京都において国道一号線の一部は、五条バイパスとして東山区と山科区をつないでいるのですが、東山区側のその高架下がどうなっているのか、長年五条バイパスに親しんでいながら知らなかったのでした。
高架の上は東西を行きかう車で激しい交通量であるというのに、高架下はまるでひと気がなく、広大な駐車場になっていました。
大文字を背負ったクルトくん、「京都市都市整備公社」という「都市」がやたら多い文字列、(そして右下端の「安倍やめろ」)……。
西はこのように五条通に続いていますが、東は東山にぶつかり突き当りになります。
駐車場東奥。清水への観光客で賑わう(※今は賑わってないけど)東大路五条の交差点からわずかに離れただけなのに、やたらワイルド!
なぜか一箇所だけ赤く塗られています。暗号?
以上の写真は高架下評論家である武人研所長より最高評価を賜ったものでありますが、他にもここには、私の好物がてんこもりでした。
まず、幻想的なパイロン。
階段上に二体、脚部だけ残した赤いパイロンが、残りの部分も今にも消え入りそうに立っています。マグリットの絵のようではありませんか。
この高い壁を越えた北側は、大谷本廟であり、東山の斜面に沿った広い墓地になっています。そんな彼岸の世界と此岸の世界のあわいの空気に溶けていくようなパイロンたち……。
そして犬糞看板も発見!
フリー素材犬ですかね? われらの子供時代によくあった類の絵柄ですが、排泄しながら恍惚の表情です。
さらにはまなざしちゃんも!
まつげがカールした少し艶っぽいまなざしちゃんであり、ボール遊びを特異的に監視しているようです。
西側全景。
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この駐車場の周辺――北側は大谷本廟が立ちはだかっているので南側、つまり五条通と渋谷通に挟まれた東山のふもと――も散策してみたところ、子供時代なら秘密の遊び場にしていたような、空地への石段や細い小川が流れており、良い風情でした。
駐車場と、東へ伸びて五条バイパスと合流する渋谷通りの間にはかなりの高低差があり、間に急勾配の坂がありました。
このあたりに詳しい父によると、昔付近の人はこの地域を「ろの谷」と呼んでいたそうですが由来や意味は不明だそうです。検索してみましたがネットでは分からずでした、地域の図書館などに行くと何か分かるかもしれませんね。「いろは」の「ろ」かもしれませんが、「いの谷」や「はの谷」は聞いたことがないそうです。