今期の幼虫たん

先日「イモムシハンドブック」という本を紹介しましたが、わが家の裏の木にもいもむしさんがいもいもする季節になりました。

今期の最注目は、ありえなく長いナガサキアゲハ(推定)の幼虫さん。
でかっ。こんなでかい幼虫たんは、たぶん初めて会います。
見るたびに目を疑うほどでかい。
わたしの中指より余裕で長い(わたしの指が短いともいえるが)。


でも写真ではあんまわかんないですね……残念。他の幼虫さんと並んでくれれば比較できるのですか。
下は、彼(彼女?)を正面から見たところ。







一方でこちらは、脱皮して終齢になりたての幼虫さん! ナミアゲハかな?





お分かりでしょうか、脱皮したては、皮が余ってたふたふしてかわいらしいのです。
色も濃くてちょっと黄色がかってます。
たふたふした皮をもてあまし、ちょんもりと葉っぱにくっついているこの時期の幼虫さんをみるといつも、いみじう「らうたし」という古語の言い回しが思い浮かびます。「かわいい」でなくて「らうたし」って感じなのですよね。
脱皮はけっこうエネルギを使うようで、脱皮後お疲れのご様子で凝と居たるやうもらうたし。


ちょっと育つとこんな感じ。



後ろ姿もかわいい。まるいおしりのラインがよい。

けっこう育った頃。はっぱを食もうとしてます。




はっぱを求めて枝にのぼってます。元気。




ところで幼虫さんがうようよいるわりに、蛹の姿をあまり見ないなアと思ってたら、すごく離れたところの木の枝で蛹化しているのが、今日発見されました。
数年前も、捕獲してケージで飼っていた幼虫さんが、ケージを脱走してかなり離れたちゃぶ台の裏で蛹になってたことがありましたっけ。
きっと、蛹になりやすい場所やなりにくい場所があるのでしょうが、それをちゃんと察知してじぶんで移動していくとは、すごいもんです。
そういえば先日、母がこんな話をしてました。

「道を歩いててふと足もとをみたら、あおむしさんがものすごい速さで移動しててびっくりした! いつものったりしてるんとは、別虫のようやった!!」

たぶん「ウワァァァ急がないと蛹になってしまうっっ!!」と焦って移動していたのでしょう。
それって、われわれがトイレに急いだりするときのよーなものなのでしょうか。
ああ、蛹になるってどんな感じなのでしょう。
「さあ、蛹になろか」と思ってなるものなのでしょうか、それとも、とつぜんどうしようもなく蛹になってしまうものなのでしょうか。
蛹化中の彼らはどんな意識でまたは無意識でいるのでしょうか。
蛹になる、ということは、男である、とか、出産する、とかと同じくらい、未知の体験です。



おまけ写真。昔買ったポストカード。ウミウシのような、きれいな幼虫さん。