馬の十七年

先日、久しぶりに大田の沢へ行きました。

大田の沢とは、上賀茂の小さな神社・大田神社の傍らにあるカキツバタの群生地です。俊成の歌にも詠まれている古来よりの名所なのだとか。以前は季節になると行っていたのですが、盛りの時期は短く、昨今は時期を逃してばかりでした。一昨年は前まで行ったものの、世界人類を守るため観覧中止でしたしね……。

 

2020年の大田の沢:

 

 

今年は運よく、良いお天気の日に満開の沢を見ることができ、心洗われました。北山の緑に抱かれた沢一面に一定間隔で、遠くまでぽわりぽわりと青紫が浮かぶ様子は、さほど広い場所ではないはずなのに無窮を感じさせます。

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つつじもきれいでした。

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***

 

さて、そんな大田神社の隣に、小さな公園があります。なんということのない児童公園なのですが、ここには馴染みのお馬さんがいるのです。

 

この子です。

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日付を見たところ、これは17年前の写真。(私の目が死んでいるのは気にしないでください、この頃は常に目が死んでいました。)

白い毛並み(毛はないですが)に淡い茶色がメルヘンチック、トロンとした目の彼(彼女)がなんやら気に入って、乗馬写真を撮ったのでしたが、このお馬さん、同じ場所にまだ健在でした!

 

しかし―――

 

なんか違う――

 

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補修されて塗り直されているーー!!

 

かつては濃淡のある茶色で塗られていたのが、大胆な白黒で塗りつぶされている! しかし、なんかちんまりとした座り方やどこか頼りないタレ目は健在です。ベタッとした塗りが一瞬修復キリストを想起させたものの、こうして補修されて使われ(乗られ)続ける、愛されているお馬さんなのであろうな、と分かり嬉しくなりました。

 

乗馬再現写真を撮ってもらいました。僕も元気でまた会えてよかったよ。


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なお、17年の間で何度かこのお馬さんには会っており写真もあります。以下は2014年のお姿。どのタイミングで塗り直されたのかは不明ですが、8年前の時点でけっこう限界っぽいことが分かります。


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顔面の真ん中にひびが入ってるし、みんなが乗る部分はすっかり塗装が剥げていますね。塗り直してもらってよかったね!

そして、こうして写真を見ていると、このお馬さん、ちんまりした座り方、体型、そして顔(特に目)が、そこはかとなくまめ子に似ていることに気づきました。私が心惹かれるものは皆どこかまめ子の要素をもっているのでしょう。上の17年前の写真はまめ子と出会う以前のはずですが、その頃からまめ的なルックスが好きだったのだと思います。

 

 

日が落ち始める頃の大田神社の灯籠。西からの光がきれいでした。

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