まめ子19周年/いろんな動物のうちにひそむまめ子と猫の到来

今月21日で、まめ子との出会いから19周年でした。

(当ブログは最近ブックマークしてくださった方も多くいらっしゃるようですので、犬好きの方はもしよろしければ「犬愛」カテゴリから過去の犬話を辿ってくださいませ。)

実家の者とLINEをして、年月の経つのは早いねえなどと言い合いましたが、毎年言うてる気もしますが、生きていたものはいなくなってもなくなることはないのであるなあ(いなかったことになることはなく永久にそれはあったものであることになるのであるなあ)、と繰り返し思うこの何年かであります。

 

2012年のまめ子(と私)。自然の中でちょっと普段よりワイルドな姿。水は嫌いでしたが、夏に川に入るのは入ってしまえば気持ちよかったようです。

この頃は今ほど暑くなかったのだなあ。今年の猛暑は犬も犬飼いも大変だったでしょう。

 

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さてまめ子はいうまでもなく犬でしたが、一方で何か、ふしぎな生き物でもありました。

ということはまめ子存命時にもたびたび書いていた気がします。犬なのだが、ヒトっぽい(というと語弊があるけれど他に適切な喩えがないなあ……良い意味でヒトっぽさがあるというか)ような、さまざまな良き生き物の良き部分を持ってもいるような。尤も、すべての犬は飼い主にとってそのような感じを催させるものかもしれません。

そしてこれもまめ子の生前からですが、犬ではないいろんな生き物の中に、「まめ子の要素」を感じることがありました。たとえば、奈良で出遭った鹿の、座って揃えたおてての形と頭部の色と理知的なお顔の中に。カピバラの、遠く宇宙を眺めているようでいつもごはんのことを考えているようでもある神秘的な眼差しの中に。アゲハの幼虫さんの、葉の上にちょんもりまるまった可愛いお尻のたたずまいの中にすら。

 

今、実家には、猫がいます。

まめ子がいなくなった翌年、もう哺乳類を飼うこともないだろうなあ……と思っていた実家に、(まさにまめ子が来たときと同様の)思いがけぬトラブルによって猫がやってきて、それまで猫嫌いだった母があれよあれよといううちに愛猫家になり、猫アレルギーだったはずの父がなぜか自然治癒を見、一匹の猫が我が家の飼猫になってしまったのでした。

この猫は、ほぼ私と入れ違いで我が家に居ついたため私のことはおそらく家族として認識していません。まめ子の写真はたくさんブログにupしていたのに、猫に関してはなんとなく「よその猫」感があり、遠慮してしまっています。よって写真無しでの説明になりますが、猫がやってきたときにわれわれが思ったのは、「またこの色!」ということでした。まめ子と似たような、いわゆる「きれいな色」ではない色(我が家では「ずず黒い色」と呼ばれています)の猫、どうもこの色の動物が我が家には集いがちのようです。

また、この猫は野良生活が長く、しかも徹底的に人間を嫌う母猫に育てられたらしく、懐くのに非常な時間がかかりました。最近ついに膝に乗ってくれるようになり感無量なのですが、けっして気を許している様子ではなく、膝に乗ったかと思いきや次の瞬間には緊張した様子で去ってゆくし、その次に会うとまた他人のようによそよそしくなっている――まめ子も最後までどこかよそよそしい犬でしたが、我が家はよそよそしい生き物が好きなようです。人間たちがよそよそしいからでしょうか。猫の様子を見ていると、一緒の布団に収納して寝たはずのまめ子が深夜に抜け出して私から最大限離れた部屋の隅で寝ていたことや、座っているまめ子のぴったり隣に腰かけるとわざわざ立ち上がってやや距離を置いた場所に座り直されたことや、よくため息をつかれたこと――などなど、よそよそしい思い出の数々が思い出されます。

 

昔描いたまめ子あるある。散歩中にむにゃむにゃし始めたから傍に座ったら急に立ち上がって遠くへ移動するまめ子。


そういやかつて、よく言われる「犬の十戒」というやつはまめ子に当てはまるようには思えないのでは……? と考え、「まめ子ならこう言うのではないかヴァージョン」を作成したところ、知人に「ほぼ猫だね」と言われたことがありました。

たしかに猫っぽい犬だったかもしれません。

しかし、やはり、本物の猫と接していると、まめ子はだいぶ犬だったのだなあ……とも思います。これは我が家の猫の個性によるのかもしれませんが、まず、「話せばわかる」感が圧倒的にまめ子のほうが高かった! 猫、何考えてるのかわからん!!「うっかりすると命を取られる」感、「あと10cmでかかったらやられてた」感もすごい。最近はだいぶ腹などを撫でさせてくれるようになりまして、先日も腹を見せて甘えてきたので撫でてやっていたのでしたが、甘えていたはずが突然立ち上がって爪で攻撃してきたのであります。理由は不明。その爪が、手首のちょうど血管付近に刺さり、刺さったまま猫が走り出したので、「やばい、これは救急車沙汰になる」と覚悟しました。幸い猫も気づいて焦ったらしく大事にならぬうちに爪を外すことができたのでしたが、そのときの様子はちょっと、「まめ子が興奮した流れで噛もうとしてきたが途中で我に返って焦り始めた事件」なんぞを思い出させました。