東洋陶磁器美術館に行ったよの巻

大阪はなにわ橋の東洋陶磁器美術館、一度行きたいと以前より思っていたのですが、やっと行くことができました。
ちょうど「胡人俑」という素晴らしい展示の最中でした。



胡人とは中国における異民族のこと。
俑とは貴人の墓に副葬される陶製の人形ですが、西方異民族との通商がさかんであった唐の時代には、胡人をかたどった「胡人俑」が多く作られたのだそうです。
ちょっと前に、京都国立博物館で、やはり唐代の副葬品の人形を見て、そのユニークな表現に感嘆したので、この展示も気になっていたのでしたが、展示数も内容も圧倒的でした。


異民族をかたどったということで、そのエキゾチックな服装や風貌が強調されて作られたようですが、どれも、衣装の皺や襞、人物の表情や動きが、実にいきいきとしていました。
今回撮影可だったのでたくさん写真を撮ったのですが、その中から少しだけupします。



やたら耳たぶの長いドヤ顔の人。
こうしたポーズを取っている人物が多いのですが、これは、もともと人物と馬やラクダの像がセットになっていたからだそうです。この人もおそらく馬かラクダを牽いているところな模様。
ちなみにこの日、私は大阪歩きってことでヒョウ柄タイツを穿いていたので、この人物の前に来た瞬間 「ウワッ!おそろい!!」 と言うてしまいました。


最も印象に残った今回のMIP(最も・印象に残った・パーソン)はこの人:



なぜか乳首伸びてるおじさん。
何故!? 何があったのか?
この人は乳首部分が強調されたパネルも作られていました。
よく見ると乳首だけでなく、腹毛の流れまで緻密に描写されているのですよ。


こちらはなんだか艶めかしい女性像。



当時、異民族の服装の影響で、女性も男装するのが流行ったのだそうです。
ほんのり残る頬の赤みといい、やはらかな腹のラインといい、今にも歩き出しそうな美女でありました。


動物像もたくさんありましたが、その中からラクダさんをひとつ。



この子は他のラクダよりも少し小振りのかわいい子でした。
フタコブラクダのこぶは、みんな互い違いの方向を向くように作られていましたが、実際そうなんだっけ!?



日中韓の歴代陶磁器が展示された常設展も、大変な充実ぶりでした。
綺麗なもの、面白いもの、びっくりするものがたくさんあったけれど、気に入ったものをひとつ。
朝鮮半島の高麗時代の青磁なのですが、瓜の形になっている! めっちゃ可愛くないですか? これは欲しい! タケノコの形のやつもありました。



朝鮮半島のは、基本的に控えめで繊細なデザインが多いのかと思っていたら、突然子供が殴り描いたような大胆な絵付けが流行り出すなどして気になりました。
中国のは、どの時代もやはり圧倒的に技巧がすごかったりでかかったりでした。
日本コーナーには、われらが京都の焼き物もありました。「なんかうちにありそうな器やな」と思ったら清水焼だったのでした。もちろん我が家にあるものははるかに安物なのでしょうが…。

次はフランス陶磁器の展示があるらしいので、これも観に来たいなア。


陶磁器美術館のすぐ横は中央公会堂。このあたりはレトロ大阪の風情が残っており、良いゾーンでありますなあ。




中央公会堂のレストランでお昼を食べました。気取ったところなのかと思ったら、店員さんが気さくでよかったっす。