しまなみ海道を走る前日は、松山を散策しました。
松山を訪れるのは実は初めてです。一度来たかったので嬉しいです。何十年かぶりに『坊っちゃん』を再読しました!
小学生の頃、担任の先生が、松山へ行ってきたといって「坊っちゃん団子」をお土産にくれたのでした。文学が好きな先生で、「夏目漱石が舞台にした街なのよ」という説明をしてくれて、子ども心にも小説の舞台を訪れるなんて素敵やな~と思った覚えがあります。その後、『坊っちゃん』を読んでみたら、松山の悪口しか書かれていなかったので「いいの!!??」と思ったものでした。しかし松山に行ってみると、実に坊っちゃんだらけでした。
「坊っちゃん」あるいは「マドンナ」って店がいっぱいある!! 松山市内にいくつあるんだろう?
ゆるキャラ化された漱石もあちこちにいます。風呂上がりっぽい漱石(らしき人)。
吾輩はまねき猫。
街の中心地には「漱石先生のみち」がありました。「Soseki-Sensei Road」!
奥に見えるのは自販機です。自販機に漱石と子規。
「おもてなし日本一のまち」というのが松山のキャッチフレーズらしく、たしかに訪れたお店も旅館もとても親切でしたけれど、この二人にこのキャッチコピーはどうなのか!?
近くには、漱石と子規がともに住んでいたという「愚陀仏庵」があるというので行ってみたのですが……駐車場になっていました! 建物は空襲で焼失したそうです。
駐車場にはみきゃんパイロンがありました。かわいい~~!!
そして「濱商パーク 愚陀仏庵」の看板が!!
これはいい……!! 漱石も子規も、自分たちが未来に駐車場の看板になるとは夢にも思わなんだと思います。私はそういう「なんでだよ」みたいなやつがどうしても好き……。
駐車場といえば近くには「子規パーク」もありました。
このイルカ、他の場所では「坊っちゃんパーク」として出現していました。
もはや坊っちゃんとは何なのか分からない……文学作品とは?文豪とは? こういう「そのものからはなれて勝手に増殖してゆく観光地表象」がどうしても好きです。