先日、旧友・ナメちゃんと上京区のカフェをめぐりました。
というか、猫のいるスポットを巡ろうとしたところ、結果的に上京区の、町家+本+サブカルチャー みたいな実に京都のエッセンスを満喫する的なお出かけになったのでありました。
上京区は、普段あまり行かないゾーンなのでありますが、こんなに素敵スポットが色々あったとは。
いずれも千本通り周辺です。
千本通りはあまり通る機会がないのですが、千本丸太町〜北大路間は、京都の通りの中でかなり好きなゾーンのひとつです。少しレトロなのに活気があって、独自の文化がありそうで。
どこも素敵だったので紹介します。
1) 喫茶ゆすらご
ナメちゃんが「猫がいる」という情報を得て行ってみることになった喫茶ゆすらご。
千本通りから少し西へ入ったところにありました。民家が並ぶ、いかにも京都的な細い通りを歩いていると緑で統一されたお店がありました。
ナメちゃん撮影
静かな住宅街に燦然と、イン・ユーテロ!
みなみ会館のポスターがありました。「エロス+猟奇」なんて企画があったんですね、知らなかった!
みなみ会館、しばらく行っていないなあ。そういえばこういうのが好きだったよー!と胸がキュンとするような気分に……。
お店は町家造りのカフェで、坪庭があり、母方の祖母邸や私の昔の実家も同じ造りであったのでなんとも懐かしい気分になりました。
内装も緑。カウンターに置かれた緑の椅子に、まるでお客さんのように白と黒の猫(フムフムさん?)が座っていました。床ではもう一匹くつろいでいる猫(チャオさん?)が!! なんと絵になっているお猫さんたち!!
(ただ眺めるのみであったので猫さんたちの写真はありません…。)
名物らしいハマチカレーをいただきました。ハマチ?と思ったけれど、美味しい!
いろんなスパイスが入っているぽいのと、わたくしめの好物であるパクチーが乗っているのが嬉しいです。
大きな本棚には、たくさんの本が。特に漫画のラインナップがキュンキュンでした。ガロ、アックス、丸尾末広、山野一、高野文子、つげ義春、美代子阿佐ヶ谷気分……と、「ああそうでした、私はこういうのが好きだったんです!そうでした、そうでした」と嬉しくなりました。ナメちゃんと、初めて山野一を読んだときの話や、高校時代に読んだ高野文子「田辺のつる」の話などをして盛り上がりました。
こういう好み、いわゆる「サブカル女」と揶揄されがちな好みでありますが、でもこうした世界に初めて触れたとき「ああ、ここにあったんだ、こんな世界があったんだ」と新鮮な驚きに満ちていたのですよね。背表紙を眺めてるだけでそんな気持ちを思い出せました。
他、思想、美学系の本もあり、そういや最近すっかり古本屋をめぐる機会も減ってしまったけれど、大学に入った頃百万遍の古本屋を冷やかしながら次々出会う知らない世界に畏れつつもわくわくしていた気持ちを思い出したり……。
今回の出会い。倉本聰が「アカシアの雨がやむとき」について書いている文章が面白かったです。
色々音楽イベントもやっておられるようでした。(トイレに貼ってあったビラ)
2) cafe1001
ところでここまで来たら、もしやあのお店が近いのでは……?と気になっていた店がありました。
上京区に、チョコミントメニューが充実しているカフェがあるとネットで見たのでした。
ナメちゃんにその話をすると、「もしかしてチョコ民党員? うちもチョコ民党員やねん!」とはからずも同じ政党に属していたことが判明し、調べてみると一条通の千本をすぐ東に入ったところだというので行ってみることに。
(千本通+一条通だから「1001」なのでしょうか?)
小さなお店だのに評判になり、最近は行列ができてなかなか入れないと聞いていたのですが、この日はお天気が良くなかったためか、すんなり入ることができました。
ここもゆすらごさんと同じく町家造り。坪庭を見るたびいちいちノスタルジーに浸る私。そしてやはり、本がたくさんありました。(モリミーがプッシュされてました)
迷わずチョコミントパフェを二つ注文するわれわれ。
ほどなく運ばれてきたパフェ、なんと美しいーーー!!!
お店の方もチョコ民党員なのでありましょう、チョコ民党員の心を知った人が作ったパフェです。
いつも添え物のミントがこんなに主張しているパフェがあるなんて……。緑に透き通るゼリーも美しく美味しいし、感動であります。
ちなみに1001さんのインスタグラムは、チョコミント情報がたびたびupされていて最高です。
https://www.instagram.com/cafe1001_kyoto/
本棚には猫本コーナーがあり(ナメちゃんが内田百閒『ノラや』を発見し「読みたい」と言っていました……なんということや……)、入り口にも猫ちゃんの写真が貼ってありました。
会いませんでしたが、ここにも猫さんがいたのでしょうか?
なお、この日、傘をお店に忘れ後日取りにいったのですが、親切に対応してくださいました……有難うございました。
よく見ると↑の写真の店内に、私の傘が写っています(撮ってるときに気づけよ)。
3) キャットアパートメントコーヒー
さらに、一条通りに有名な猫カフェ・キャットアパートメントコーヒーもあった!ということで行ってみることに。なおこの前に猫グッズ屋に寄ったのですが、それに対して本物の猫をナメちゃんが「生ニャン」と表現していたのがややキモかったです。
キャットアパートメントコーヒー、名前だけは知っていましたが、到着するとまたもロージの奥の町家ぽい建物で、今日はずいぶん町家に縁のある日!
ここは猫カフェですが、おさわりは禁止(膝に乗ってきた子は除く)。ということでナメちゃん曰く「理性と欲望の葛藤」を味わいましたが、それだから猫たちはのびのびしてるのだろうな〜。時間制でしたが、それぞれの猫たちの個性ある仕草・行動を見ているだけであっという間に1時間過ぎてしまいました。
もっふりしたでかい猫。漫画も置いてあり、『孤独のグルメ』を読んだりこの猫を見たりと忙しかったです。
この子が好みの顔でした。まだ4か月という子猫。
他の猫にちょっかい出されてテーブルの下に退避。
やや情けない表情がイイ。
お腹が可愛い。
手前の白い子が気になって眺めていたところ、「妹ちゃんに似てへん?」とナメちゃん。
たしかに、私の妹にそっくりだったのです!
フロントにいたかわいいやつ
というように、久しぶりにゆっくりと、京都カルチャー+猫を味わった日でありました。
好きだったものを思い出したり、気になっていたものを食べられたりと、新鮮な気分になりました。
なお、この後まだ猫を求め、われわれはさらに一時間車を走らせ八幡の「のらや」へ……。