雨のしまなみ海道ママチャリ100km記録(中篇)

前篇からの続きです:

前篇の内容: 雨の中、レインコートとビニール袋に頼り今治からしまなみ海道を渡り始めたおれたち。意外なアップダウンの激しさ、休憩中には止むのに走り出すと降り始める雨、「夕焼け小焼け」が流れる中の峠越え、などを乗り越えて大三島の宿に辿り着き、暖かな歓待により束の間の休息を得る。そして翌朝――

 

■ 二日目朝

翌朝――

まだ雨!!

前夜雨雲レーダーを見ていると、瀬戸内海にかかっていた雨雲は東へ移動しつつあったので「こりゃ起きたら晴れてるね!」と希望を託しつつ寝たのでありましたが、雨雲、動いてない!! しかも、青い部分が多かったのにオレンジや赤が増えとる(降水量が上がっとる)! 外からは何らかの放送がきこえ、TVでは「線状降水帯」という声がきこえ……これは………。

 

ともあれ、朝食へ。夕食も素晴らしかったですが朝食もまた有難いものでした。旅館の朝食って子供の頃は興味なかったけど、大人になるとしみじみいいです。ごはんのお部屋は、お花や絵や工芸品がたくさん飾ってありました。この絵は大三島の港なのかな?

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しかし朝食の間も外ではザアザア、というか、ボタボタと雨の音。そしてときどき雷。料理を運んでくれる旅館の方からは「近くの道の駅で自転車を返しフェリーで福山に向かってはどうか」と勧められ、たしかに雷雨が続くならここでリタイヤもやむをえずか……と部屋に戻り、それならそれではよ出たほうがいいとは思いつつ、さすがにテンション上がらず腰上げるのが億劫で備え付けの珈琲など飲んでゴロゴロ。duolingoをしたり大阪万博、海外パビリオンの申し込みがゼロ」とかいうしまなみに来てまで見たくないダメニュースを見たりしてダラダラとしているうちに、なんと有難くも小雨に! これは……いける!! ってことでGO!

 

前日にドボドボになったレインコートや靴は旅館の方が乾かしてくれていました。有難や。大きいお宿ではないけれど、手作りの工夫がたくさんあって大変良いお宿でありました。

 

枕元に添えられていた折り鶴ちゃん。

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お部屋のお花もかわゆい

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お部屋の飲み物がCOOPだったのがよかった!

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お世話になりました!!

 

 

■  大三島散策

今日は多々羅大橋を渡るわけですが、橋側へ移動する前に、せっかく峠を越えてきたのであるから名所を見ておこう、とて大山祇神社とその参道をお散歩しました。

 

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義経が奉納したとされる甲冑等が有名な神社で、昨今は「パワースポット」として有名らしく、自分はパワースポットとかはよく分からんのですが、巨木とか巨岩とかを見るのが好きなので、ここは古い巨木がたくさんあったのがよかったです!

 

樹齢3000年とされる能因法師雨乞の楠」

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「乎知命御手植の楠」、こちらは樹齢2600年とのこと。

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でかい!すごい!(語彙の終わり)

雨の中の神社の写真を実家LINEに送ったところ、「どこも誰もいない」というコメントが帰ってきて笑いました。(実際は、車で訪れている観光客が数人あったのです)

 

 

参道へ(傘は旅館で借りた)。

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川沿いの美しい風景。

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マンホールには名産の蜜柑。
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参道には気になる建物がたくさん。
ここはスナック?  この建物は旧銀行だったそうです。
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かつて銭湯だった建物。
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古そうな看板。写真屋さんと美容室?
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参道で最も古いという薬屋さんの跡。
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自分の好みのせいで古い建物の写真ばかり撮ってますが、最近できたっぽい、新しいオシャレなお店もありました。

この通りにはイカした「ダンメン」もたくさんあったので、ダンメン好きのあねのために撮りました!

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どのダンメンもカッコイイ。しかしダンメンが多いということは、取り壊されたお店やおうちが多いということなのかなあ。。

ウロウロしてると地元の方に「どこから?」と声をかけられました。大阪ですと答えると、「今はこうだが、この参道も昔は人が多くて賑やかだった、梅田の東通みたいにはいかんけど」とのこと。

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■ 三村峠~多々羅大橋

一通り参道を散策し(この時点で11時頃)、再びいざ峠越え。さらば、大山祇神社宮浦港、また来るね!

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峠越えといえど、昨日来た道なので今日はだいぶ気楽です。しかし、雨のせいであちこちに落ちた小枝が散っていて危険。所々に倒木も。迂回!迂回! ウウウ…… 川はめっちゃ増水してました。

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なんとか無事に海岸に出ることができました! 良いバス停!f:id:kamemochi:20230705094418j:image

 

再び昨日の多々羅しまなみ公園に向かいます。
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しまなみ海道沿いの道の駅は、当たり前ですが、駐輪設備が完備されています。尤もこれらはロード用なので、ママチャリの我らには関係ないんですが……。

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分からないがだいたい分かる!
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道の駅に立ち寄ったのは、旅館でもらった「旅行支援クーポン」を使い切るためでもありました。今回、愛媛で訪れたところはどこも良くて、お宿の人もお店の人も皆親切でした。……が!! 旅行支援クーポンの使い勝手だけが超超悪かった……!! なんであんな分かりにくい加算システムにしたんや~~!!??  みきゃんは!可愛いのに!

