M原警察署シリーズ





【採取地:京都市東山区、2004】




京都市の南半分最大の破壊力(誉め言葉として)を誇るであろうポスターが、一連の、M原警察署シリーズです。
水彩で一枚一枚描かれたそれは、一見よくあるローカルポスターかと通り過ぎた足を、はたと翻させる力を持っています。

一枚目は、「くち車」を、そのまんま「口がついてる車」としてヴィジュアル化した、最早暴力的な表音文字ぶりが秀逸です。
二枚目の、警察ポスターであるにも関わらずの、豪快な著作権無視っぷりも見逃せません。
三枚目では、文字はサルのようなものがぶらさがるための何かに過ぎず、「のるなのせるなくち車」という標語が、完全に意味内容から遊離した単なるシニフィアンに成り果てています。
そもそも、のる側への注意はともかく、のせる側に「のせるな」と言うて効果があるんかい、ということは、この際問わないことにします。


警察というものには、皆それぞれ恨みや憎しみを抱いていることでしょうが、このポスター群が、そうした警察署のイメージ・アップに貢献していることは間違いないでしょう。