某日、神戸のBAR、「アンクルチャーリー」に行きました!
何度か前まで行っていながら、開店のタイミングと合わず未遂していたのでやっと行けてよかったです。
私は酒が弱いので、バーって滅多に入らぬのですが、ここはミュージシャンであるチャーリー・コーセイさんが営んでおられるお店。『ルパン三世』の主題歌、あの「足~もとに~からみ~~つく~~」を歌っておられた方です。あの曲、子供心にも他のアニソンとは違う渋さを感じていたものです。きっと次元大介みたいな無口なマスターのもとで、次元大介みたいな客たちが渋く飲んでるお店に違いない……私のようなものが行って大丈夫やろか……とドキドキ入ったのでしたが、ドアを開ければマスターも常連さんも温かく迎えてくれる、アトホームなお店でした。
お酒を頼みおつまみをサクサクしてると、チャーリーさんのミニライブが始まりました。ギターも声量も凄い! チャージ代とお酒だけでこんなの聴いていいのか……? タイトル分からんのですがラブソングらしきブルースは甘く、また、跳ねたリズムにアレンジされた「天国の扉」は楽しげなだけに悲しくて、そしてラストには「一見さんの来た日には必ず歌う」という「ルパン三世」も歌ってくれました。アニソンのイベントなどで歌われるときはオリジナル通りらしいのですが、ここではオリジナルと違うアレンジ、ちょっとお茶目にアレンジされたところもあったりして、でもかっこよかった~。なおオリジナルがレコーディングされたのは50年ほど前、当時21歳だったそうです。なんと! みんな、ワイルドで渋いミドルを想像してましたよね?
ライブの後は、常連さんとマスターといろいろお喋りさせてもろて愉しかったです。影響受けた音楽の話を聴いたりこれまでのキャリアのお話を聴いたりしました。「次元大介みたいな無口な人」という想像と違い、気さくでおもろい人でした。それにしても子供の頃からTVで聴いてた曲を目の前で歌ってもらえるなんてふしぎだ……当時は想像もせんかったです。愉しくて終電を逃がしそうになり、チャーリーさんに「駅まで8分やから!」と教えてもらってあわあわ帰ったんもまたふしぎでした。
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また某日、旧友らと嵐山で会いました。
嵐山を歩くのんは超久しぶりでした。観光客は、コロナ前ほどではなかったですがぼちぼち増えてました。まだ本格的に暑くなる手前の日でしたしね。
アイツがいました。
われらは観光地生まれの人間ですが、ときどき観光地の中でもとりわけ「ベタベタの観光地」を摂取したくなるのはなんなんでしょうね。土産屋とかちりめん雑貨屋とか見てキャッキャしました。(ちりめん雑貨屋に「アマガエル ガマガエル」とプリントされた謎の巾着があり、買おうか迷いまくった末にやめました。)
THE観光地の食堂! て感じのところで天丼食べますた。
観光地のお店って、高くてお味はいまいちなイメージがありますが、ここはお安くてかつ天婦羅がさくさくで美味しかった~~!! 真ん中のはカマンベールの天婦羅です。
ちょっと前にできた、嵐山限定のミッフィーショップも可愛かった。いくつになってもこういう可愛いものを「かわい~ かわい~~」と言い合いながら見るのは愉しいのう。
嵐山から桂川沿いに四条通まで下りました。夏の桂川は緑が茂り野性的。
桂川沿いを歩きながら、友人がふと、「地域のお年寄りたちのゲートボールがすごいらしい、スティックで恋敵をしばいたりするらしい」という話をしたことから、「それを小説にできひんかな? ゲートボールを舞台に、お年寄りたちのバトルが繰り広げられるねん」「ほんで、決着を区民運動会でつけようぜってことになって……」「でも若者がリレーの練習を真面目にやらへんねん」「ほなその若者を語り手にしようや」「若者は都会で働いてたけど、都会で心に傷を負って京都に帰ってきたことにしよう。無気力な日々を過ごしてたけど、区民運動会でじいさんらの熱意に触れて変わっていくねん!」などどうでもええ話で盛り上がり続けました。旧友らとはこういう、小学生のときから変わらぬどうでもええ話をするんが一番盛り上がりますな……。(ちなみに区民運動会は京都で異様な盛り上がりを見せるイベント。私は運動音痴なので呼ばれたことはありません。)
