ゴールデンカムイの好きな場面 #1

最近は『ゴールデンカムイ』を読んでおります。以前にも書いたかもですが、あねの猛プッシュで読み始め、明治期の北海道が舞台の冒険物語かー、ふーん、と思って読み始めたらいろいろ思ったんと違い、今では連載で読んでおります。

 

知らない方のために説明しておくと、日露戦争後の北の大地を舞台に、アイヌ文化や様々な北方民族が描かれ、それに新撰組や北鎮部隊や変態が絡み、飯がうまそうで、犬がかわいく、クマが怖く、犬がかわいく、犬や胸毛や殺鼠剤が出てきます。面白かったりつらかったりします。よく分かりませんがだいたいそんな感じです。熱い感想や考察は既に多くの人が書いておられると思うので、当ブログでは淡々と好きな場面を記録していこうと思います。完全に思いつくままなので、完全に順不同です。

 

(1)すべるワカサギ(16巻)

もしかしたら作中最も好きな場面かもしれません。ワカサギが氷上をすべっていく、それだけの画で素晴らしい勢いと迫力です。ワカサギでこんなに笑うことがあるとは予想だにしませんでした。まあ予想していた人はいないと思うが。ワカサギのコマはグッズ化されたらほしいですね。その前の台詞、「門倉~  チカいっぱい貰った~」もかわいくて好きです。

 

(2)なんであんた埋まってるんだ?(1巻)

序盤の好きな台詞のひとつです。たしかに埋まってる人に遭遇したらこう問いますよね。物語が始まったと思ったらいきなりクマ。スピード感!「キター!」と思った瞬間です。なお、あねは、「人類がなすすべなく大きなものに圧倒される物語」が好きなのか、羆害を教えてくれたのも八甲田山を教えてくれたのも『進撃の巨人』を教えてくれたのもあねなのです。この作品も、読み始めていきなり「ああ、それであねにあんなに薦められたのか」と理解しました。 

 

(3)シャチの竜田揚げ(5巻)

アイヌの食文化を主として、うまそうな食べ物がとにかくたくさん出てきますが、全食べ物の中で一番食べてみたいのはコレです。私はそもそも竜田揚げが好きなのですよね。(次点で食べたいのはかね餅)

 

(4)杉元が姉畑先生を「先生」呼びに変えるところ(12巻)

姉畑先生の蛮行を目撃した杉元が、それまで「あんな馬鹿」とか呼んでいた姉畑をナチュラルに「先生」付けで呼び始める場面、大好きです。杉元は主人公でありながら、「なんか信用ならない」主人公(c:さーもんさん)でそこが良いのですが、まさに彼の暴力性、わけわからん昂奮のツボ、そして変態に対する一定の敬意が、説明なしに伝わる良演出だと思います。なおこの漫画には多くの変態が登場しますが、変態たちは概して満足な最期を遂げます。「善人なおもて往生をとぐ、況や変態をや」という思想で貫かれているのだと思います。 

 

 (5)怪鳥に連れ去られるアシリパさん(4巻)

当初、「歴史冒険活劇+アイヌ文化教養漫画」と思い込んで読んでいましたが、このあたりまで来ると明確に、「なんか変やぞ、この漫画」と気づくこととなります。アシリパさんは主人公・杉元の相棒となるアイヌの少女。賢く強い子供として現われた彼女ですが、次第にキャラが崩れてゆくのは有名なところです。中でも私の好きな画は怪鳥連れ去られ場面です。いつも凛々しいアシリパさんがプラーンとなってる図がかわいい。

 

(6)湯たんぽにしかならん(3巻)

この作品は、動物、とくに犬のもふもふさがリアルに描かれているのが素晴らしいです。北海道犬リュウは、人間以外のメインキャラのひとり(一匹)です。当初猟師・二瓶の相棒として登場したリュウが駄犬扱いされて背中を丸めるシーンは、しょんぼりした犬の情けなさが実にリアルで可愛く、まめ子を思い出させます。その後彼は湯たんぽ以上の活躍をするのですが……。 

 

 

その他、好きなシーンは数限りなくあるので、続きはまた。今回は比較的マイルドなものをセレクトしたので、「自動的に殺す」「おまるで殴る」 などは次回以降に語りたいと思います。未読の方は、この記事だけ読んでもどんな作品かぜんぜん分からんと思うので、ぜひ読んで、ともに胸毛を語りましょう。