台湾のパラダイス!金剛宮への道【後篇】

【中篇】 より続き。
※前回までのあらすじ: 台湾北の果てにあるパラダイス・金剛宮にやってきた私(とむりやり連れてこられた母)は、長い廊下に並ぶ、衝撃的な姿の仏像(?)に出会う、そして……



長い廊下を抜けたところには、更にその奥へと、長い渡り廊下が続いていました!

どんなに広いんだ……
「寺」というより明らかに、田舎に土地があったから好きなもの作っちゃった風。これもまた、パラダイスに共通する特徴であります。(例:淡路島なぞのパラダイス)




渡り廊下とはいえ、安心することはできません。
廊下に沿って、大小のさまざまな像が見下ろしてきます。




廊下を渡り切ってたどりつくところは、「金剛宮仏教聖地」
何もかも習合の金剛宮の中で、仏教メインの建物らしいのですが……




入ったところにいきなりこれ!! 金剛宮ご自慢のひとつ、「世界第一大臥佛」 です。もはや信仰心とかでなく、「でかいもの作りたい!」という欲望だけが感ぜられるのがすばらしい。(牛久大仏同様。) わたくし(150cm)との対比をお楽しみください。


でかっ!!





頭の先から足の先まででかい…… そしてこの色合い…… 頭が原色(真っ青)とは!!
と、臥佛を眺めていると、受付的なところに座っていた女性に「ニイハオ」と声をかけられました。当然ながらこの仏教聖地にも誰もいないので、とても暇そうです。奥の間に案内してくれました。
ここは「斗姥元君殿」。やはり道教の神様で、星たちの母(?)とのこと。そしてやはり四面佛です。なお、このときに女性が言った 「スーメンフォン、タイワンダフォン」 というフレーズだけが、この旅行で唯一聞き取れた中国語でした…。



それぞれの面の表情が全然違います。




これは台湾式の絵馬。日本語の絵馬もちらほらあり、わざわざ探して見せてくれました。「台湾最高」「また金剛宮に来たいです」「世界平和」というようなことが書かれていました。
われわれも勧められたのですが断ってしまいました。今思えば書けばよかった。次回は書いてきます。





「仏教聖地」は三階建てです。二階に上がると「長生殿」とあります。これは何の神様でしょうか? そしてその前にぬっと顔を出すえびすさんのような人は??
ちなみに、金剛宮の神様たちは皆、この「Kid-O」というなんだか可愛らしいお菓子を供えられていました。





さて、三階へ。
ここには「五百羅漢殿」があります。
金剛宮にしては地味なエリアなのですが、ここで私はかなりの衝撃を受けました。

部屋は、小学校の教室くらいの部屋。
しかし、足を踏み入れると薄暗く、天井は鍾乳洞のようになっています。
「私……入口で待ってるわ。あんた入ってきよし」
母、入場拒否!




そしてひとりで入ったのですが……此処は、凄かったのです!
まず、部屋の広さは小学校の教室くらいと書きましたが、一度入ると、道は迷路状に折り畳まれており、ショートカットして途中で出ることはできません。つまり、必ず、すべての羅漢さんに会わねばならないというつくりです。
そして何が凄いかというと、人の気配、人の気配がするのです!
うねっている道を曲がるごとに、「あッ、誰か潜んでいる!?」と濃厚な人の気配が感ぜられ、びくっとするのですが、現れるのは羅漢像。そうして次々新しい羅漢像が現れる…。
こうして迷路を抜ける間、生きてるんちゃうか?と思われる羅漢たちの息遣いや生温かさに囲まれつづける…。
この「人」感は、わたしの拙い写真ではちゃんとお伝えすることができず残念です。
100分の1でも伝われば幸いです。














羅漢像の部屋を出て、ちょっとほっこり……。三階から四方を見渡せば、周囲は田園風景が広がっており、その向こうに海。金剛宮の原色だけがやはり異彩を放っています。
そしてなぜか、犬の遠吠えが響き渡り、不穏…。




さて、この「仏教聖地」が金剛宮の一番奥らしく、ここからはぐるりと反対側の道を引き返すことになります。
しかし! まだスペシャルなアトラクションが待っていたのです!





上の写真からお分かりいただけましょうが、ここは、地獄極楽棟。一階が「地府」、二階が「天国」らしいです。
まず、一階を通り抜けねば二階に上がれない仕様になっているようなので、おっかなびっくり地獄へGO。

このちょっとかわいいやつは地獄の番人、牛頭馬頭ってやつでしょうか? だが、それよりも注目していただきたいのは、その奥に写り込んでいる、ベロの人です。




入口の両脇には、しょぼい風呂屋の風呂みたいなところに浅く水が張られ、なぜかその中に、蛇と犬が鎮座し、われわれを地獄へいざないます…… 金剛宮記は今回で完結させようと思うてたのですが、なんか疲れてきたので、地獄のことは次回書きます。







地獄へようこそ… 次回こそ完結篇!