Do you Know YAMAYOSHI?

今日は、(専門分野であるところの)お菓子の話をしたいと思います。

ポテトチップスのメーカー、と聞いて思いつくのはどこでしょうか。
カルビーでしょうか、あるいは、コイケヤでしょうか。
しかしここ数年、どこよりも注目しているのは、yamayoshi こと山芳製菓
代表作「わさビーフ」はご存知の方も多いかもしれません。


yamayoshi との最初の出会いは確か「北海道バター味」。そのときの衝撃は忘れまい。
コンビニにて、あまり見かけないポテトチップスを見つけたもので、何気なく買ってみたのでした。バター好きだし。

すると! この中毒性は何!!

バター っとしているがただのバターではない。ガーリックの効いた、異様に濃い味付け。それは、一袋食べ終えたらまたすぐに一袋食べたくなる妙な魅力に満ちており、食べ尽くした後もその痕跡を求め、カラになった袋に鼻つっこんで(シンナー吸引の如く)すーはーすーはーしてしまうのでありました。
もう一袋買ってこよか、いやしかしそれは…… と煩悶しているうちにその日は終わったのでしたが、ほどなくして、100円shopを中心に、めくるめくyamayoshiワールドが展開されていることを知ることになります。
それ以降出会った恐るべきyamayoshiフレーバーの一端を紹介してみますと、

・塩だれカルビ味
・唐揚げ味
・タン塩レモン風味
・炭火鶏しお味
・メガバーガー味
味噌かつ丼味
・なつかしのコロッケパン味
・小龍包黒酢しょうゆ味
etc.......


なぜ「コロッケ味」ではなく「コロッケパン味」なのか、なぜ「味噌味」でも「味噌かつ味」でもなく「味噌かつ味」なのか!
そして yamayoshi のすごいところは、それらの風味を忠実に、いや最早偏執的なまでに再現しようとする情熱です。(コロッケパン味はちゃんとコロッケパンの味がするのです。コロッケではなくコロッケパン。)

味再現界(そんな界があるのか知らないが)においては yamayoshiと双璧を成すであろう Fritolay も、再現対象の突飛さにかけては yamayoshi に敵わないでしょう。なんといっても、世界中に誰一人として、ポテトチップスに「小龍包味」を期待している人がいるとは思えません。

そしていちいち味付けは濃厚。
少し前に発売された「北海道リッチバター味」(筆者の運命を変えることとなったあの「北海道バター味」グレードアップヴァージョンだと思われる)には、次のような文言が付されていました。


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 ある日、お客様より一通のお手紙を頂きました。そのお手紙には、「私、じゃがバター味じゃなくて、バター味が食べたい」と書いてありました。確かに調べてみると店頭には、「じゃがバター味」や「バター醤油味」という商品はありましたが、バター味のポテトチップスはありませんでした。そしてそのお手紙の声から生まれたのが、この「北海道リッチバター味」。濃厚なバターのおいしさを是非、ご賞味ください。

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なんと、自らのポテトチップス性といいますか、ポテトチップスとしてのアイデンティティを完全に否定する文章ではありませんか!
「じゃがバタ味じゃなくてバター味」。頼むほうも頼むほうですが、応えるほうも応えるほうです。
しかし、絶対矛盾的自己同一の海に飛び込んだ yamayoshi に、今後も惜しみなき声援を送りたいと思います。




追記)公式サイトには毎月プレゼント企画もあるようですが、4月のプレゼントは、なんと「わさビーフパッケージフィルム」。工場で余ったやつでしょうか。何に使えというのでしょうか。これほどレアで、かつ使い道のないプレゼントは、ちょっと類を見ません。