昼のラヴホテル街(9) 京都南IC再訪!の巻



メリクリ〜
クリスマス。といえばラヴホテル。ということで、あの南ICに再びやってまいりました。

前回あったホテルが見当たらなかったり、違うホテルに変わっていたりして、やはり大変な業界なのやなあ……と思いました。
(前回の記録はこちら: 2009/8/8 昼のラヴホテル街(3) http://yaplog.jp/maternise/archive/213

では、行ってみましょう。




すてきな書体……




白亜の建物に不似合いな、「チキン南蛮復活」
いきなり最高です。折角ヨーロピアンな感じに建てた壁に、台無し看板。 このミスマッチこそ日本のホテル街!




しかし、えび膳まつりのときにも思ったことですが、そんなに世の人はチキン南蛮を、ホテル選びの決め手にするのでしょうか? 「チキン南蛮復活してるからココに入ろーぜ」 ってなるものなのでしょうか?
それとも、「今夜……チキン南蛮食べていかない?」(「ちょっと休憩していかない?」風に) 的な、婉曲表現として用いるのでしょうか。

同じ建物の外壁。この、ゴージャスなようで安っぽいランプ! ナイス。すべてがジオラマのような街。




夜のライトアップ用設備のむきだしになった儚さも、お昼のホテル街の風情のひとつ。





続く壁の向こうには、「ファイン」のヘナヘナフォント! ちょっと脱力しすぎではないでしょうか。
そのフォント、考え直したほうがよいのでは?





曇天の下、白い空間、ハグハグの空虚。





生きててよかった、生きててよかった、生きててよかった、そんな夜を探してる人のための深夜休憩。だが、4時までにするなら5時までやってほしい! 始発もないやん!





南ICの特徴として、駐車場が広大であることが挙げられます。 (別に珍しいことでもないのでしょうが、京都の市街地では滅多に見かけない広さ。)
そして、駐車場に止める時点で部屋を選ぶシステムもちらほら。駐車場の1スペースごとに、部屋へ直通の専用入り口があるのですね。秘密基地っぽい! かっこいい〜。
ていうか、古式ゆかしきモーテルのシステムなのでしょうが、私は車に乗らないため、車文化に馴染みがないので、このシステム初めて見ました。

各駐車スペースに空室or満室を示すランプ




車を止めると、部屋への入り口が示されます




立地上、(私のように)徒歩でのこのこ来るようなやつは滅多にいないらしく、「徒歩割」 なるものが設けられているホテルもあり。シルバー割もあるんすね。






ホテルごとにセールスポイントはいろいろ。「本格シアタールーム」「七色に光るバスタブ」……。








↑は、以前にもちょっと紹介した「和蔵」ですが、蔵っぽさ、谷崎潤一郎っぽさをすっかり失ってしまっていますね。うぐぐ……
後方に見える、「300%」の文字にご注目ください。



そしてこれ! 今回のMHK(もっともひどい看板)をもつホテル、デザートヒルズ! なんか看板燃えてます。





さきほどの和蔵は 「300%」 でしたが、こちらは「500%」!! 中学生か!!
もはやパーセンテージの表記を採用することになんの意味があるのか分かりませんが、このアホさ……好きすぎる。
「一手間加えた至高の無料フード」 というキャッチコピーも素晴らしい。 至高なのに無料!無料なのに至高! 「一手間」というのは、レンジでチンとかそういうことですよね。ラグジュアリーやな!




さらに入り口へ回ると、「888%」。 しかも、「末広がりだぁ」!!!!
勝手に888て言うて勝手に末広がりがっている! 




気取った京都もちょっと郊外へ出ると、こんなに下品な看板が出ちゃうのですね。なんてぎらぎらしてるんだ。金閣寺を燃やした炎のようだよ。京都よ!
ところで 「VOD 見ながらアレ(はーと)できちゃいます」 というのは何をするのか? 本気でわからないのですが。。





無料サービスが恐ろしい
。……これ、ピンの写真では分かりにくいのですが、「恐」 という文字たちがホテル街にはためく様子はなかなかシュールでした。





恐旗があったのは、ホテル星の砂。日本の神を中心にして立派な国を築きたい。へなへなで弱い学生に神の心を植えつけよう。




その星の砂も、デザートヒルズと同じ系列らしく似たような看板が。J-needzグループ降臨……。
「今でしょ」 はあえて無視するとして、「欲望は溜めずにスタンプ溜めよう」 というコピーが秀逸です。



ところで私は、もう長い間、ラヴホテルは男性用コスプレ衣装も充実させるべき、と主張しつづけているのですが、改めて此処で主張しておきたいと思います。
もう21世紀になったのであるから、男=観る側/女=観られる側 という前世紀の非対称なジェンダー規範から脱するんや!

なお、「ホテル星の砂」の隣には、天皇家の小さな御陵が。
宮内庁管理スペースがあるのが見えますでしょうか? ふしぎなコラボです。






さて、ぎらぎらした看板が並ぶ中、こちらはひっそりと「ラジウム温泉」。 どことなくレトロ。







この看板も、「DVD」とあるのでそこまで古いものではないはずですが、上のぎらぎら看板と較べると、前世紀の遺風が感じられます。「ビリヤード」「グランドピアノ」がハイソの象徴であった時代、というか……。
残念ながらこのホテル、既に廃業してしまっているようでした。「リュンヌ・ド・ミール」という名はよく耳にしたので、界隈では老舗だったのでしょう。残された、カラフルな文字の看板も、今のぎらぎらした界隈では色あせて見えます。旧エントランスには顔色の悪い天使たちが舞っていました。









前回も異彩を放っていた、「となりのクル」は健在。この写真はなぜ撮ったかというと、ラヴホテルの入り口にとぐろがあるのが珍しかったから。



それにしてもクルってなんだよ……と思いぐぐってみたら、意外に細かい設定があることがわかりました! 苦手なもの「ブルドッグみたいなネコ」 って何???



こちらも前回紹介したホテルBRIO。此処はお部屋を工夫しておるのですが、ヨーロピアンがぜんぜんヨーロピアンでなく、ジャパニーズがぜんぜんジャパニーズじゃない! ラブホ街のこの「むりやり多国籍」感、たまりません! ありがちな「間違ったエスニック」感の集大成が此処に!


ちょっと茶色いだけやん!




ちょっと水色なだけやん!




そして……電車!!




↑電車はぐっときますね。奥に「チカンアカン」ポスターが見えるのがお分かりでしょうか? 芸が細かい!! イメクラとかのデザインしてた人が作ったんやろうと推測。
そういえば南ICには有名な体育倉庫部屋ホテル(跳び箱がある)があったはずですが、もうなくなってしまったのかな?


今回の徘徊で特筆すべき点は、ついに 知らない人に、「●●(ホテル名)どこですか?」 と呼び止められ尋ねられたことです。かなりの道訊かれ力を誇る私ですが、我が道訊かれ力もついにここまで来たか……と感慨を覚えました。
ではまた!



微妙なクリスマス装飾