奈良写真(2):東大寺

さて、今回は、特にどこへ行こうというあてもなかったのですが、かの有名な大仏を一度も見たことがないので見ておこうかと、とりあえず東大寺へ。



ところが、東大寺までの道はものすごい人。
お祭りらしく、参道に屋台がずらりと並んでいました。
上の画像は、カラフルなかきごおり屋。彩りがすてきだったので撮影しました。

東大寺南大門へ入る道で、更なる混雑に遭遇。
おっちゃんたちが、「何やな、いつまで通行止めやねん」とか叫んでおるので、何事かと混雑の中心を覗くと、稚児行列ではないですか。
うちの地域の稚児行列は武家風の装束なのですが、ここのはたぶん公家装束で、華やか。
男の子も女の子も鮮やかな色の衣に、お花を一輪手にもって歩いています。笠の上も季節のお花で飾られていました。
お稚児さんだけでなくて、大人たちもそれぞれ色々な装束に身を包んでおり、時代祭りみたい。(注:「ミス奈良」だけは洋服)
しかし、その華やかさに反し、多くの人が陰鬱な表情。
だってこの日差しの中暑苦しい服着て行進やもんな……気の毒に。

しばらく行列を眺めながらケータイで写真を撮るなどしていた観光客一同も、一向に動けないことにしびれを切らし、行列と一緒に歩き出す始末。結果、公家装束の行列と観光客たちが入り混じって行進、というカオスな事態となっていました。


このお祭りは、聖武天皇のお祭のようで、境内でも舞が奉納されてました。
↓蝶の羽根をつけたかわいい子供たちによる舞。「胡蝶の舞」というやつでしょうか? 源氏物語とかにも出てくるよね。
  しかし、やはり暑いらしく、優雅に舞う子供達の表情もつらそうでした……。





さて、いよいよ大仏殿、というところで、なんだこれは!
大仏殿の前のぎらぎらと暑い石畳の上に、長蛇の列が!!
何これ、みんな、大仏待ちの列? 大仏って並んで見るものなのか……。

こんな列に並ぶことなんて滅多にないので、どーしようかと思いましたが、まあどこにいってもこんなものだろうし、一応並んでみました。わざわざ列に並んで有難い大仏見物なんて、なんだか昔の人になった気分ぢゃよ。
が、列は案外早くすすみ、入場券売り場を抜けると、回廊の中に広大なお庭が広がっていて清々しき哉!
お庭では、先刻の稚児装束の子供たちが水べりで遊んでおり、さながら古代の風景のようではないですか。






回廊を進み、やっと大仏さまと対面。
皆、口々に、「でかっ」「でかっ」と言いながらケータイで写真を撮っています。光りまくるフラッシュ。聖武天皇も、1000年を経てこんなことになってるとは思わんかったでしょう。
かくいうわたしも「でかっ」ばっかり言う。象見物か。
大仏殿内は光明皇后のお供養の最中で、読経の声が響く中を大仏の周り一周。有名な柱くぐりがあったり、出口付近は商魂逞しお土産ゾーンだったり、大仏殿の中が完全にエンターテイメント空間になっていることに感嘆しました。




↑大仏さんの後姿。表から見ると、この光背には、菩薩像(もちろんでかい)がたくさんくっついています。




↑大仏さんの脇に飛ぶ、八本脚の蝶。
現し世に存在しない生き物の象徴。
ところで八本脚の蝶といえば、どうしても、あの自死した女性の手記を思い出してしまい、くるしくなります...。


が、われわれがもっとも衝撃を受けたのは、大仏殿を出たところにましましている賓頭盧尊者さんの像でした。
真っ赤な衣装といい、その材木つぎはぎぶりといい、なんともいえん凄みがあり、釘付けになりました。





↑大仏殿に燦然と輝くびんずるさんの存在感。




ラムネ飲んで二月堂へ。二月堂の前では、「ここからシカたくさんいるよ!シカだらけだよ!」、シカせんべい売りの口上に気合が入ってました。
二月堂は石段をずいぶんのぼったところにあり、すばらしい見晴らし。満足。
いろんな絵が飾られており、やたらアート方面に力を入れてる印象でしたが、なんかあるんでしょうか? 莫山先生の書も飾られていました。


二月堂を降りたところに、お水取りのときのお松明。



二月堂の裏にて。



蓮華畑。