ともあれ、ここで、父(サイクリスト)に土産としてしまなみTシャツを買いました。ついでに自分の分も買い菓子も買ったのでクーポン額を大幅超過。

 

ここで買わねば広島では買えない!と思い坊っちゃん団子を食べました。小学校の先生にお土産でもらって以来なので嬉しかった~~!

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旅館でいただいたエナジードリンクも飲みました!

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昨日は慌ただしく旅館へと発ったのでしたが、ここの道の駅は諸々フォトスポットもあるので記念撮影も。


「サイクリストの聖地」碑。
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こっちは「しあわせの鐘」。雨の中のインスタ映えスポットの侘しさがオレは好き……。

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なんでも、多々羅大橋とフランスのノルマンディー橋が同じ形態であるらしく、両者は「姉妹橋」として提携しているそうです。姉妹橋って概念初めて知った! この鐘はノルマンディーで鋳造されたらしい。

なお、上でイオンの袋を掲げているのは、こやつが前カゴでずっと荷物を守ってくれていたからです、今回の功労者です(一部雨が侵入して紙のマップが終わったけど……)。あとこの短パンは寝巻きです。前日穿いていた七分丈パンツは、レインコートの前がはだけるせいで濡れまくったので、コレにしたところストレスフリーに。しかしこれで転倒すると生身直撃なので、この日も安全第一で走りました!

 

鐘の前のフェンスには鍵を吊るすと幸せになる的なお約束のあれがあったんですが「鍵は屋台市場です」がなんか可笑しい。
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さてさて、ずいぶんのんびりしましたが、12時半頃、やっと多々羅大橋へ!

愛媛と広島をつなぐこの橋、感慨深いものがあります。

 

橋に登る道のフォトスポット。本来ならここも絶景スポットだったのでありましょう……。

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道中しまなみ海道協賛企業の看板がいくつか立っていました。

ここのはポンジュース福助。愛媛っぽい。

 

そしてまたも雨風に吹き晒されながら橋を渡ります!

 

途中にある「多々羅鳴き龍」スポット。
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ここで音を立てると、音が共鳴して聞こえるというものです。斜張橋という形式の逆Y字の塔がそうさせるらしく、音を鳴らす用のバチも設置されている……のですが、雨の音でよく分からなかった! 無念。大声を出すとちょっと反響しているような気はしました。ペグレス(仮)は「商魂こめて」のあのフレーズを歌っていました。(なおわれわれは阪神ファンではありません)

 

そして!! ついに県境に!!

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これはエモい! 

流石に写真を撮って、ツイッター「チャリできた」を投稿しましたね! ここでバリィさんやみきゃんとはお別れです。愛媛、初めて来たけど大好きになった~~!!ありがとう!!

 

生口島

そして13時頃、生口島に上陸! ここはレモンの産地ということで、レモン好きの私は楽しみにしていたのでした。この島は外周をほぼ海岸沿いに走れるので、橋の出口・入口以外はアップダウンが少なくて快適でした!

 

橋の出口に早速レモンのオブジェがありました。ここも絶景スポット……のはず。晴れてたら。
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レモン谷。
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なんとなく撮った写真ですが、後でよく見たらこれ、「レモン谷ガチャ」だったんですね。やればよかった。晴れていたら回していたでしょう。

 

橋から降りてすぐ見所ありすぎ。なんか恐竜もいました。レモン持ってます。
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これも後で調べたら、「怪獣レモン」というレモンのブランドがあるのだとか。公式|怪獣レモン | 株式会社瀬戸内百姓 (kaijulemon.com)

 

橋から降りて海岸を走ります。廃バスを発見。
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かっこええ~~と思ったら、これもどうも有名な廃バス(?)のよう。生口島は、アート的なものとか町おこしとか力入れてる島、という印象でした。

 

しばらくずっと海岸。雨とはいえ、海岸を走るのはやはり気持ちいい。眺めもいいし風もある。

パイロン?と思ったらヤシの樹の皮でした。

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そしてしおまち商店街に到着!

 

レモンのベンチ!(写真奥)

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レモン色のポスト! かわいい!
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この商店街にあるお店の「レモンバターチキンカレー」を食べたかったのですが………臨時休業でした!! おおお……珍しく店を決めてきたら閉店の法則!
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別のお店で別のカレーを食べました!f:id:kamemochi:20230705003434j:image

 

しおまち商店街のお店はやはり駐輪施設完備、なのですが、この日は他の自転車は止まっていませんでした……。そして何らかのイベントが行われており、お店にはちょっとオシャレした若い人々が集っていました。そんな中、ズブ濡れのうえ寝巻きのわれら(寝巻きなのは私だけだが)はここにいてええんか感でいっぱいでしたが、カレーは美味しくいただきました。

さて、しおまち商店街を奥へ入っていくと、耕三寺というお寺があります。

このあたりの観光名所で、ガイドブックにも載っているし、なんなら「映えスポット」扱いされてもいます。しかし、なんとなく、これは私好みのお寺なのではないか……?という気がしていたので、行ってみました。



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極彩色の門!! 期待が高まります! 果たして中は……! 次回に続きます。(つづく)