最終的に、「でも区民運動会でじいさんたちのスティックでの殴り合いが始まって……若者は『やっぱりここも地獄やった!』って気づくんや」「そんでやっぱりもう一度都会に戻ることにしようか」「じいさんにもらったスティックを握りしめて、かつて自分にパワハラをした上司を殴るために」という話になりました(ゲートボールは……?)。
四条通に出、梅宮大社へ行きました。猫ちゃんたちで有名な神社ですが、この日は暑かったからか猫ちゃんたちには会えず残念。まあ涼しいところにいてくれるほうがよいので、仕方ない。以前来たのは春で、そのときから、一度紫陽花のシーズンにも来てみたいな~と思っていたのでした。何度か書いていますが、私はお花の中で紫陽花が一番好きなのです。
顔より大きい紫陽花ちゃん。ゆっさゆっさ。
いろんな変わった種類の紫陽花がありました。
紫陽花って昔からこんなにたくさん品種があったのかしら。昨今急にいろんな種類を見かけるようになった気がします。どれも個性的で、かつ可憐でした。
幻想的な紫。花弁の重なり方もふしぎ。
白いふちどりのある子。
花弁の輪郭にギザギザが入っていておしゃれ。
なんとも可愛いお花の付き方。蓮の花のミニチュアのよう。
しわ加工をほどこしたような質感が可愛く、淡いお色も可愛い。
濃いピンクと中央の白のコントラストが華やか。
様々な種類の紫陽花が目を楽しませてくれる一方、やはり、子供の頃からそこらへんで見かけてきたような、スタンダードな紫陽花も良いな~~と思いました。
THE紫陽花!って感じのパステルカラーたち。
灯籠と紫陽花。
ピンク系のグラデーション。この日着ていた服の色と同じで嬉しかった(ピンクのカーディガン×薄紫のスカートでした)
白いのも良い。友人は紫陽花とともに「ぬい撮り」に興じていました。
大きな紫を下から眺めた様子。
思わず感嘆の声を上げたのはこれです。枯れつつある状態なのかな? 日向でドライフラワーのようになっている姿がとても美しかったのでした。そういえば以前に春にここに来たときも、前年の六月に咲いていたのであろう紫陽花が、立ち枯れた姿のまま残っていて、枯れた紫陽花の美しさに感嘆したのでした。
なんぼ紫陽花好きといえど、これだけたくさんの紫陽花を見たらもうお腹いっぱいで、「向こう数年分くらいの紫陽花を見たな……」と言いつつ神社を出たのでしたが、更に嵐山に戻りついでに、天龍寺の庭園も見学することに。
梅宮大社のお庭は野性味あるのが良さでしたが、天龍寺の庭園は隅々まで手入れされたお庭!って感じでした。実は天龍寺入るの初めてなのでした(京都人あるある:有名寺院に行ったことがない)。この日は時間がなくて庭園しか見られなかったけれど、今度はゆっくり見学したいのう。どうでもええんですが昔、母の実家に「天龍寺ガメ」というカメがいました。天龍寺の池からやってきたらしいですが、詳細は不明です。
出口近くの竹林と小川を背景に、苔の上にぽよんと頭を載せる紫陽花が可愛らしかったです。
竹林を見ると、京都人でも京都観光情緒を感じてしまいます。「京都嵯峨野に吹く風は~ ふふふふふふふ ふふふふふ~(※歌詞わからん)……あぜ~くら~♪」と思わず声を合わせて歌ってしまうわれわれでした。
梅宮大社、天龍寺と歩き回ってさすがに疲れ、これまたTHE観光地的な喫茶店に入りました。これが当たりのお店やった~! さくらアイスを頼むと、竹筒に入って出てきて可愛く、更にさくらアイスがちゃんと桜風味だったのでした。
アイスの隣はグリーンティーです。ちょうどこの直前に、「日本の夏といえばグリーンティー。しかしグリーンティーとは何ものだったのか?」という話をしていたのでした。われわれにとってのグリーンティーは、夏の暑い日、しかし少し風が出て涼しくなり始めたプール帰りの夕方に、近所のお茶屋のおばあちゃんが氷を入れて作ってくれる飲み物でした。灼熱と化した現在の日本の夏には、もう「涼しくなり始めた夕方」が存在しませんが、今の子たちもグリーンティーを飲んでいるのでしょうか。