宮島に着いて、参道から厳島神社に向かおうとしたところでマップを見ると、「乳地蔵」の文字を見つけました。乳地蔵! 乳人間としてはお参りしないわけにはいきません。
というわけでいきなり参道から山のほうへ逸れたのでしたが、乳地蔵を求めて歩いた山辺の小径も町家通りも、観光客混み混みゾーンから一歩離れるだけでひっそりとして、大変風情ある散歩道でした。
参道から坂道を少し登ったところにあった公園。ゾウが良い。地面にはシカのフンがいっぱい落ちてました。
夾竹桃? お花がひとつだけ咲いていました。
地元の会館のようですが由緒ありげな建物。
近くで朽ちていたなんかかわいいバイク。
坂を上ると家々の並ぶ街並みが見えます。
そして、その中に、乳地蔵がありました!
「乳地蔵」という字面だけでときめきます。
「乳地蔵」の字や真言が書かれたプレートは新しいもののようでした(下に古いものも残っていました)。ちなみにこの真言はかつて我が家でも唱えられていましたが(祖父母が地蔵信仰をしていました)、うちでは「おんかーかー神さん参れーソワカ」と唱えられておりました。「神さまにお参りせよ」という日本語だと解釈されていたのですね(「おんかーかー」の部分はおかか的な何か)。
乳地蔵と私
乳地蔵さんは、覗いたところ、何か乳的な形をしているわけでなく普通のお地蔵さまでした。各地にある間々観音や乳垂地蔵と同じく、お祈りすれば母乳が出るお地蔵さまなのですね。隣には宝寿院という古いお寺があり、このあたりは女人坂といって、女性の信仰を集めてきた地らしいです。昔から子育てや乳に悩みを抱える女性たちが、この坂を上り下りしてきたのですね。
坂沿いには他にも由緒ありげなお地蔵さまがおはしました。
おそなえされてるのが白鹿の鹿カップなところが、さすが宮島って感じです。
こちらは外蛇口を備えた珍しい形。
表面は摩滅しているのでしょうか、はっきりした形は分かりませんが、胸に赤ちゃんが抱かれています。これもやはり、乳地蔵と同様の母乳ご利益のあるお地蔵なのでしょうか?
そういえば、厳島神社の宝物館にも入ったのですが、「乳に錠がつけられた常盤御前の絵」が印象的でした。絵の中に描かれているのでなく、実際の錠が絵の上からつけられているのです。画中で常盤御前に抱かれている義経が夜な夜な泣き声をあげるため、乳に錠をつけたところ泣き声はやんだ……という言い伝えがあるそうです。対象関係論を感じます。
さて乳地蔵前の坂を下りるとこんな感じ。石垣が宝寿院です。
静かでとても良い風情。この突き当りにLivemaxがあったのがなんとも違和感でした。昔の温泉旅館の居抜きなのかな?
そしてこのあたりは、どことなく、故郷・京都東山に似ているような気もしました。と言うと「どこへ行っても京都に喩える!」と言われてしまったのでしたが、しかしそう感じたのはゆえなきことではなく、おそらく焼き物に携わるおうちが多いからやと思います。
これはこのあたりにいくつかある「誓真の釣井」。
誓真という僧が整備したもので、当初10個あったそうです。飲料水不足に苦しむ住民を助けた他、しゃもじを宮島の産業にしたのもこの人だとか。
坂を下りて町家通りを抜けると五重塔が見えました。この日はバタバタと厳島神社へ急ぎましたが、また訪れた際はゆっくり散策したいなア。
ところで、乳地蔵さま自体は特に乳っぽくなかったですが、足元に乳っぽいものがあったので「乳!乳!」と言いながら撮りました。
お分かりでしょうか………?
宮島口でも「乳! 乳!」と騒いでこれを撮りました。
わたくしレヴェルになるとこれが乳に見えるようになるのですね。
最近、pixivで乳小説「乳との生活」をupしたのでよろしければお読みください。次回作は「数えると増える夫の乳」(仮タイトル)を予定しております。