夏の思い出・渋滞篇


これまたずいぶん前の話になりますが、お盆前、旧友たち(以下、ワタミャーとする)と海へゆきました。
ナメカーに乗りこんで山科から高速へGO!
しかし、わたしたちは、「お盆期間の日曜日」 を激しくナメていたのでした……。(ナメだけに。)

これまでもこのメンバーでは何度か海に行っているのですが、思えばいつも微妙なシーズン(海開き直後とか)、平日だったのです。今回は全員の休日の関係で、お盆になってしまったのでした。
山科で高速に乗った頃はまだテンション高かったわれわれ。往路量販店で無駄にがしゃぽんとかに興じてはしゃいでたわれわれ。
ゆるやかな渋滞に既に巻き込まれはじめていたのですが、渋滞というものの常として、そうはいうもののそのうち自然と解消されるであろうと考えていたのでした。
そしてナメちゃん持参のナメ製ドライブ用BGMボックス(Cocco神聖かまってちゃんあぶらだこゆらゆら帝国『ミーのカー』など、およそドライブに不適なCDばかりが収容されたボックス)から、全員なんの思い入れもない「羞恥心」を聴いて無駄に盛り上がったりしていたのでした。
サビが、♪羞恥心、羞恥心、てどういうことやな…。


しかし! 一時間経ってもまだ京都市内を出られない!!


車は京都南インターあたりで、完全に動かなくなってしまいました。
10時に家を出発し、既に13時前になろうとしているがまだ京都府から出ていない!
外には、炎天下を革ジャンで走行するバイク乗りたちが…。死ぬなよー!と勝手に心配しながら、彼らを観察するくらいしかすることがないわれわれ。
運転役のナメちゃんが眠くなってはいけないので、しりとり(注:ワタミャーたちが最も好む遊び)を始めました。
われわれの長年のしりとり歴の中で最も盛り上ってきた「●●しばり」ルールを適用。今回は、「夏に関係ある言葉しばり」。最初は、なつ→つくつくぼうし→しみ→みんみんぜみ→みずぎ というそれなりにそれらしい流れでしたが、次第にルー大柴… 暑苦しいから!」 など解釈が拡張されてゆくのが見所でした。

しりとりにも飽きて、時間は既に14時前に…。本来の予定であれば、海に入って涼んでいる時間です。
さらに、眠気ざましのため、ナメちゃんのBGMボックスを漁り、CDを嘉門達夫に変更。
嘉門達夫は、われわれの中学生時代に「替え歌メドレー」で紅白出場など全盛期を迎えており、関西の中学生だったわれわれの間でもものすごいブームを巻き起こしたのでしたが(わたしは今でも「鬱」という字を書くとき、嘉門達夫の「憂鬱の鬱の書き方」を歌わないと書けません)、その後急速に全国区から姿を消し、関西ローカルタレントになってしまったのでした。しかしナメちゃんは今でも嘉門のアルバムを買い続けていたのか……。
嘉門の芸風が90年代とまったく変化がなくて感心すると同時に、音がよくなってるのと、歌がうまくなってることにも感心しました。
もはやテンションがおかしくなっているので、なんてことないネタでもアホのように笑ってしまい、「当たり前クイズ」がツボにヒットし笑いよじれていたのが、われわれのテンションの最後の高潮時でした…。


やっと天王山トンネルを越えるも、トンネルを抜けたところに待っていたのもまた地獄。
熱気で故障が多いのか、路肩にはエンストしたらしき車が続々群れをなし、ひっきりなしに緊急車両が走るという殺伐とした光景。SOSボックスに走る親子連れや、おそらくはこんなところで使うはずではなかったであろうレジャーシートに座り込むカップルや、植え込みに排尿するおっさんたち。地獄絵図です。いやだー!!


レッカー車みたいなやつがパイロンを搭載していた(後輪の斜め上)ので写真撮った…↓
こんな写真を撮っていることからも、いかに車が動かなかったかがお分かりいただけるでしょう。




昼時を過ぎて、ナメちゃんの目がうつろになり始めたので、海で食べるはずであった弁当を開けることに。ナメちゃんは唯一、腹が減ったときのみ無口になるのです。
ナメ弁当は、ごはんがまつたけごはんだったりタチウオが入っていたり、豪華!! そして美味しい! しかしそれを、ほぼ無言で掻き込むわたしたち。




ごはんを食べ、運転手は晴れやかな表情を取り戻しましたが、次の苦難が待っていた!
ひとりのワタミャーが「トイレ行きたい」と言い出したのでした。次のSAは吹田。しかし電光掲示板には 「吹田まで2時間の渋滞」 の文字が!!

