冥界ロン

お盆前には、京都六波羅六道珍皇寺にいきました。
そこで収穫したパイロン。
お寺らしい渋い色にネーム入り。いいですね。




と、パイロンはふつうなのですが、珍皇寺はなかなかパンチのきいた寺です。
そもそも六波羅は京都の街中でも屈指の不思議な雰囲気漂う土地。
普段はそれほどひと気のない地元の商店街なのですが、お盆前には、鐘をつく人々で大変賑わいます。
お盆に死者を呼び戻す鐘があるのです。
というのも、珍皇寺は、かの小野篁が冥界と往来していたという伝説の井戸があるのです。つまりあの世とこの世をつなぐお寺なのです。



「あの世への入り口」提灯。





お盆グッズを売る夜店が並びえらい賑わい。
線香と槇の匂いが立ち込めていました。






そして陰惨な地獄絵。




地獄絵(実際は地獄極楽絵図なのだが、地獄部分のほうが断然イムパクトあり)は、お盆前の「六道まいり」の期間だけ公開されます。
子供のころから毎年見てますが、昔はほんまに怖かった。
今回は「地獄絵ストラップ」が売られていたことに驚愕……。
他にも、閻魔クリアファイルなど。



そして、例の鐘。
今回は、祖父の初盆なので、われわれも鐘をつこうということで来たのですが、鐘の前にはおそろしい行列でした!
これまでいくつか行列というものは見てきましたが、もしかするとこれまで見た行列の中で一、二を争う行列だったかもしれません。
鐘つきを待つ人たちの列は、境内からはみ出て通りに並び、それでも足りず次の角を折れ曲がり、さらに角を折れ曲がり、近辺をぐるりと一周してさらにまだ続いておりました。
鐘をつくのに2、3時間待ち……。その中の一体どれほどの人が、あの世の存在や、盆に帰還する魂の存在を信じているのか。おそらく本気で信じている人は一握りであろうに、そこまでして人に鐘をつかせるものは何ぞ、…というようなことを考えつつ、われわれは暑かったので並ばず帰りました。おじーちゃんごめん。