バー・MagaYuraさんで展示をさせてもらったよ(てるよ)の巻/野田の街あれこれ

ドウーモ。

先日お知らせを書いたのでしたが、大阪、野田のバー・MagaYuraさんで、諸々の写真の展示をさせてもらいました!

MagaYura は最近正式オープンしたライブバーなんですが(ちなみに尼崎toraというライブハウスの姉妹店でこっちもいろいろすごい)、客として行った際、「パイロンとか変な貼り紙とかの写真集めてる」という話になり、じゃあ展示してみませんかとオーナーの智也くんが誘ってくれたのでした。


準備の様子↓ ブログに載せてるような写真たちですが、滅多にプリントアウトなんぞすることもないので、こうして一覧して見ると自分でも面白かったです。キャプションもつけたのですよ。



「受難パイロン」「まなざしちゃん」「野良文学」 という3ジャンルの写真をもっていき、それぞれ解説を書きました。
解説文はせっかく書いたのでここに貼っておきます。↓



●受難パイロン●

パイロンが気になり始めたのはいつの頃か覚えていない。三角コーン、カラーコーン(※これは商標名)とも呼ばれるアレである。彼らは街のどこにでもある。工事現場や人の集まるところで任務を果たしているだけでなく、ひと気のない自然の中にも誰が置いたか存在している。海外にもいる。どこにもいるのに誰にも気に留められていない。気に留められていないわりに邪魔扱いされがち。どうしたっておしゃれにならない彼らは、どこにいても異物っぽい。観光地では周囲と調和しそうな色に塗られたり、ブランド店の前ではブランドのロゴを入れられたりしつつ、生き延びている。だが圧倒的に多いのは、人から蔑ろにされ雨風に晒され憂き目に遭っているパイロンである。ここではそんな受難のパイロンを集めてみた。


● まなざしちゃん IS WATCHING YOU ●

まなざしちゃんの存在に気づいたのは、近所のゴミ捨て場にて。ペラペラの紙に雑に描かれた二つの目玉がフェンスにくくりつけられこちらを見ていたのだった。不法投棄をしようとしたやつがそのまなざしにハッと気づいて手を止めるであろう効果を狙って貼られていたわけだが、それはまるで、一種の呪術のように見えたのであった。
そういえば子供の頃、ゼブラボールペンの目玉のロゴが怖かった。目玉のように見える壁や天井の模様も怖かった。「視線恐怖」や「注察妄想」と呼ばれる症状もあるように、視線や視線を受けているという感じは人を怖れさせてきた。まなざしちゃんたちはそんな原始的な恐怖の与え手であり、高度に情報化した監視社会の象徴のようでもあると同時に、こちらを見つめるだけで何もできないその様子は、無力でちょっと可愛くもある。



● 野良文学 ●

子供のころから、路傍の貼り紙や看板やラクガキに心惹かれる癖があった。公共の注意書き、お店や企業の宣伝、個人による伝言、主張、何らかのメッセージ……。書物に綴じられるわけでもない野良の言葉たちは、拙い表現であったり当事者以外には意図がわからんかったりもするが、なぜか訴求力をもってアピールしてくる。目の悪くなった今でも、路上でそうした言葉たちに出会うと、彼らが独特のオーラを発してこちらを呼んでいる気がして、駆け寄ってしまう。
写真家・都築響一は『夜露死苦現代詩』にて、ストリートの表現たちを「現代詩」として捉え紹介した。これに倣い、ここではそうした言葉たちを「野良文学」とでも呼んでおきたい。SNS興隆の現代、ネット空間の中で野良文学は飛躍的に増殖しそれらももちろん興味深いのだけれど、ここでは古式ゆかしい、アウトドア野良文学を集めてみた。




当日はこんな感じで、スタッフさんが貼ってくれたのでした。
階段の壁に貼られたパイロンたちです。


踊り場の壁に野良文学。



他にも、ライブスペースにベタベタ貼ってくれたり、こんな感じでカウンターにアルバムも置いてくれたり。



この日もライブイベントがあったんですが、終演後、みんなにファイル見ながらわいわいしてもらえてよかったです。
ライブの演者の一人の方が、なぜか諸々詳しい方で、知らない情報(「まなざしちゃんは統計データに基づいて最近使われ出した」「パイロンを並べる人件費カットのため機械が開発されている」など) を教えてもらったり、「京都市最大パイロンは京大病院パイロンか」というローカル話をしたりしました。

特に目的もなく(※このブログに載せるということ以外は)撮りためていたものが、こーやって話のネタになって幸いでありました。どうもみなさんありがとうございました。
これらは二週間くらい(※5/19時点より)貼っておいてくれるということであったので、ライブor飲みに行かれる方はついでに見たってくだされ。


***


この日は、ライブのほうも、普段聴かないようなジャンルの音楽ばかりで面白かったです。
出演者は、ディノサウロイドの真似、sazanami、箱、イケダケンイチ、SCUBA。
「マイノリティとマジョリティの融合」というテーマだったそーです。



こちらは「箱」さん。
アンビエントというのでしょか? 床に座っていろんなもので音を作っていかはるんがかっこよく、面白かった。子供の頃、いろんなもので音を出してカセットテープに録音してたのを思い出しました。(写真に写ってるピンポン玉はなぜか使われず。)
音の中で最後は謎の心地よさ。



オーナー・智也くんのユニットSCUBA。シンセの方はtity(iden)さん。お二人とも芸達者。
智也くんは前日は一人弾き語りだったのですが、この日はガラリと違う雰囲気の音楽。



MagaYuraはすぐ隣が環状線のホーム、目線と同じ高さを電車が走る風景も良し。
灰皿もなんかかっこよし。



わたくしめも喋りました。
自分的にはいつもの話でしたが、笑ってもらえて幸いでありました。
ちなみに私のスカートもまなざしちゃん柄、というのをアピールしようとおもて忘れてました。



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ところで MagaYura はJR野田駅から徒歩5秒の好立地ですが、お店に着く前に駅の周りをプラプらしてたらなかなか素敵な街でした。


年季の入ったJRの看板。イイですねえ。
昔のこういうのって、未だとカナ書きにする部分が漢字になってたりするのが好きです。



国鉄」を「JR」に修正した痕あり!



駅の柱にこんな感じで、野菜やフルーツや魚や藤(※福島区の花らしい)の絵が描かれているのも素敵。




フグ!!



J-POP、音楽教室かと思ったらふつうの学習塾のようでした。
どんな勉強をしてるのかな? 楽しそう!


商店街で見つけた諸々もあるんですがそれはまた今度に。