続・はならびの件

【本日のショック】

造形の神が万人に平等でないことはよく知られた事実であり、そのこと自体を呪うつもりはないのですが、血をわけた兄弟姉妹にあんまりな不平等をもたらすのは、悪戯が過ぎるんでないでしょうか。

わたしには年の離れたいもうとがおりますが、もちゃーっとした一家の中で彼女だけがなぜかしゅっとした外見を持っています。
同じ姉妹でありながら彼女はさまざまな遺伝的・環境的呪縛からも解放されており、たとえば上の姉二人が皮膚炎に悩んでいる間も、一人無傷で誇らしげでした。
彼女が産まれて以来、長姉は彼女に勝てたためしがなく、それというのも自分だけは造形の神に愛されているという彼女の自信のゆえだとおもいます。
生まれつきちょっと小奇麗な外見に恵まれたことの何がそんなに偉いんかっ、とも思いますが、まあそういうものなので仕方ありません。
しかし今日、「これはあんまりだ!」と思う事実を知りました。


以前書いたとおり、わたしは極度のはならびの悪さを誇っていますが、とりわけたいへんなことになっているのが、下の八重歯です。
上の八重歯はチャームポイントだと言い張れますが、下の歯が二重になっているというのは、なにやら奇怪です。
しかも、前歯ですので、口を開けるとすぐそれが存在を主張するのです。
上の八重歯とも相俟って、前歯一帯が妙にごちゃごちゃしたゾーンになってしまっています。


という愚痴をいもうとにこぼしていたところ、いもうとは、
「俺(注:いもうとの一人称)にもあるで、下の八重歯」
と言うのです。
確かに我が家ははならびの悪い一家なのですが、しかし一見したところ、いもうとの歯列はわたしのそれに比べ、なんの問題もないように見えます。
「うそー、ちょっと見せて」
といもうとの口内を覗き込み、
「ここ、ここ」
と指し示されたところを見ると、ありましたありました下八重歯が! わたしのと同じ下八重歯です。 なんだかんだ言ってやはり姉妹だったのです。………しかし !!


いもうとの下八重歯は、前歯でなく、奥のほうの目立たないところにひっそり存在していました。
……何もこんな細かな不平等を設定しなくても!!
と、造形の神の徹底した不平等主義に、感嘆した一日でした。



追記) まめ子ははならびいいです。