伏見稲荷にのぼったよ(パイロン、貼り紙、その他)


先日はちょっと遅めの初詣として、伏見稲荷に行き、お山を登りました。
頂上まで登ったのは10年ぶりくらいでしょうか。
昔はひっそりとした千本稲荷は、いろんな国からの観光客でぎっしりでした。


本殿前には、お狐さんを思わせる白地に朱色のパイロン。こういうコーディネートパイロンからは、神社の自己プロデュース力が窺えますね。





本殿横の酒樽には、白鷹の阪神樽あり。




本殿では史上最悪のみくじを引きました。
「吉凶相央」と一見穏当であるものの、
「このみさとしは、礼儀作法をわきまえず、驕慢強情で、世の中をあまりに甘く見すぎて、他人にうとんぜらるる兆である」
うわああああああーー!!!





気を取り直して(いや、未だ取り直せていませんが、)お山を登ります。

伏見稲荷は、参道の脇に、信者が奉納した小さな祠(「お塚」と呼ぶらしい)がコチャコチャ折り重なるように立っているのが、パラダイス的(※桂小枝的用法)で楽しいのです。
私は「なんかがいっぱいある」とか「なんかが過剰」とかが好きなので、ちっちゃい鳥居がもぞもぞもぞもぞとひしめいているのにときめきます。

こちらはそんなお塚のひとつ、ヤエコ姫大明神。誰?




参道は、ずらーり並ぶ千本鳥居。予約済らしき場所にはパイロンが立てられていました!





かなり登って四つ辻のところまで来たら、京都の街(南)が見下ろせます。冬空の下輝く京都の南半分よ〜。




四つ辻の売店もややパラダイス的でした。なんでだかカエルさんがいっぱい。
(よく見ると、海洋堂フィギュア的な小さなカエルさんとカメさんが点在。)




やや無理のある名物。明らかにさいきんできたっぽい「ご利益」「縁起物」。




四つ辻でちょうど16時頃だったでしょうか、鳥居の間から日が漏れて差すのが美しいです。





山頂から20分ほど登ったら「山頂」の文字が見えてきました。
しかし、私はこのフォントを見ただけで直観したのです。「ここには……何かある!」と。
「山頂」の横の、「当店への再確認お断わり」 の文字が何かを予感させます。




はたせるかな、山頂は貼り紙天国でした!
まずここにも「再確認は不用」の文字。
山頂売店S家(ただの売店でなく色々由緒あるらしい)の方は、「ここが山頂ですよね?」と訊いてくる参拝客たちによほど悩まされているのでしょう。
しかし、何か敵意すら感じます。




ちょっと見えづらいですが鳥居売り場にも貼り紙が。こちらは更に厳しい文言。
「道案内所ではありません
ご自分で地図を見て下さい
地図を見れば全てわかります
自分で判断して下さい」






ここで休憩されることにも迷惑されているようで(しかし山頂なんやから休憩するよな)、「休憩所ではありません」「NO REST」「ここに立たないで下さい」「ここはS家の前です」という貼り紙もたくさんありました。






この「一般参拝の方々はパイロンの右側へ」パイロンもたくさん。



「一般参拝の方は正式参拝(供物をもって参拝される方)の邪魔にならないように」とわざわざ注がつけられた貼り紙もあり、「ここは観光客のもんとちゃうんやで」的意識が窺えました。
はるばる山頂まで登ってきた人々にこの扱い……おもてなし皆無。京都らしいといえば京都らしいのでありましょうか?


S家の所有を示すパイロ



パイロンの上にさらに注意書きがつけられたパイロ



うきうきと山頂へやってきたところで急によそさん扱い、というか敵扱いされた気分で下山いたしました。
しかし思いがけずパイロンと貼り紙をたくさん採取でき収穫でした。
売店はそれぞれカラーがあるようで、ここから少し降りたところの薬神の滝売店では、ゆでたまごが80円でふるまわれており、いろいろ気遣いをしていただいて心なごみました。