骨になってもしっぽは残るぜ(まめ子一周忌)




1129(イイ肉)の日。あの日から一年過ぎてしまいました、まめ子の一周忌でございます。

自分より先に逝くものと思って飼ってはきたけれど、また、犬の死としては理想的な部類の死であったとは分かっておれど、やはりまめ子の不在は埋めがたく、しばらくの間は家族一同泥のようになっていたことを思い出します。
当時、ブログやSNSを見てコメントやメールをくださった皆様、ほんとうにありがとうございました。嬉しかったです。また、文章よ、音楽よ、有難う。

一年経って、手触りや匂いの記憶はやはり薄れつつもしかし不意に想起されたり、家の中に犬がいたことが夢のように覚ゆると同時に今でもそこにいる気がしたりと、まめ子が今でもわれらのナンバーワン犬であり続けていることに驚いております。
一年目のまめ子祭壇をムービーに撮りましたのでよろしければ御覧下さい(べつにたいしたものではありませんが)。関係ないものも並んでいるところが流石我が家です。
https://www.instagram.com/p/BM6vqmuBwDV/?taken-by=maternise


生前、私は日々まめ記録をつけていました。
このブログでは、特別なことがあったときやどこかへ行ったときなどにまめ記事をupしていましたが、今日は、日々のなんということもない記録の中からとりわけなんということもない部分を抜粋し、犬を偲ぶと同時に、その激可愛さを再び全世界に強く訴えたいと思います。


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まめ子が来たのは2005年9月です。そのしばらく後の記録。

2005年11月16日
まめ子、ちくびに寝ぐせ。

2005年11月18日
まめ子の一番したのちくびの横に、小ちくびみたいなできものがある。あれはなんだろう? 掻いてやるとうれしそう。

2005年12月8日
大事件。まめ子の5対めの乳頭が発見された!



やたら乳のことばかり書いている!
11月18日の「小ちくび」ですが、これは最後まであり、時期によって消えたり出現したりする謎のコリコリでした。なんだったんだろう?
「5対め」の件ですが、当初われわれは犬の乳は4対8個であると思っていたのです。それが、この頃やっと腹を見せるようになったまめ子の腹側を撫でていたところ、上のほうに、毛の中に隠れている5対目を発見し、犬の乳は10個であることを知ったのでした。



もちろん乳以外のことも書いています。
たとえば、日々の散歩の記録。


2005年11月25日
家に誰もいないのでまめもさみしそう。
帰ってきたら、まめがドアの前で正座をして待っていた。(注:まめ子のおすわりには、「いぬ式おすわり」と「まめ式おすわり」の二通りがあり、前者が人間の「正座」に当たると思われる。)
今日は、さんぽを母に任せるつもりだったが、その姿があまりに可愛かったので、近所を一回り。屋根犬に吠えるが、吠え返されたらすごすご。
おしっこ2回。まめ子はいつも、流れゆく自分の尿を見つめている。



「屋根犬」って何だろう……。
そして肛門事件。

2005年11月26日
まめ子とあそびながらまめ子のお尻らへんをなでなでしていると、手の指になんか きゅうっ という感触を感じた。
え?と思って見ると、ちょっとだけ指がまめ子の肛門に入っていた… ごめんよ、まめ子………
まめ子もミョーな表情をしていた。








わが家族は、下の妹を除いては誰一人積極的な犬好きというわけではなかったのですが、いつの間にか皆が、なんということもない犬・まめ子のとりこになっていったのは笑えました。犬の力よ!
とりわけ、父が急激に犬好きになっていった様子は凄まじいものでした。
父とまめ子は、生き別れの隠し子なのでは?と疑うほど顔が似ていたのでした。(まめ子の顔が父の顔に変わってゆくGIF画像を作ったりしました……ここにupしたいほどですが自粛。)
以下、父シリーズです。




2006年9月18日
先日まめ子に当たられたところが、内出血で青く変色している。押すとまだ痛い。
「まめ子に当たられたところ、こんななってんー、痛いわー」と父に見せたところ、父、

「エッ、まめ子、大丈夫か!?」

父よ………


2006年10月22日
父が珍しく「おい、お土産買うてきたぞ」。
見ると、ガラス細工である。
不格好な、いぬの形をしている。いぬ、と言われねばわからんようなビミョーな目鼻と、なんともアンバランスな恰好。足も欠けている。
「店の片隅に、一匹だけ売れ残っとったんや。どことのう、まめに似てる気がしてな……」
父よ。もう何を見てもまめに見えてしまうのだね!確かに、アンバランスさや不格好さがまめっぽくはある。しかし無駄な買い物は一切しない父が………。


2006年12月16日
父 「まめがメキシコに帰ってしまう夢を見た。まめが、『明日メキシコに帰るわ』て言いよんねん。俺は、『えー、帰ってしまうんかー!』みたいに思うてた。」


