおじさんが通りがかってカメを移動させてくれて、事なきを得ました。

その後も延々とまめ子は、カメのいた場所に戻ろうとして抵抗していましたし、翌日からもずっと、カメがいたところを通るたび執拗に匂いを嗅いでいました。このカメ残り香嗅ぎはなんと半年くらい続きました。カメの何がそんなにまめ子の心を奪ったのか。一般に犬ってカメが好きなものなのでしょうか???

 

犬を飼うと、いろんなところに犬を連れていきたくなるもので、当時ひとりで動物園に行くたびによく「まめ子も連れてこれたらいいのになア、いろんな動物を見せてみたいなあ」などと想像していましたが、もし実現可能であったとしても、以上の戦歴を考えると、絶対に連れていかないほうがよかったと思います。

 

■ vs カラス

これは番外編。狙っていたパンくずをカラスに奪われるまめ子です。