まめ子17周年☆ まめ子と野生、まめ子とドライヴ

今年もまめ子記念日がやってきました。

今年は、まめ子がやって来た日から17周年です。

17年経って薄れている記憶も多いはずですが、未だに、まめ子のことを思い出したり書いたりする時間は愉しい時間です。

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先日ひととまめ子の話をしていて改めて思ったのは、まめ子は、「理性」と「野生」が絶妙なバランスで同居している犬であったな、ということでした。(ここでは「理性」と「野生」の両概念を対立項として使っています、諸説あることとは思いますが便宜的に。)

ご存知のように(ご存知のように?)まめ子は元・野良犬でした。犬社会での社会性がなくすぐ他犬と喧嘩をしたり、猫や小動物を見るとブレーキを失ったかのように遅いかかっていこうとする(おそらく食うために)という、ワイルドな、というか粗暴な一面がありました。散歩中に遭遇した猫を食らおうとするまめ子を、近所のおっちゃんとともにしばきまくってやめさせ流血した(私とおっちゃんが)こともありました。子犬時代から飼っていればまた違ったのかもしれませんが、成犬になってからの出遭いであったこともあり、何でスイッチが入るや分からぬ得体のしれない面がまめ子にはありました。

一方で、小型犬に吠えかけられて向かっていこうとするも「いやいや、許したろ」みたいに思いとどまるまめ子の姿、母と喧嘩してめっちゃ吠えまくった後に「さっきはすまんな……」と手を舐めにきたまめ子の姿も、われわれは記憶しています。

 

よく覚えているのは「野犬事件」です。ある夏、われわれはまめ子を連れて山へ行きました。山の中に小川の流れる場所があり、そこにまめ子を浸けながらキャッキャウフフしておりました。まめ子は水は苦手でしたが、浅瀬だったこともありおっかな足を浸けた後は気持ちよさそうにしていました。

しかしそうしているところへ、突然別の犬の吠え声が! 土手の上を振り返ると、まめ子と同じくらいの大きさではあるが明らかに風格が違う感じの犬が、われわれよそ者の闖入を咎めるかのように吠えたてていたのです。野犬なのか、このあたりで放し飼いされている犬なのか。やがて野犬(仮)は仲間の野犬(仮)を呼んできて、われわれとまめ子は、土手の上から計3匹の野犬(仮)に吠えたてられることになりました。

そのときのまめ子の反応よ……!  元・野良犬のワイルドさを発揮するかと思いきや、しっぽを巻いて「ふーん、ふーん」と鼻を鳴らし、ソワソワとその場で小刻みに足踏みするのみ。 野犬たちが立ちはだかっているのはわれわれの車の前。母が「あんたら! 棒を拾いよし!」と号令をかけ、われわれはそのへんに落ちていた木の枝を拾い、フリーズしているまめ子を妹が抱え、野犬たちを牽制しながらなんとか車にまめ子を積み込んでその場から逃げ去ったのでした。

その間まめ子は「ふーん」と不安な表情を作るのみで、犬のくせにまったく対・犬対応ができませんでした。「そこらへんでちょっと不良ぶってたやつがガチもんの不良にからまれたとき」の反応か!(いやべつにまめ子は不良ぶっていたわけではないが……。) このときは、まめ子って野生に見えるけどやっぱ「都会の犬」なんやなあ……と思いました。 

 

 

事件の舞台となった川

その後?

 

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ところで、まめ子が来てからこのように、川や山や湖へ行く機会が増えました(海には行けずじまいでしたが)。

父親がアウトドア好きであるので、子供の頃はしばしばそうしたところに連れていかれましたが、成長してからはそんなこともなく、そもそも家族で出かける機会というのがありませんでした。車も、人が二人しか乗れない小さなものでした。しかしまめ子の到来により家族で出かける機会が発生し、自動車も少し大きめのやつに買い換えたのでした。「ドライヴ」というそれまでになかった概念も我が家に導入されました(目的なく車に乗るということはそれまで我が家になかった)。

 

 

犬には、車が好きでない犬もいるようですが、まめ子は車が大好きでした。人間が車に乗りそうな気配を察知すると、シュタッと立ってついてこようとするのでした。どこかいいところに連れていってくれる機械という認識だったのか、車に乗ることそのものが好きだったのかは分かりません。前の飼い主にも車に乗せられていたのかもしれませんね。

しかも、車の識別が或る程度できていたようで、道端で、我が家のと同じ車種の車を見たとき、おすわりして「乗り込む姿勢」になったことがありました。

車に乗る際、まめ子はだいたい後部座席に私と一緒に座ります。その際、かたくなに私のほうに尻を向けて座るのですが、遊んで疲れた帰り道などごくたまに膝に頭を載せてくれることがあり、嬉しかったものです。

 

 

基本姿勢

 

 

 

超レアな「頭を膝に(ちょっとだけ)預けてくれてる」場面!!



しかし、ドライヴ中のまめ子の姿を思い出すときに真っ先に思い出されるのは、その熱心な後頭部です。

まめ子はドライヴ中、ずっと窓の外を熱心に眺めていました。「元いた街を探そうとしてるんやろか」と言い合ったりもしましたが、単に、景色が移り変わってゆくのが好きだったのかな、とも思います。

 

もうじき、親も運転免許を返納しなくてはならん年齢になりますが、親や妹の運転で(※私は運転ができない)、京北町の川へ行ったことや、道の駅で誰かが買い物するあいだ他の誰かが外でまめ子を連れていたことや、湖岸道路を走って琵琶湖沿いの公園でまめ子を散歩させたことは、今でも良き思い出です。