昼のラヴホテル街(7) 新宿篇後篇
前回より引き続き、歌舞伎町2丁目を散策してみましょう。
職安通りを南に入り、明治通りに出る手前。このあたりはラヴホテルではない建物を見つけるほうが難しいのでは。
そんな中になぜかバッティングセンターがふたつもどでーんと広がっているのも可笑しいです。
ホテルリバティ。
「リバティ」という名は、全国でトップ10位内には入るであろう 「ラブホによくある名前」 だとおもいますが、どうでしょうか?
ささやかなお金で数時間の自由と解放を買う……そんなせつない感じが絶妙に表現されたネーミングであるとおもいます。
それにしても、平日料金と休前日料金に差がありすぎますね。
リバティの駐車場は開放的な表玄関とは対照的に、ヨーロッパの地下牢へ入ってゆく感じが良いですね。
ホテルXO。XとOに分かれている? 二世帯住宅のようです。
歌舞伎町らしいデラックス感と同時に、健康ランド感も感じます。
こちらも新宿らしい。エンペラータワーと名乗っております。
見上げてみるとたしかに高い!! こりゃエンペラーや!
京都でこの高さのラブホはありません(坊主が怒ります)。
まるでレストラン。
セーフティ・ボックス完備。
セーフティ・ボックスとは金庫のようなものです。売買春時などの金銭トラブル(シャワーを浴びている間に財布を抜かれる等)防止用と思われます。
嗚呼、密室の中にもまだ密室が必要とは。
当のホテルはこんな外観でイイ。
遊園地にこういうのあるよね。あるいはびっくりドンキー。
手描きぽい蜘蛛の巣。でもお部屋の内装はふつうなんですね…。
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上のはなんちゃって廃墟ですが、近くには本当に取り壊され中の廃墟ホテルがありました。
在りし日が忍ばれる、独特の形の窓。
欠け落ちたロゴ。
このアーチは入り口でしょうか? これもラヴホテル独特の形です。
駐車場の後?
柄タイルが残る一角。
廃墟の向こうには赤いクレーンが見えます。見ると、大きな建物を建設中でした。ホテルのようですが、ラヴホテルでなくふつうホテルかしら?
人から聞いたところによると、このあたりのゾーンは、ここのところの浄化志向の中で潰されゆく傾向にある、とのことでした。猥雑なところがなくなってクリーン化されてゆくことには、感傷を ――もちろん猥雑なところにはそれゆえの問題が多々あるであろうから一概に感傷的になるのもどうかとは思うけれどもしかし―― 覚えてしまいますな。
それにしても、若い頃にはモット悲愴な気持ちで歩いた新宿を、2000年代も10年を過ぎた今まったくニュートラルな気持ちで歩けてしまい、そのこと自体にしみじみとしてしまったのでした。