四条通の高島屋と大丸の屋上

先日、四条河原町で用事があったのですが、その前後に時間が余り、そういえばここんとこ「今、高島屋と大丸の屋上はどうなってるんだろう」と考えてたなア、と思い出し、超久しぶりに高島屋と大丸の屋上に上ってみました。

 

子供の頃、母の買い物に連れていかれるといえば、高島屋か大丸でした。百貨店好きだった祖父に連れられたこともありました。当時はまだ、郊外のイオンモールのようなものもなく、買い物といえば四条、だったように思います。私はデパートはそんなに好きではなかったのですが、最上階の食堂街で食事をしてその後屋上に連れてもらうのは好きでした。屋上にはいろんな遊具があり、ドラえもん型の遊具がお気に入りでした(タイムマシン型のやつと大きなドラえもんのおなかに入れるやつと、2種類あったのを覚えています。どちらかが高島屋、どちらかが大丸にあったんだったかなあ)。

 

 

 

まずは高島屋に行ってみました。

食堂街が子供の頃と様変わりしていて(といっても昔どんなのだったかもうよく思い出せない)、その上の屋上に上がる通路も分からずずいぶん迷ってしまいました。

店員さんに教えられた階段は、たしかに見覚えのあるような。

このプレート、昔からありそうですよね。

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高島屋は7階まででその上が屋上、大丸は8階=屋上、よって子供の頃の私の知る「最も高い建物」は8階建てでした。ご存知の通り、京都は景観条例により高い建物が建てられないのです。その後、例の巨大な京都駅ビルができ伊勢丹のエレベータに「10階」の表示を見たときは、「2桁!? えらい百貨店ができてしもうた……!」と思ったのでした。

 

高島屋の屋上はこんな感じで、閑散としていました。記憶にあるものが何もない……。

大きめの喫煙所があるけれど無人でした。

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重ねられた椅子たち。ビヤガーデンの季節には賑わうのかもです。

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高島屋の屋上には、妹たちやいとこたちが小さい頃、彼らを引き連れて遊ばせにきたこともありました。(私はあまり姉としての能力を評価されていませんが、意外に面倒見のいい姉だったのではないでしょうか。) チロルチョコキャッチャーでよく遊んでいたことを覚えています。入れたコインの額以上のチロルチョコは絶対取れないのですが。また、中に入ると怪談が流れるホラー遊具があり、妹とそれに入ると、怖がりの妹はめちゃめちゃびびって叫んだものでした。

当時の私は高校生くらい、よって90年代の記憶ですが、あれらの遊具はいつ一掃されてしまったのか……。ドラえもん遊具も長いこと設置されていた記憶があるのですが。

軽食の売店もありました。たこ焼きやお好み焼のプレートがあり、数百円で、今食べると大したことはないのかもしれませんが、素朴な手作り感が妙に美味しくて、親からもらった小遣いで妹らと一緒によくそれを食べていました。たこ焼きとお好み焼がセットになったプレートが気に入っていました。この売店もとうになくなったようです。

 

 

屋上の隅っこには稲荷社。隣のエレベータホールにはいくつか椅子が置かれ、くつろいでいる人が数名いました。たしかに静かだし人はいないし、ここの常連さんなのかもしれません。

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北側からは四条通が見下ろせました。

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なお、入り口にあった貼り紙。

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高島屋を出て西へ歩き、大丸の屋上にも上ってみました。こちらは数年前にも一度来ています。
そのときも「おお、まだある!」と思ったのでしたが、8階ファミリー食堂が健在で嬉しくなりました。

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買い物の後に食事に連れられるときは、この食堂が多かったです。デパートの食堂ながら低価格で、だいたいなんでもある! しかし何を食べていたかもう思い出せません。メニューもいくらか変わったようで、当然ながらだいぶ値上がりしていました。しかし、中を覗くと椅子もテーブルも記憶にあるままで懐かしくなりました。今回は時間がなかったのですが今度はここで食事をしたいです。

この食堂の向かいにエスカレータがあるのですが、エスカレータの手すりを触って遊んでいたら、「エスカレータで遊んでいるお坊ちゃん、お嬢ちゃん、危ないですよ……」というナレーションが流れ、「エッ! 見られてる!?」と驚いて飛びのいた、という思い出があります。4、5歳の頃でしょうか。以後しばらく百貨店に連れられるたび、「どこから見られてるのだろう」と不安に思っていました。

 

 

食堂街の扉を開けると野外屋上です。

大丸の屋上にももう、昔の遊具は一切ありません。

少し淋しいですが、一部はお花屋さんになっており、更にその向うには芝生が整備されており、その中のベンチで空を眺めてぼんやりできるのはちょっといい感じです。何年か前の夏の手前頃、お出かけついでに此処に寄ってベンチに座ったのは、あれは、誰と一緒にいたときだったでしょう。夕前の空が薄紫で、「六月の夜の都会の空」という稲垣足穂のフレーズを思い出したのでした。六月ではなかったんですが。「六月の夜の都会の空」は、生まれる前の思い出への郷愁のような感覚と結びついたフレーズですけれど、ここに書いた自分の思い出も、どこまでが現世の思い出なのか怪しくなってきました。

 

 

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