つつじの季節のまめ子/『俺、つしま』を読んだよ



つつじの季節でございます。といっても今年は桜も早かったし、つつじも既に枯れ気味ですが。
この季節は、犬とおさんぽするには一番良い季節でした。
寒くもなく、暑すぎず、あたたかな年はTシャツ一枚で、いろんなお花が咲く中を犬とぽてぽて歩いたものです。犬もすっかりほころびて、五月の日差しが気持ちよいのか、路上でムニャムニャと腹を広げたりしたものです。


この季節の気に入っている写真といえば、コレです。
咲き誇る満開のつつじを背景に、まめ子の微妙な表情がよく撮れたと思います。
インスタに載せたところ、「犬の表情、これでいいの!?」というコメントを友人からもらったのでしたが、まめ子はだいたい常にこういう顔の犬でした。




陽気の中、公園や草むらでゴロンゴロンするのも楽しい時間でした。その後、まめ子は全身くっつきむしだらけになるので、ブラッシングしてやらねばならなんだのですが。写真は、ゴロンゴロンしすぎて大地と一体化しているまめ子です。




家のPCの壁紙は今も、このシロツメグサ畑の中のまめ子です。パノラマで撮ったものです。





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ところで先日、猫漫画、『俺、つしま』(おぷうのきょうだい著、小学館)を購入しました。



野良猫から飼い猫になったニ頭身猫、つしまを中心とする、猫エッセイ漫画です。
ツイッターで話題になった頃から愛読してまして、書籍化を心待ちにしていたので嬉しいです。猫漫画は、デフォルメされた絵柄が多いですが(それも可愛いのですが)、つしまは圧倒的画力でリアル猫が描かれているのがまず素晴らしいです。
端々の小ネタから、作者の日本映画への造詣が窺えるところも好きです。


ツイッターで連載されていたものに加え、描き下ろしも多くて大変満足したのでありますが、描き下ろしで描かれた、前代猫との思い出や「姐さん」猫のエピソードは、何度読んでも泣いてしまいます。
犬と猫との違いはあれど、姐さんとおじいちゃんが思い出を語り合うところも、おじいちゃんが今でも姐さん在りし日の習慣を守っているところも、まめ子のことを思い出しながら読みました。


最後、「姐さんはいろんなところにいるよ」ということばとともに描かれた、美しいお空の絵は、私がまめ子を亡くしてから感じているお空そのままで、ああ、やっぱりそうなんだ、と思いました。
犬や猫はいなくなってしまっても、その姿がこの世界に型抜きで抜かれたように存在しているようだよ、と私もずっと思っていたので、それがそのまま絵にされたかのようで。
特に、こんな季節の良い気候の日には、お空や、いつもお散歩していた道の端に咲くお花たちや、雑草や、そうしたもののひとつひとつに、われらのまめ子がきらきらと宿っているような感じがするのです。