てがみをかくよ。

昨日書きました今回の茉莉ブームが涙のほかにもうひとつもたらしたものは、手紙の復権(わたしの中でのみだが)。

忘れてましたがわたしはかつて手紙魔で、返事が来ようが来るまいがお構い無しにおまえらに、おまえに手紙を出しまくっていたのだったなあ。
返事はあったほうがいいに越したことはなくて、返事が来たら僥倖、でも誰かに宛てて書くプロセスそのものが大事。さらにいえば、書くことそのものより、すてきなレタアセットを選んだり、それに似合う切手(や似合わない切手)を見つけたり、欄外にまで文やら絵やらごちゃごちゃ書いたり、手紙以外のものを同封してしょうもない仕掛けを仕込んだり、静かな喫茶店でそういう作業をしたりというプロセスがたのしかったのですよね。

アナログ/デジタルという分け方で「アナログは良かった」論みたいのはあんまり好きではないのですが、確かに確かに、メールとケータイの日々の中ですっかり忘れていたこの種の愉しみを、森茉莉を読んでいて思いだしたんでした。
(茉莉は大変な手紙魔で、日々喫茶店に出向いてはしたためられた編集者宛の長い長い手紙が、書簡集として刊行されています。筆の赴くまま様々な紙に様々なイラストやなんやを添えて書かれていたであろうそれは実に、書く愉しみそのもの、といった趣。)


して、ひさびさにわたくしもてがみを書こう、と思い立ち、ひさしぶりに郵便局に切手を買いにゆきましたらば、今はずいぶんいろんな切手が出てるのですね。
ご当地切手も何種類も出ていて目移りしてしまう、エヴァ切手やら少年サンデー切手やら漫画・アニメの類の数も目覚しい。
中で、目についたのが、いぬねこ切手!





おおう。かわいい! ↓これがいちばんまめ子に似ています。



にやにや眺めていると、「犬好きなんですか?」と訊かれ、家におるのです、とにやにや答えると、「まあ、それは! 実は今、愛犬を切手に出来るサーヴィスがあるんですよ! よろしかったら…」と宣伝されてしまいました。まめ子切手………「考えておきます」ととりあえず答えましたが、嗚呼、作ってしまいそうです。


ちなみにこれは50円切手(+寄付分)。これといっしょに、80円の百人一首シートも買いました。こちらは小野小町、寂蓮などのラインナップ。わたくしの好きな「忘らるる身をば思わず契りてし」が入っていないのが不満です。入るわけないが。
いっそ、それ系の歌ばかり集めて、恨みある相手宛書簡に貼る用の百人一首シートも出してみてはどうでしょう