そもそもなんでナメちゃんと八幡にいったかといえば、「男山ケーブル」に乗るためでした。
男山ケーブルは男のロマンなのである。
あれは中学生の頃、われわれの間ではなぜか、
「学校行かずに男山ケーブルにでも乗りたいわ!」「塾サボって男山山上にいきたい!」
が流行語でした。
なぜ男山だったのか。といえば、京阪電鉄料金表の中で、最も運賃が高かったのが、男山ケーブル駅だったからだと思われます。
当時、「七条から京阪で行ける範囲」がわれわれの全世界であり、だから、「淀屋橋」や恐怖の「京橋」などは世界の果てでした。(注:なんで京橋が恐怖なのかというと、当時京橋−七条間には特急の停車駅がなく、近隣駅に行こうとして間違えて特急に乗ってしまった場合、はるばる京橋までとばされる羽目になる、という悲劇がしばしば起こったから。)
そして、その「淀屋橋」や「京橋」よりも運賃が高いのが「男山山上」駅!! これはもう、世界の果ての果て!
つまりわれわれの間で「男山」という地名は、「ここではないどこか遠く」 の代名詞として使われていたのでした。
そこへきて、「男山」という地名の喚起するマスキュリティが、ひ弱な中学女子であったわれわれに憧憬を与えたのであろう。われわれは、「男山には男山中学がある!絶対男子校!」「男山に男山雄徳という地名があってオスオスしい!」とよく分からない昂奮をしていました。
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そしてそれ以来20年間、結局男山は未踏の地だったので、今回ふと思い立って行ってみよう、ということで八幡へ。
八幡市駅で降り、それにほぼ隣接する男山ケーブル駅へ。
おお、ついに中学時代の憧れの地へ……。
憧れのケーブル!
しかし、そこにはなんかゆるキャラが……。
男山ケーブル駅から男山山上駅までは200円。
どきどきしながら乗車。
ゆっくり傾斜をあがっていくケーブル。
降りてくる車両とすれ違う。京阪特急と同じ車両ですね。
トンネルを抜けると、目の前は一面新緑の山です。
そしてついに男山山上駅へ。
それにしても……早い!! ケーブル駅から山上まではたったの三分。われわれの二十年間の「男山=世界の果て」観はあっさり打ち砕かれたのでした。
しかし、あたりは美しい新緑。気を取り直して観光をば。男山には何があるかというと、石清水八幡宮の本殿があるのです。
(ちなみにナメちゃんは「やわたはちまん」と呼んでいました。それ八幡八幡やん。フジムラトウソンやん。)
山上駅から参道らしきものが延びており他の下車客はそちらに向かったのですが、なぜか、「うどん屋」の看板に釣られいきなり反対方向に歩き出し変な山道に迷い込むわれわれ。
そのうち神社に着くだろうとぐるぐる歩き回るもいっこうに着かない。
思い直し、もと来た道を戻り、皆が行った方向に行くと、をを!石清水八幡宮が!
リアル「先達はあらまほしき」でした……!
先達━━━━(゜∀゜)━━━━ !!
本殿の前にはお賽銭箱がふたつあって、ひとつはふつうの賽銭箱、もうひとつは東日本大震災募金箱になっていました。募金箱にも、「本神社を通して募金することで募金された方にも神のご加護が云々」的な理屈が書いてあってなんかおかしかった。そら募金箱のほうに入れるよね。
石清水八幡宮は、厄除けでも有名。わたしはまさに今年本厄なのですが、ぱんぱんと二回手を叩いて厄を落としたことにしておいた。というか、今年は、やたら身内が死んだり日本が大変だったり原発がアレだったりで、自分という個体の厄年どころではない。
本殿の裏にはちまちまとしたお宮がいっぱいあり、なんかかわいい狛犬がいました。
境内は燈籠がずらり。
なんかかわいい狛犬
境内をふらふら散歩してのち、メインイヴェント:弁当へ。本殿から降りたところに広場があり、そこのベンチでお昼にしました。新緑の中につつじが咲いて気持ちのよいお天気。中学時代のわれわれが見たら驚くであろうさわやかさでした。(中学の頃は、せっかく遠足行ってもずっとゲーセンにこもってチロルチョコ取ってた。)
わたしの作る弁当は、基本、なんか茶色っぽいのです……
こちらは駅前で買った「たけのこパン」!
中にたけのこがぎっしり。たけのこは八幡の名産らしいです。
食べていると、ねこがわらわら寄ってきます。
かわいいが、ねだられてつらい。
特におねだり上手のねこ。腹を見せておねだり。
写真撮ってる隙に、たけのこパンを奪われた……!!
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男山を満喫し、下山。
中学のとき思い描いていた世界の果てとはぜんぜんちがうものでしたが、たのしかつたー!
山上は、いろいろな種類の植物や野鳥がいることでも有名らしいので、お花や鳥が好きな人はたのしいのではないかな。
降りのケーブルは街がよくみえたよ。
それにしても、駅前は味があってとてもいい感じです。
八幡市駅−ケーブル乗り場の間の商店街(といっても数件お店が並んでいるだけですが)は、なんかレトロ。たけのこパンは、ここのパン屋さんで買いました。
レトロだけどニュー
ヘアーニューやわた
商店街の反対側には、有名な「走井餅」のお店あり。(おいしい。)
そして旅館「うれしの」の看板の配色は、基督看板と同じ配色!!