昼のラヴホテル街(13)渋谷道玄坂・円山町


あけまして(略)
先日は東京渋谷にて久々にラヴホテル浴を果たしましたので、レポートしたいと思います。

実は、円山町のホテル街は一度行かねばと思うておりました。
というのは、私は修士論文を書いたときに、「東電OL殺人事件」を扱ったからです (正確には、事件そのものでなく、事件に対する世間の或る種の反応について)。
その際に読んだ佐野眞一著『東電OL殺人事件』は、今にして思えば大いにツッコミどころや問題点もある著作ではありますが、渋谷の地形の特異性についての記述には興味を惹かれた記憶があります。


で、今回道玄坂〜円山町を歩いてみたのですが、本を読んで想像していた古めかしい淫靡さはあまりなく、ふつうのホテル街といった感じでした。
時代が変わったのか、あるいは、昼間であったからでしょうか。
ホテル街全域でなく、一部しか歩いていないからかもしれませんね (道玄坂〜円山町は細い道が迷宮のようになっており、短い時間で歩ききれませんでした)。


この日は、ホテル街に行く前は桜丘のカフェにおったのですが、同じ渋谷でもずいぶん雰囲気が違いますね。面白い土地やなと思いました。
桜丘から駅を越えてうにょうにょ道玄坂を歩いていると、それらしきゾーンに入り込みました。
路地裏に、ふつうの雑貨屋のようなアダルトショップ発見。微妙なTシャツを3着3千円で売っていました。うーん……この中なら、着るなら「淫乱」ですかね。




ショップの裏にナイスパイロンの足が立てかけられていたので撮影。




歩いていくとホテル密集地が現れました。
エスニック風ホテルはよく見かけますが、ここは入り口のオブジェの数が多いのがイイ。






なんだか有難い感じのエントランス。




こちらはうってかわってベルサイユ。既視感のあるロゴ。




渋谷っぽい(?)オサレな模様。料金体系はわりと安めなように感じました。




アフターピル処方」を前面に出した婦人科の広告。これも、相場の値段という感じ。診療時間も完全に緊急避妊対応です。これだけホテルがあれば、色々なケースがあるのでありましょう。




クラブエイジアの向こうに見える「渋谷の街の物語」。the渋谷なネーミングです。
私は東京の流行はよく分からんのですが、やはり今でも渋谷って、憧れのゾーンなのでしょうか??



「渋谷の街の物語」、エントランスはこんな感じでした。白いクリスマス装飾がかわいいです。





こちらは渋谷らしからぬ手作り感にあふれたホテル。学生カップルがほのぼのしてそうな。沓掛かと思うたがな。(「均」の字が間違ってます。)
新しいホテルのようでした。たばこ屋が埋め込まれてるスタイルが面白い。







今まさに造られていくホテルがあったので撮りました。こうやって夢の閉鎖空間は造られてゆくんですね。






渋谷の南国。




白基調のホテルが多い気がしました。その名の通りホワイトボックス。




ホワイトボックスの隣の建物もホワイトボックス! 繭のような奇妙な建物ですが、これはホテルでなくバーでした。





路地の奥で仮面舞踏会が開かれておりました。




クリスマス装飾。
昼間に見るラブホテル装飾の独特の虚無感、大好きです。




こっちはふつうにオサレ。渋谷的パブリックイメージ。




ベンゼンを発見!!




これはイイ! 今回のフォント大賞です。ゆるゆるの「ペリカン」。ホテル自体も少しレトロな印象を受けました。「携帯電話充電無料」が売り文句でした。




古そうな料亭の並ぶ一角で、偶然に行き当たったのが、道玄坂地蔵でした。
由緒書によると、
「この地蔵さまは約三〇〇年前に建てられた玉川街道と大山さんを結ぶ三十三番霊所の一番札所のお地蔵様です。
昔は豊沢地蔵といわれていましたが、現在は道玄坂地蔵と名を改めて現在地に建っています。
昔の御本体は二度の火災で焼け崩れましたが、この地蔵の中に御本体を固めて、上をきれいにお化粧してあります。この地蔵様は、火ぶせ地蔵とも云われ、霊験あらたかなお地蔵さまです」。



殺された彼女がこの地蔵の前で客を引いていたことから、一時は、その被害者の名を冠して「●●地蔵」と呼ばれていたようですが、今でもそうなのでしょうか?
地蔵は口紅を引かれていますが、ネットで調べてみると、「もともと色街だったから」説と「あの事件以降」説があり、判然としません。(事件以前の情報を調べればすぐわかりそうですが。)
これも、もっと何かまがまがしい、悲哀に満ちた地蔵を想像しておりましたが、お昼の町で見てみれば、あでやかなお花の色が似合う普通のお地蔵さまでした。