平野地獄極楽めぐり(前篇?)

先日大阪方面へ行く用事がありましたので、ついでに平野に寄ってまいりました。
平野の、全興寺というお寺に、是非行ってみたかったのです。

平野商店街の真ん中にそのお寺はあるとのことでしたが、この平野商店街がなんとも趣のある商店街。
ときどき、すごく古くて由緒のありそうな建物に出会えます。(戦前からありそうな新聞社のビルなど。)
服屋さんでは必ず、豹柄の何かが売られているのが大阪ぽさを醸していました。
このときは、地元のお祭りが間近だったようで、お祭りグッズも売られていたのも、ローカルな感じですてきです。


全興寺は、この日は何かのお供養の日だったらしく、お経とともに大きな音で銅鑼が叩かれ、たくさんの老若男女(特に老)がお祈りをしていたので、すぐに分かりました。地元の方に愛されているお寺のようです。
地元民が集っているだけでなく、観光客らしき人の姿もありました。
もっとひっそりした地味寺かと思っていたら、適度に観光化されていたのが意外でした。



では早速潜入です。。






本堂の脇の小さな蓮池。綺麗です。
横っちょに、「皆様、まず本堂にお参りしましょう 住職」という看板があって、期待させます。
わざわざこんな注意書きがあるということは……







では皆様は、本堂でなくてまず何処にお参りするのか?
……といえば、此処です。



地獄通行門……。





地獄の釜の音が聞こえる石。



看板の指示に従い、マヌケな態勢であたまをつっこんだのに、特に何も聞こえませんでした。




門の横には、ゲーセンにありそうなこんな機械が。



二択問題に答えてゆくと、地獄度・極楽度を判定してくれるというシロモノです。
ちなみにわたくしは「地獄執行猶予」でした。。




いよいよ門をくぐりますと……




中では、閻魔さま・地獄の鬼・脱衣婆が迎えてくれます。地獄の鬼は、まさにいま亡者の首をちょん切るところです。かなりの迫力で、子供がマジ泣きしてます。異様な空間です。
「銅鑼を叩いても地獄が現れないときは、このボタンを押してください」との注意書きにしたがって、ボタンを押してみますと、みごと、「地獄が現れ」ました。
大音量のおどろおどろしい音声とともに、さまざまな地獄の様子を見せられます。
子供の泣き声がますます大きく地獄内に響きます。阿鼻叫喚です。


しかしわたしは子供の頃、信仰心の厚い祖母によって地獄絵を大量に見せられたため、地獄には耐性があるのです。地獄耐性です。
針山地獄など分かりやすい地獄もあれば、血の池地獄という何がどう地獄なのか意味不明な地獄や、賽の河原での高度な心理的亡者虐待などなど……「ようこんなことばっかり考えつくなあ!」と、子供ながらにぞくぞくしたものでした。
祖母は純粋に、信仰心の培養のためそれらを見せてくれていたのだと思いますが、その祖母の意図とは裏腹に、一連の地獄絵体験がわたしに植え付けたものは、宗教・道徳・政治etc人間の営みの根幹にあるものはサド=マゾヒズムでしかないにちがいない、という強い信念でありましたよ!



注意書き:






後篇へ続きます………か?(安尾信之介風)