これはむりや!! トイレ的にも無理だし、海に着く頃には日が暮れてしまう!
そこへ「茨木IC」の看板が見えたので、急遽、茨木ICで降り、車を乗り捨てJRで海へ向かうことに決定。
茨木で降りる車は既に列を成していたのだけど、割り込ませていただいた……すみませんでした。
トイレ行きたいワタミャーは、「なんで車で来てしまったんや…」「違う場所にすればよかった…」「なんでお盆にしたんや…」と根本的な後悔しか口にしなくなり始め、「なんか気を紛らわせることない?」と言うので、BGMを嘉門達夫からあぶらだこに変更したところ、
「余計いらいらするからやめれ!」
と怒られたのでした。


茨木IC付近はものすごい混雑具合でしたが、ナメちゃんの神運転でなんとか脱出。脱出の際、隣の車列の中で、死体のようになっている運転手の姿を見ました。
高速道路、いや、低速道路を降り、トイレを借りられそうなところを探す。
「あの食堂は?」「なんか入りにくそうやしイヤ!」 この期に及んで選り好みをするワタミャー。
しかしその後無事トイレも済ませ、一同晴れ晴れとJR茨木駅へGO。
適当な駐車場に車をぶち込み、電車へ。
時間は既に15時… 予定では、ひと泳ぎした後ビーチでなごんでいる時間です。
電車なら、京都から茨木までは20分程度。その距離を3〜4時間かけて(しかも高速料金、いや低速料金を払って)やってきたのかと思うと、何をやってたんだと脱力してしまう。
しかし、「ここまで来たらもう引き返さない! 一時間だけでも海に浸かろう!」 と励ましあうワタミャーたち。「急ごう!」と言いながら、茨木の駅でカルピスシューアイスなるものを買う。美味しかったです。





そこから約1時間、須磨駅に到着! 速い……電車速い……
急いで水着に着替え日焼け止めを塗り込みビーチへ。
時間は既に16時過ぎだが、まだ人がいっぱいいます。しかし須磨、平均年齢が若すぎる!!

去年は落ち着いた海へ行ったのですが、須磨はうってかわって、20歳前後の、しかも所謂リア充な若者たちばかりなのです。
そしてナンパがすごい!! 「さっきから、きれいだなーって思って見てたんですよー」みたいなベタなナンパが周囲で繰り広げられており、一つの女性グループにつき必ず一ナンパ男がいる! ナンパ男たちは、写真係りに使われたうえで追い払われるなどしていました。(注:もちろんわたしはナンパされません。)
さらに不可解なのは、海の家がビーチ全域に湘南乃風(よく知らないが…)的な音楽をがんがん流しているのですが、それに加えて、各若者集団がそれぞれでかいステレオを持参しており、それぞれが湘南乃風的な音楽を流しているのです。要らん! そんなにぎょーさん湘南乃風は要らん! 湘南でなくて須磨だし。

そして、須磨の決定的な欠点としては、水が汚い!!
ビーチもたばこの吸殻とゴミだらけなのですが、海水も茶色に染まっており、これは海の色でなく、沼、いや、ドブの色です。 波が寄せると同時に、大量のゴミ、空き缶、空き瓶、吸殻が一緒に押し寄せてくる……人間の泳ぐところではない!!
(いや、人間が泳ぐからこうなったのですが…。)

ちょっとましかもと思い沖のほうまで伸びる防波堤を歩きそこから飛び込んだらば、小指を負傷しました。


しばらくそこで耐えておったのですが、少し移動すると比較的人が少ないゾーンがあることに気付き、移動。時間は既に17時、そこへきて、やっといくらかまったりすることができたのでした。


うちあげられたイカ



うちあげられたカニ



バドガールシートと足



続・弁当



砂に書いた犬



まめ子のおっぱい(8つ)



日の暮れゆくビーチ



わずかな間でしたが、なんとか海を愉しむことができ、満足してシャワーへ。だがここでも、海の家名物ぼったくりシャワー室、しかも蒸し暑く・狭く・シャワーカーテンが無いに等しいシャワー室に憤ることとなります。もう須磨でなど泳ぐものか!


帰りは茨木から運転せねばならなかったので(運転するのはナメちゃんだが)、何か元気の出るものを… ということで、駅前にあった喫茶店に入りました。老夫婦(?)が営んでおられる、古そうな小さな喫茶店だったのですが、珈琲とケーキが素晴らしくおいしい!! しかも安い。閉店間際に入ったのに丁寧に接客してくださり、感激でした。これが、この日われわれが最も幸せであった瞬間でした。ほんとうに素敵なお店でした。茨木には、また行きたいです☆







(茨木からは国道を走って帰りましたが、高速道路よりはるかに高速でした。)


うきわをふくらます私曼荼羅