オウム真理教と深沢七郎


おはようございまつ。
今年の連休はよいおてんきなことでうれしいですね。

今日は憲法記念日だそうですが、憲法記念日の思い出といえば、1995年の5月3日に、当時オウム真理教顧問弁護士だった青山吉伸が逮捕されたことが思い出されます。
寺町に買い物にいったところ、電器屋街にディスプレイされていた大型テレビの前に人々が群がって、逮捕の様子を観賞していたのでした。
当時は毎日毎日が「逮捕祭り」のような様相でした。
憲法記念日に逮捕したのは、偶々であったのか、或いは、かつて共産党系弁護士事務所に属し、オウム入信後も軍備増強や憲法改悪を批判していた彼に対するいやがらせであったのか、未だに気になるところです。

ところで、オウム真理教といえば、さいきん「マスゴミ」とかいう言葉が流行ってるんが気になります。
というのは、「マスゴミ」とは誰が言い出した言葉なのか知りませんが、わたしの記憶では、最初に聞いたのは、麻原尊師による「マスゴミ攻撃で私の体はボロボロだ」という言い回しの中においてであるからです。

まあどうでもいいんですが、とりあえず「マスゴミ」と言うときゃいい、みたいな昨今の風潮に対しては、マスコミがテキトーだなんて今に始まったことでもないのに、「マスゴミ」とか言うただけでなんかたいしたこと言うたような気になってんぢゃねえよ、とおもう次第であります。


  


もうひとつ、憲法と聞いて思い出すのは、深沢七郎の文章です。
かの「風流夢譚」の半年ほど前に、「アンポ」騒ぎの中で書かれたもののようです。


憲法と言われてボクは飛び上る程びっくりした。僕は憲法などというものはあるけれどあれはダテにあるもので空手形と同じものだと思っていたからだった。ダイタイ憲法というものは誰がきめたかボクは知らないのである。議会できめたらしいがボクは議会というものをよく知らない。ボクは選挙に行ったことはまだ三回しかない。そのうち一回は入口まで行って帰って来てしまって、一回はマルを書いて来て、もう一回は投票箱を間違えて都知事の箱へ区会議員の名を入れて、区会議員の箱へ都知事の名を書いて来てしまったのだから、私は選挙にはケガされていないと自信があるのである。
(略)
私の郷里は侠客の名産だがヤクザが道を通れば怖っかながって「かかわりあいになるじゃねえぞ」と言われて小さくなって道をよけて通るように私達は教育をされて来たのである。これは私達だけの風習かも知れない。私が政治に関心がないのはそれと同じである。だから議会だとか憲法だとかはできるだけよけて生活して来たのだった。

深沢七郎「騒げ、騒げ、もっと騒げ」、『群像』1960.8)