2016年にもなって今頃、『非婚同盟』を観ております。
『非婚同盟』とは2009年に放映されていた昼ドラなんですが、当時、研究室(の一部)で流行っており、「黒い芝生で玉ころがし」などの謎のフレーズが気になってはいたのでした。
犬がいなくなり日々の楽しみがなくなったので、この機会にと観始めたのでした(代替の楽しみとしてどうなのか?)。
父の乱倫と母の苦悩を見て育った主人公たちが成人して非婚同盟を結成するが……という悲喜こもごもストーリーなのですが、とにかく脚本の破壊力がすごい。特に子供篇。
風間トオル、いとうまい子、三原じゅん子らベテラン勢のハイテンションな演技に、子役たちの熱演。(このドラマでしみじみ分かったんですが、三原じゅん子って物凄い美人ですね。眼力が凄い! 八紘一宇とかいうてる場合ではないよ!) 70年代上流階級のお屋敷やお洋服の絢爛さもナイス。何より、「黒い芝生で玉ころがし」を初めとする名台詞の数々!!
脚本は中島丈博。この方、その道(昼ドラ道)では天才と呼ばれているそうですがさもありなん。
今は40話まで来ましたのですが、大人篇に入ってからちょっと迷走気味ですね……。(ゆきこが惚れっぽすぎるのとお嬢様ルックじゃないのが納得いきません!) やはり子供篇が最高です。
しかし、父権への懐疑、女同士の連帯と葛藤、自立と解放のための理念がいつしか枷となりだがそれでも……といったテーマ群には、「フェミニズムは昼ドラにあり」という格言はまことであるなあと感慨を覚えるのでありました。
主人公の非婚の誓いが、自由と解放のための理念であると同時に、母の遺言による呪縛でもある、という点も鋭いなあ!
実際、われわれの同世代の多くの女性もまた、遺言こそされねど「けっして結婚はしてはいけないわ」という母からの言語的非言語的メッセージを受け取って生きてきたのではないでしょうか? とか思うと!
思わず熱く語りましたが、基本、笑うために観ております。
以下に、各回の名台詞を紹介しておきます。
【名台詞集(※子供時代篇のみ)】
「友達がみんなメンスが始まってるのに」(第1話)
「じゃじゃじゃじゃーん」(同)
「今週も黒い芝生で玉ころがし」(同・殿堂入り)
「ねえ〜早くゴルフゴルフ、玉ころがししてぇ〜」(第3話・殿堂入り)
「地獄はいくらでも極楽になる」「欲望なんかじゃない、人類愛だ」(第4話)
「じゃじゃじゃじゃーん」(第6話・2度目)
「ブルーチーズじゃ駄目ですか?」「臭いわー!」(第7話)
「アコースティックで殴ったから音がしたんだ、エレキで殴ればよかった」(第9話・殿堂入り)
「震度6なら震六郎、震度7なら震七郎か…」(第10話)
「だいたい君たちセックスの体験はしとるのか?」「おれが死んでみろ、親父の妾ってのは息子にとっていいものだぞ」(第11話)
「フィンガーボウルの水を飲め」「ようし、フィンガーボウルの水は飲むものなんだ、おれも飲むから皆も飲め、みんな、フィンガーボウルで乾杯だ!」(第12話・殿堂入り)
「整形美人なんて申してませんわ、整形ブス」(第14話)
「自分の芝生をきれいに磨いて、玉をこっちに入れさせる」(同、ゴルフネタ12話ぶり)
「自分でゴルフの穴を緩めといて」「おまえたちは馬鹿かー」(同)
「男のエゴイズムと父権のごり押し」(第15話)
「あの女のところへ毎晩沈没してるのね!」(第16話)
「俗に言うみみずなんとか」 (同、昼間からそんなん言うな)
「秘書退治」(同)
「ラージポンポン」(第17話)
「おれはつねに二人は女がほしいんだ」(第18話、すがすがしいクズ)
「雌豚ー!」(同、娘から母への台詞)
ちなみに私は秘書が好きです。芸能人をあまり知らんのですが、有名な役者さんなのかな? このドラマで見る限り、ぬめっとした色っぽさのある方ですね。80年代ファッションも似合ってて素敵でした。