富山・石仏の森&石像の里に行ったよの巻


富山行きはあいにくの雨(それも台風迫る中のけっこうな雨)だったのですが、そのわりには、色々観光できました。


ダメンバーたちと観光プランを相談していたとき、誰が強く主張したわけでもないのに、自然に行くことが決まっていたのが「おおさわ石仏の森」
雨の中、レンタカーで山道に分け入ってゆき、神通川沿いを走ります。ひと気は無し。



このとき車内では The Birthday のカッコいい曲を流していたのですが、サーモンさん(※仮名。私の分身的な人・今回初対面なのにすっかりダメ投合・サーモンが好物)が 「もうこの曲が石仏の曲になってしまう〜 石仏ソングや〜」と呻いていました。
初めて聞く単語、石仏ソング。

なかなか立派な神通第二ダムの横を通り過ぎると、ますますひと気はなく、電車でも来れるらしいがこれはちょっと一人歩いてくるのは気がひけるな、という感じです。
山道をしばらく行くと、木々の中にポコポコと何かが見える。あったー!石仏の森!



段々になった山の斜面にずらーりと石仏が並んでいます。
リアル人間はほぼいないのに、すごい「人」の気配!
そして漂うパラダイス(桂小枝的意味での)感。サーモンさん「おいでよ石仏の森」



霧りわたる山を背景に居並ぶ石仏群。



入口付近に、この施設の趣旨が書かれた紙がありましたが、
「願望:平和、信仰、幸福、健康、平等を願って」
「信仰:心のなごみになればと思い設置しました」
「飛騨路の話題の一つに」

など、控えめな感じに好感をもちました。
しかし心のなごみよりもすごみが勝っている気が。
ちょっと金剛宮の羅漢部屋を思わせます。




ダムを望む石仏たち。


雨に濡れつつ対岸を見つめる背中よ……



対岸の家々からは朝晩この石像群が見えるのでありましょうが、どんな眺めなのでしょう……。
ここの石仏は、白い素材の上に石っぽく見える塗料を塗っているらしく、どれもそれが部分的に剥げ落ちてまだらになっており、それがなんともいえぬ味わいでした。
また、動物のようなものに乗っている仏さまが多かったです。仏像に詳しくないので分からんのですが、それぞれ、なに仏とか、名のある仏(?)なんでしょうか……?


雨に濡れ達観した風情


どことなくしょんぼり


たくさんのお手々もまだらに


サーモンさん撮影・石仏を観る私。


斜面のかなり上のほうにまで石仏は並んでおり、上のほうには気になる石塔もあったのですが、かなりの雨で上まで登るのは憚られたのでパスしました。晴れなら登りたかったですのう。
「無料休憩所」という小屋もあったのですが、これも入口が閉ざされ入りづらい雰囲気であったので通り過ぎ、さらにここより800メートル山奥へ進んだところの「ふれあい石像の里」へ。
ここは石仏の森よりも更にアナーキーな感じ!



まず前面に居並ぶのは干支の動物たち。かわいいやつときもめのやつの差が激しかったです。

チキン・ジョージ博士を思わせる酉さん。


巳さん。


なぜかセクシイなポーズの丑さん。



そしてこの干支の背後には、びっしりと人物石像たちが!
われわれの他には立派なカメラをもった方が一組いらっしゃるのみ(珍スポット愛好家の方でしょうか?)で、周囲はやはりひっそりと静か。しかしざわめきが聞こえてくるかのような石像の群れ。
人物は、作者の知人・友人・親族らをモデルに作成されたとの説明がありました。

「願望:水魚の交と(注:原文ママ石塔に刻む(水魚のような平等交際、非常に親密な友情、交際などをたとえて言う話) 出会いとふれあいを大切にし、それを形にして子孫に名を残すことを念じて」


親戚の集いに一人だけ垢抜けた人が来て「えっ、誰あれ!?」という場面。


法事の日の親戚たち。


こちらは「卒業式の先生たち」という感じ。


卒業式の先生たちの足元にも謎の西洋人の頭部が……。


壮観であります。



それにしてもモデルとして石像の一体にされたひとびとは果たしてどんな気持ちなのでありましょうか……。
いきいきと生気のあるような、それでいてひんやりと死の匂いのするような、なんとも不思議な空気……。

これ、写真に写ってるのはほんの一部で、実際はこの何倍もの石像が広大な土地に立ち並んでいます。
奥のほうに分け入っていきたかったのですが、なにぶんにも雨で足元の草むらがジュクジュクであるので断念。

そんな草むらの中、果敢に踏み入ってゆくサーモンさん。


↑この写真、なかなかよく撮れたと思います。曇天の下、石仏の中の少女、まるでゴシック!

↓ちなみにサーモンさんの視線の先にあるのは、このびっしり石仏でした。



今度は晴れの日に行って一体一体眺めたいものです。