ゴールデンカムイの好きな場面#2(好きな台詞篇)

f:id:kamemochi:20210805185446j:image

 

 

 

先日、『ゴールデンカムイ』の好きな場面について書いた後に、ヤンジャンアプリで一挙全話無料公開という企画が始まりまして、周囲の金カム読者人口が急増した感があります。

 

前回の記事:

 


 

この流れに乗って好きな場面をがんがん語っていきたいところですが、ありすぎてなかなか挙げきれない(「ここが好きなんだよな……これに続いてこうなるところもいいよな、ああやっぱ一話まるまる良い……」となる)ことに気づいたので、今回は、「好きな台詞」を挙げていくこととします。また、ゴールデンカムイLINEスタンプは現在2種出ていますが、これらは「次回スタンプ発売時に入れてほしい台詞」でもあります。完全順不同でいきます。

  

・「いや! もういい撃とう撃とう」(2巻)

ケータイの待ち受けにしたいコマナンバーワンです。今もう「待ち受け」って言わないんだっけ。行き詰まっているときに唱えると、「そうだよな、もういいよな、撃とう撃とう」と妙にすがすがしい気分になります。

類似の台詞では殺人ホテル回の「ダメだ もう殺そう」(6巻)も好きです。

 

・「はやくウサギ食べたいのに」(1巻)

まだ、強い男と凛々しい少女の冒険物語……と思って読み進めていた頃、最初に「なんか様子がおかしいぞ」と感知した、記念すべき箇所です。

 

・「不死身のくせに猫舌かよ」(5巻)

作中最もうまそうな「シャチの竜田揚げ」の回です(※私は竜田揚げが好き)。これはいいシーンですね。「ダセえなッ!」と白石は言うのですが、たしかに不死身のくせに猫舌はちょっとダサいな、そんなこと人生で考えたことなかったな……とはっとさせられる台詞。

 

・「小さいトナカイがいた」(18巻)

シンプルで可愛い台詞。無邪気な笑顔で嬉しそうに報告しているのは、成人男性(少尉)です。

小さいトナカイがいたときに使えるので、LINEスタンプにしてほしいです。

 

・「いやアホか!!」(16巻)

鯉登少尉関連では、サーカス回の杉元によるこのツッコミも好きですね。

網走での緊迫の展開、さらなる北への旅、主人公は離れてしまった相棒と再び会えるのか――? とドキドキ読み始めた樺太篇で、スチェンカやらなんやらの寄り道に次いで突然始まったサーカス回。また寄り道かー! そんな中、読者の思いを代弁するようなツッコミでした。

なお、私は昨年の200話無料キャンペーンの際に本作を読み始めたのですが、200話まで行くつもりがこのあたりで頭が終わって挫折しました。情報を処理しきれなくなったのでした。

 

・「何を言ってるんだこいつは…」(25巻)

好きなツッコミといえばこれも好きです。「こんなに広いと精子が足りないな」という宇佐美の台詞に対する門倉の感想。たしかに「何を言ってるんだ」としか言いようがないでしょう。読者の気持ちをキャラクタに代弁させるのが上手い(?)。

宇佐美、登場時は怖くて不気味だったのに、この頃にはすっかり好きになっていました。当初怖くて不気味なやつとして登場した人物が、いつしか愛しく可愛く思えてくる、かと思えば再び突然怖ろしい面を見せる、というのが、この漫画の魅力だと思っています。現実の人間もそういうものかもしれませんな。

 

・「やっぱり俺では駄目か」(19巻)

私は流氷のくだり大好き人間ですが、初回はもう、読みながら呼吸も忘れました。中でも尾形の良さが凝縮された台詞。私も毎日こう思いながら生きております。LINEスタンプに入ったら毎日使います。人生つらいです。

尾形の今後は読者一同の注目事項のひとつでしょうが、個人的には、愛を知らなくても破綻してても人はそこそこ元気に生きていける、という姿を見たいと希望しています。ピカレスクってそういうのんじゃろ。

 

・「エクロク助さん」(9巻)

 尾形は一方で他人に勝手に変なあだ名をつけるなど、ちょけた(※大阪弁)人格が端々で窺えます。そういう人いますね。呼びかけられたほうも、「エクロク助とは?」と思ったことでしょう。

 

・「あたまカチ割ってこの味噌突っ込んでやるッ」(21巻)

私はアレな人間なので、杉元の暴力モードを見ると嬉しくなってしまうのですが、とりわけ好きなのはコレですかね。

この話の前半(口噛み団子での「ひどいなこいつら」も好きなツッコミです)とのギャップもいいですし、アシリパさんとの絆の象徴だった味噌が一転暴力の道具に……という最悪さもいいです。(このちょっと前の「いっぱい出たな杉元!」もひどくていい)

 

ところであねがこの主人公のあり方を評して「信頼できない語り手」のようなもの、と言っていましたが言い得て妙で、杉元の造形は本当に見事だと思います。

主人公らしい格好良さをそなえつつ、どこか主人公らしくない。主人公らしくない、というのは、ふと奔出する暴力性もそうですが、物語中でその視点があくまでもひとつの主観としてしか描かれないこと、さらに、われわれもまた彼の内面の流れをすべて知り得ていないこと、に由来するのかなと思います。

 

 ・「今すぐに面会させんと頭カチ割るぞ」(9巻)

頭カチ割る系、他にもあったな、と思ったらコレでした。回想の中で永倉がキレる場面ですね。登場人物全員が魅力的かつ厄介なので、誰が一番好き、というのは決め難いのですが、あえて「推し」を挙げるとしたら永倉を推したいです。穏やかそうなおじいちゃんが急にキレるの、いいですね(※現実ではイヤですよ)。

最近の連載は空前の永倉回が続いており、俺得という感じです。昔からうすうす気づいておりましたが、私はおじいちゃん、それも毛のない爺さんが好きなのでしょう。