2011年1月25日
父、TVで「ミス日本」の美女を見ながら、
「まめちゃんのほうがカワイイわ〜
 まめちゃんが一番カワイイわ〜」






やってきた年のまだ初々しいおさんぽ。秋のはっぱのさくさくが好きだったまめ子





2009.12.14
おでかけ前、さんぽ。石段でちょんもりしてると、オノ・ヨーコみたいな風貌の人に声かけられる。
「まあ、かわいい! 男の子? 女の子?」
「メスです」
「そうなの! グッ・ガール! グッ・ガール! ギミユアヘンド! あらごめんなさい、わからないわよね、私、ロス帰りだものだから」
good girl くらいわかるわい。
「うちのジョニーはね、ロスで飼ってたんだけど、こんなに大きくて、まだ若いのよ、とってもノーティーボーイ!」



まめ子を連れていると、いろんな人に話しかけられ、人見知りの私には人と喋る訓練にもなりました(?)。外国人観光客に写真を撮られたり、ヤクザに撫でられたり、イヤな奴やと思ってた近所の人が犬には優しかったり……。
年配の男性はやたら犬の年齢を尋ねてくる人が多い、年配の女性は飼い主を無視して犬とだけ会話する人が多い、という独自研究データも得ました。





2010年3月29日
一周。晴れたり曇ったり寒かったり暖かかったりで変な天気やなと思ってたら、雪が降ってきた。吹雪! うわあ、まめ、早く帰ろう!とせかしたら、まめはおもむろに路上に座り込み、腹などをぺろぺろしてくつろぎ始めた。


2015年9月23日
夕、まめさんぽ。今日はまっすぐ行ってまっすぐ帰った。コースはまめ子が決めた。「坂にのぼる?」と言うと、「いやや、まっすぐがいい」と主張し、帰りも「もう帰る」と主張した。




まめ子は、若い頃は、おさんぽの際はてってってってっと走りリードをぐいぐい引っ張るのでしたが、次第にのんびり犬になっていき、よく、散歩の途中で座りこんだりごろんしたりしていました。
天気の良い日は、路上で寝始めることもしばしば。
また、なかなかに主張の分かりやすい犬で、行きたくない道に連れていかれそうになると、ぎゅっとふんばって 「そっちちゃう、こっち」と主張するのでした。
ナメられてはいかんのだ、と分かってはいつつも、ついついまめ子の言うことを聞いてしまったものです。







2011年1月31日
先日ライブに履いていったレギンスを履いたら、まめ子がまたふんふん興奮してぺろりぺろりする!
まだ臓物臭が!?
洗濯したのに! いつもより多めに洗剤いれたのに? 手洗いもしたのに……



この「ライブ」というのはスターリンのライブですね。スターリンのライブでは豚の臓物が乱れ飛ぶのであります。
このときは、直前に亡くなった元ギターのタムさんへの手向けに、菊の花も投げられていました。
まめ子は、その菊の匂いも嗅いでいました。






2011年1月16日
出発前、雪の中を一周。地蔵堂がきれいだった。まめ子は尿で雪を溶かした。
帰宅後、妹と、雪の中をやはり一周。服を着せようかとおもったが、きつそうなのでやめた。まめ子、太ったね。公園が白かった。粉雪がまめ子に積もった。





2012年5月24日
今日も昨日と同じく、鐘まで行ったところで「もうええですわ」と引き返すまめ子。どーしたんだ?
夜はおててをかくして防空壕で寝ていた。

2012年5月29日
雷に怯える。雨上がりのおさんぽに誘ったけど、防空壕に入って動かなかった。

2012年5月30日
朝と夕、さんぽ。今日も坂の下で動かず。さいきんかなり強固に行き先を主張しよる。なので、まめ子についていった。
公園は少しあじさいが咲いてた。妹と会ったので、一緒に家へ帰る。
夜はまた防空壕に入っていた。へんな犬だ。かわいいなー


防空壕というのは、うちに掘られていたものです。その後埋めました。




2011年1月21日
一緒に寝る。
夜中、のっそり寝床を抜け出す気配がしたので見ると、部屋の端で寒そうに震えてた…。
まめー!! ベッドに連れ戻してふとんをきせると、ごろんとなった。




2013年7月20日
夜、ひさびさにまめ子といちゃいちゃ。
うでまくらでふわふわを堪能したり(その後、腕がひどくしびれる)、背中あわせでぴったりしたりした。
かわいい。



2014年10月7日
朝、まめ、そっと居間を去ってどこへいったかと思えば、父の布団で寝ていてワロタ。
その後父と病院へ。体重が1kg増えていた。








2014年10月10日
石段へ。久しぶりの石段前ごろん。
知らんひとに「まめ子さんですね」と声かけられた。



まめ子はよく、「まめ子さん」と「さん」付けで呼ばれました。たしかに、情けない顔ではありましたが、なんとなく「さん」を付けたくなるような、風格というか人間ぽさのある犬だったと思います。
まめ子の正式名称はまめ子ですが、我が家では主に「まめ」、或いは多様なあだ名で呼ばれていました。
ペットの名前って、名前をつけておきながら皆それをいろいろに変形させて呼ぶものですよね。
まめ子は、「まめ」の他に、なぜかそれをひっくり返した「めま」、「まめっ子」、このへんは分かるとして更にそれを変形させた「めこ」「つこ」、さらに謎の語尾変化を遂げた「まめぽ」「まめポス」「まめり」「まめっれ」「れ」……などの名で呼ばれていました。