夏の思い出・名古屋観光(地味スポット)篇

もうずいぶん前の話になってしまいましたが、名古屋の思い出をば。

おもえば今年は、お盆明けの鬱な時期(京都は送り火が終わったらいきなり寂しくなるのでイヤだ)を、名古屋で過ごすことができて助かりました。
しんどかったですが、充実した四日間でした。
名古屋のエビバデ、ありがとうございました!!

あまり観光する時間はなかったのですが(そもそも超暑かったし)、地味にちょこちょこ歩いたりした記。



【西春周辺】

おしごとで参った西春らへんは、のどかな街でした。西春、地名も素敵。
(しかし痴漢とひったくりが多いということを、のちに知る。)


名鉄犬山線。見事な一点透視。





田畑のむこう、ヘルメット+ケッタ軍団。





好きなお花がいっぱいありました。






【天白散策】

着いた日は、天白区へゆきました。
天白区は、べつになんもないのですが、「寄鷺橋サンセット」を寄鷺橋で聴いてみたい!とかねてより思っておったので、この機会にと。
「寄鷺橋サンセット」は、以前にも当ブログで熱くかたったフラワーカンパニーズの曲。『世田谷夜明け前』というアルバムに入ってるんですが、寄鷺橋は、世田谷でなくて名古屋市天白川にかかる橋とのこと。
歌やら文学作品やらの舞台めぐりみたいのって、普段あんま興味ないのですが、以前ライブのMCで、「わざわざ行くほどのところじゃないですからね! わざわざ行くなよ!」 と言うてるのを聞いてから、なんか行かねばならないよーな気になっていたのでした。


地下鉄塩釜口で降りると、郊外でありかつちょっとレトロな趣を残した県道が続いており、京都の伏見区を思わせます。





このあたりには二本の川が流れていて、しばらく歩くと植田川という川に出ます。川沿いに寄鷺橋の方向を示す表示を見つけ、とりあえず植田川に沿ってくだってゆくことに。





日はやや傾きかけの時刻。
あいほんにイヤホン刺して 「寄鷺橋サンセット」 フライングぷれいんしたらば、吃驚、この曲は当初メロディも詞も凡庸に感じてあまり好きな曲ではなかったのだけど、この川沿いを歩きながら聴くと、あまりにもぴったりハマるではないか! 
映画とかで青年が何かに追い立てられるように川沿いを走っていてそのBGMに流れているような(分かりにくい喩え)、そんな感じで、ああ、ほんとうにこうして川沿いを歩くリズムで作られた曲だったのだ、と感慨。
ここにこんなギター入ってたんや、とか、ここの歌い方かっこいい、とか、何度も聴いている曲のはずなのですが、初めて聴くかのようであり。







10分、15分ほど歩くと見えてきた、緑のアーチ。あれが寄鷺橋らしい。
調べたところアーチ型の橋は東海では珍しいようですが、とはいえ、ウォーキングのご老人と、殺伐とした立入危険看板と、団地のほかには、たしかに何もない。
寄鷺橋が架かっているのは天白川。小さな川だろうなとはおもっていたけれども、思いのほか小さい。




橋を渡ってみました。橋の袂にねこちゃんを発見。







時刻はちょうど、サンセット。
暮れ落ちる小さな夕焼け、をながめながら、静かな橋の上でしばし過ごすことに。
たしかに、小さな夕焼け。



もう一度イヤホン刺して曲をぷれいんしてみる。
橋の欄干には訪れたファンの落書きがたくさんある……はずもなく(「桜坂」ではないからなあ)、「この橋から見える世界」はこんなに小さな世界だったのだなあ、「全て流しに」いく天白川は、こんなに小さな川だったのだなあ。

寒天のような暗い水面を眺めつつ、その世界を 「閉じ込めて、鍵かけて」 と歌うてるのんも初めて気づいてはっとしました。
取るに足りない、小さなものやしょうもない記憶を、鍵をかけてじぶんだけの袋に入れて、ひとごみの中でそっと取り出してぎゅっと愛でる、というあの感覚は、昔から彼らが大事にだいじに歌ってきた感覚であって、実にフラカンらしい曲やったんやなあ、と思うと同時に、その感覚はわたしがしばしば覚えるところの感覚でもあり。

とまれ、寄鷺橋で聴く寄鷺橋サンセットは最高であった。
寄鷺橋は、たしかにまったく 「わざわざ来るようなところでは」 ありませんでしたが、行ってよかったのう、としみじみおもたのでした。



この橋から見える世界(北を望む)。夏の天白川



南を望む。暮れ残る真っ赤な風景。




暮れきってしまう前に移動せんとて、寄鷺橋から天白川沿いを南に下ると、ちょうど犬散歩時間だったようで、可愛い犬々に続々遭うことができました。
そこから県道221に出ますと、寄鷺館という喫茶店があります。京都の街中では珍しくなってしまったレトロな外観の喫茶店で、珈琲がとても美味しいと聞いておったので、立ち寄ろうかと思ったのですが、目の前で閉店の悲嘆!! 久々に閉店力発揮しました……。






名古屋駅地下街】

翌々日の夜は、諸々の事情で精神的に危機的状態にあったのですが、愛知在住の友達がいっしょにごはんを食べてくれたのち、駅近辺を案内してくれてなごみました。
彼女は名古屋の地下街に異様に詳しくて、「猫が案内してくれる地下街があるの!」 と言うので、な、何の妄想!? と一瞬びびったのですが、「??」と思いつつもついていけば、たしかに、猫が案内してくれる地下街でした!


駅からルーセントタワーまで続く地下街で、この猫ちゃんといっしょに旅が始まるのです。




これはうさぎさんのいる草原ゾーンですが、他にも砂漠ゾーン、サバンナゾーン、海etc さまざまなゾーンがくるくる現れ、それぞれのイメージに合った色の照明になっているのです。




そして、どのゾーンにも猫ちゃんがついてくる! 海ではクジラに乗ってたりこんなふうに馬に乗ってたり。




この壁画は、グッドデザイン賞を受賞したそうですが、別に観光地でもなんでもなく、ふつうに通勤ルートとして使われているようです。

いいなあ! こんな通勤道なら毎日ハッピーやなあ!飽きないなあ!
……と思いましたが、道行くビジネスマンの方々は特に壁画には目をくれず、淡々とつまらなそうに歩いていました……。もったいない。



こっちは地下から出たとこにあったバームクーヘン屋(の扉の取っ手)。





名古屋飯

さて、名古屋といえば名古屋飯。連日の名古屋飯のおかげで若干太って帰ってまいりました……おそろしい。


一日目: ひとりで矢場とん



二日目: 友人とえびふりゃー



三日目: 友人と手羽(注:腹が減ってたので食べる前は写真どころではなかった。)



四日目: 小倉あんトースト



小倉あんトーストは、毎朝ホテルの食堂で見かけて、「うまいんか?これ」と思うていたところ(わたしは粒あん苦手なのです)、ついに「むりやり小倉あんトーストを食わされる」という夢まで見てしまったのです。で、帰り際に人と会って入った喫茶店にコレがあったので、思い切って注文してみたところ、ちょー美味しかった!!
名古屋飯最高!!

ちなみにお昼は連日コメダの豆のみでがまんしました。




これから、名古屋で増えた体重を、もとに戻す作業に入りたいとおもいます。