置き物化

なべて犬てうものは、雷をこわがるようです。
雷の音に驚いて走り去ってしまい、そのまま行方不明に……という話も、何匹か聞きました。

まめ子は、これまで雷を怖がったことはなく、大きな雷鳴が聞こえても「ふーん」としているだけだったので、ああ雷を怖がらない犬もいるんだなあ、と安心していたのですが、なぜか今年から急に雷をこわがり始めました。
何故?
なんか流行なのでしょうか。


雷の音がすると、ぶるぶる震えて部屋の隅っこに移動し、緊張するためか、息が荒くなり舌が出ます。見るからにかわいそうです。
ときには、むやみに家の中を走り回り、思わぬところで発見されます。

先日は、家のどこにもいなかったので、すわ、「逃げた!?」と真っ青になったところ、二階に避難してくつろいでおられました。
それまで二階は未踏ゾーンだったのに……。
どさくさにまぎれて新境地開拓です。


またべつの雷雨の日、母が家に帰ってきたところ、まめ子がいない!
母は、すべての部屋を見てまわり、二階も念入りに探したのですが、見当たらない。
今度こそ逃げたか…! 青くなった母が、ふと部屋の隅の床の間に目をやると。


※母から送られてきた写真










置き物かっ。
まめ子は、床の間の掛け軸の前に、仏像や人形たちと同化しつつ、ちょんもり鎮座していたそうです。


まめ子(置き物)………。